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コーポレートサイトにUI/UXデザインは必要?そのメリットを解説

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プロフィールアイコン(写真):ゼネラルマネージャー/CDO(Chief Design Officer)/人間中心設計スペシャリスト 森 太輔
森 太輔ゼネラルマネージャー/CDO(Chief Design Officer)/人間中心設計スペシャリスト(ビジネス・アーキテクツ)

2008年、企業の情報コミュニケーション戦略を実現するプロジェクトを中心に、アートディレクター及びリードデザイナーとしてビジネス・アーキテクツに入社。特に日本の製造業のグローバル展開プロジェクトに長年関わっている。現在はデザイン部門の責任者も務める。

コーポレートサイトを構築・リニューアルする際、もっとも重視すべきものと言っても過言ではないUI/UXデザイン。Webのデザインがビジュアルではきれいに仕上がっていても、UI/UXへの配慮がないとユーザーにストレスを与えてしまいかねません。
この記事では、UI/UXを改善するメリットや、改善のために押さえておきたいポイントを解説します。

UI/UXデザインとはなにか

はじめに、UI/UXデザインとはどのようものなのか、その定義をおさらいしておきましょう。

UIとはユーザーが操作する画面のこと

UI(ユーザー・インターフェース)とは、一言で表すと「ユーザーがシステムやプログラムと情報のやり取りをするための仕組み」の総称です。画面情報の表示・入力形式や操作方法など、ユーザーが見たり操作したりする部分はすべてUIとみなされます。良い UIとはユーザーが操作しやすく、情報を見つけやすい状態のことをいいます。

UXとはユーザーが使いやすいサービス設計のこと

UXとはユーザーエクスペリエンスの略で、「ユーザー体験・経験」のことを表します。製品、システム、サービスなどの利用を通して得た「感動」「理解」や、UIの領域である「使いやすさ」「使い勝手」を含め、ユーザーがツールやデバイスを通じて得られるすべての体験を指します。良いUXというのは、ユーザーの使いやすいサービス設計ができている状態のことです。

このような前提にたって、コーポレートサイトにとって「良いUI・良いUX」とはどのようなものなのか考えてみましょう。

コーポレートサイトにおけるUI/UXの重要性・メリット

コーポレートサイトのもっとも重要な役割は企業ブランディングです。自分たちの事業内容やビジョン、社会的な取り組みを社内外に発信するツールとして位置付けられます。さらにその先には、企業として社会的信用を獲得し、ファンを増やすといった役割があります。

企業価値を高めるコーポレートサイトを作るためには、UI/UXをより良いものにして、ユーザーに効果的に訴求しなくてはなりません。コーポレートサイトのUI/UXを改善することで、おもに次の3つのメリットが得られると考えられます。

企業ブランドが強化される

優れたUI/UXデザインのコーポレートサイトで情報を発信していくことは、正しい企業の情報を効果的にユーザーに届けることへと繋がります。

伝えたいユーザーに自社のメッセージを伝えることで、売上への寄与、ビジネスチャンスの拡大、投資家への訴求などのメリットを生むことが期待できます。

優秀な人材採用への効果

優秀な人材の確保は、どの企業にとっても最重要課題の一つと言えるのではないでしょうか。リクルート用に企業のミッションやプロジェクトストーリーなど、自社の魅力を伝えるコンテンツを充実させる企業が増えています。このような企業情報の発信を効果的に行い、外部に訴求するのにも、優れたUI/UX設計が不可欠です。

社員の意識を高める効果

最近では、社内向けの情報ツールとして、コーポレートサイトを利用している企業も少なくありません。企業として、優れたUI/UXのサイトを活用して社内にメッセージを発信することは、社員の気持ちを高め、社内の目的意識、意識の統一にもつながります。

コーポレートサイトのUI/UXを改善するための手順

コーポレートサイトの構築やリニューアルを始める場合、まずは事業に関するポートフォリオや売上構成比の把握、企業のビジョン・ミッションの確認、同業界や業種における競合調査が必要です。そこから、現状のサイトのUI/UXにどのような課題があるのか整理してみましょう。その際は、担当部署だけでなく、社内外の関係する方々と広く話をすることが大切です。ここでは、コーポレートサイトのUI/UXを改善するための手順を詳しく説明します。

1.コーポレートサイトの目的やコンセプトの確認

リニューアルには必ず目的があるはずです。何を目標とするかによって、リニューアル方法や範囲は変わります。目的の認識を合わせることでリニューアルの目指す方向が明確になり、各施策を進行する上での拠り所になります。

また、自社は競合他社と何が違うのか、自社の取り扱う商品やサービスは他社のものと何が違うのか、競合との違いを明確にする必要があります。その場合、ポジショニングマップによって、市場における自社や自社の商品やサービスの立ち位置を視覚的に表します。立ち位置や目指す方向が明確になることで、競合との差別化ポイントが一目瞭然となります。

ポジショニングマップ図

2.サイトの重要指標(PV、訪問者数、お問い合わせ数、採用人数など)の決定

ユーザーがサイト上でどのような行動をとるようになったのか、サイトが売上にどのように貢献しているのかなど状況を把握・分析することは、改善につなげるための重要な指標になります。ただし、ブランドの浸透など、数値だけでは計測出来ない施策もあるので、プロジェクト内で目指す姿や目的を達する方法は施策に応じて議論が必要です。

3.コンセプトを体現するトーン&マナーの策定

サイトのコンセプトを体現するためにトーン&マナーを策定します。企業の価値を最大限に伝えるための大事なプロセスとなり、ブランドイメージを形成し、設計の手助けをしてくれるものです。同時に、クライアントやプロジェクトメンバーとコンセプトを共有できるように言語化・可視化する役割を担います

トーン&マナー図

4.基本デザインの策定

サイト全体で統一されたカラーシステムやフォントシステムを設計することで、一貫性のあるブランドイメージの構築し、複数種のデバイスでもユーザーが迷わずにスムーズに情報取得できるインターフェースを実現します。

カラーシステム・フォントシステム一覧

5.プロトタイプを用いたユーザビリティテスト

ユーザービリティテストは、プロトタイプを用いて課題を実行する過程のユーザーの行動を観察し、問題点を発見する手法です。ページの制作を展開する上でユーザーが「何に関心を持っているのか」「どんな不安や疑問があるのか」など、視点での行動や心理がわかるようになります。その結果を受けて、プロジェクト内で課題感を共有し、改善を繰り返すことでUXを向上させます。

benefits of imporoving ui ux of the corporate site user test

6.納品データの精度をあげる検証

デザイン、コーディングが完了すると大切な納品前の検証を実施します。デザインチェック、表記チェック、リンク切れ、正常に動作するかなどの多岐に渡る項目を定義された実機やブラウザで検証し、品質管理を行います。

benefits of imporoving ui ux of the corporate site web checklist

7.ガイドライン策定

ガイドラインは、デザイン・構築の仕組みを体系的に整理したものであり、仕組みに対するデザイン・構築の考え方を構造化して論理的に説明できるようにしたものです。一貫性のあるブランドイメージの構築や標準化されたガイドラインによって、同じ解決策を導き出したり、デザインの指針や手法が言語化されることによって、担当者間で共有が容易になるなどのさまざまな役割を果たします。

ステップ図:1.ヘッダー・フッターへ適用(ナビゲーションシステムやコーポレートロゴの統一) 2.コンテンツエリアへ適用(会社情報や製品情報などグループサイト全体で共通するコンテンツ) 3.サイト体系の整理・全体適応(ページデザインを構成するパーツを適用し、サイト体系の整理を実現) 4.グループ企業全体でブランドの統一(Webサイトグループ企業内で一貫したブランドコミュニケーション、ブランドとして統一された1つのメッセージ・イメージを発信できる

UI/UX改善後のスムーズな運用のために必要なこと

コーポレートサイトが完成してローンチされたら、それで終わりではありません。企業の担当者は訪問者を増やすために、継続的、かつスムーズに運用を行っていくことが重要です。

訪問者を増やす上で有効なのが、良質なコンテンツを増やしていくことです。
企業が発信するコンテンツにはどのようなものがあるかというと、例えば、下記のようなものが挙げられます。

  • BtoBサービスであれば、業界記事やTIPSなどビジネスに役立つ記事や事業の強みを深堀する読み物コンテンツ
  • BtoCサービスであれば、生活に密着したお役立ち情報

生活に密着したお役立ち資料とは、例えば食品会社であれば自社商品を活用したレシピ集などが当てはまります。
コンテンツを通じて企業のメッセージや魅力を発信することは、ユーザーにとって良い体験(UX)を生み出すことへと直接的につながっていきます。

だからこそ、コーポレートサイトを継続的に運用するためには極力シンプルで使いやすいプラットフォームにして、誰でも運用できる再現性の高いものにすることをおすすめします。

まとめ

優れたUI/UXデザインのコーポレートサイトを運用することは、企業のファンを増やすきっかけにつながります。自社の魅力を社内外に効果的に伝えたい、そうお考えの際は自社のコーポレートサイトを見直してみてはいかがでしょうか。自社だけでUI/UXデザインを考えることが難しい場合は、ぜひBAsixsにご相談ください。豊富な制作実績をもとに、満足いただけるUI/UXデザインのコーポレートサイトをお客さまとともに作り上げることが可能です。