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企業ブランディングのABC!メリットや実際の手法などまるっと解説

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BAsixs編集部

BAsixsは、社会課題の解決と新たな価値創出をBAグループ全体で目指すためのサービスブランドです。

企業ブランディング(コーポレートブランディング)とは、企業の「ブランド」を戦略的に高めることです。ブランドを高めるには実際のサービスや商品だけではなく、企業の社会的取り組みや姿勢、従業員の取り組みなどさまざまな要素から構成されています。本記事では企業ブランディングのメリットとデメリットや、企業ブランディングの基本的な進め方についてご紹介します。

自社の価値を高める企業ブランディングとは

企業ブランディング(コーポレートブランディング)とは、企業のブランドを戦略的に高めることです。ブランドは無形資産であり、企業のブランドを高めることで企業価値そのものを高めることができます。会社の持続的な成長のためにも、企業ブランディングは重大な戦略のひとつです。

なお、製品ブランディング(プロダクトブランディング)では、消費者に製品の価値を広く認知してもらうことを目的としています。一方で企業ブランディングでは消費者だけでなく、社会全体へアプローチすることを目的としているのが特徴です。

企業ブランディングのメリット

企業ブランディングの主なメリットとして、次の4つが挙げられます。

他社との差別化

企業ブランディングの最たるメリットは「他社との差別化」です。情報過多といわれる現代では、良い製品やサービスさえあれば顧客に選ばれるわけではありません。企業ブランディングによって他社にはない独自色を出すことで、自社の存在を際立たせることができます。「この会社から買いたい」と思われるきっかけを作るのが企業ブランディングです。

顧客のファン化

企業ブランディングは顧客のファン化にもつながります。企業ブランディングによって消費者や社会から好印象を持ってもらえれば、固定ファンが増えて支持されるからです。さらに、固定ファンを生み出すことによって一時的な利益にとどまらず、長期的な利益確保も期待できます。

従業員の定着化

従業員の意識改革にも企業ブランディングは有効です。従業員が一枚岩になって企業ブランディングに取り組むことで、仕事へのモチベーションがアップします。加えて、帰属意識が高まることにより従業員の離職を防ぐ効果も期待できます。そのためにも、ブランドのコンセプトは全従業員で共有することが大切です。

採用面の強化

採用面を強化したい企業にとっても、企業ブランディングはメリットがあります。企業ブランディングによって会社のイメージがアップすることで「この会社で仕事をしたい」と考える人が増え、良い人材を獲得するチャンスが広がるからです。特に中小企業では優秀な人材の確保が課題となっているケースが多くみられますが、企業ブランディングによって改善につながる可能性があります。

企業ブランディングのデメリット

企業ブランディングにはデメリットもあるのでしょうか。企業ブランディングによって起こり得るデメリットについてもみてみましょう。

失敗すると消費者にマイナスの印象を与える

企業ブランディングに失敗すると消費者からの共感を得られず、ネガティブな印象を与えてしまう可能性があります。

たとえば、ファーストリテイリングはかつて野菜のインターネット販売事業を手がけたことがありますが、消費者ニーズの分析不足などから失敗に終わりました。当時は異分野への事業展開に失敗したファーストリテイリングを「見方が甘い」「失敗は当然だ」と考える人もいたようです。

企業ブランディングが失敗する主な要因は「分析が足りていない」「コンセプトが明確になっていない」「消費者が抱く企業イメージとのギャップが大きい」などが挙げられます。

企業ブランディングをしないとどうなるのか?

では、失敗を恐れて企業ブランディングをしない場合はどうなるのでしょうか。
もし企業ブランディングをしなかった場合、情報が溢れる現代では他社との差別化が極めて難しくなります。情報の中に埋もれて企業の存在感が薄くなれば、「顧客に選ばれる企業」になることは困難といえるでしょう。

さらに、企業ブランドが確立すれば商品やサービスがある程度高い価格でも購入されることが期待できますが、ブランドが確立していなければ低価格でしか受け入れてもらえない可能性もあります。競合他社より安い価格では、充分な利益確保も厳しいでしょう。結果として、会社が存続できなくなるリスクがあります。

企業ブランディングを成功に導くためには、正しい手順で進めることが大切です。次項では、企業ブランディングの基本的な進め方について解説します。

企業ブランディングの進め方

ここでは、企業ブランディングを成功に導くための基本的な進め方をご紹介します。

1.現状の調査・分析

まずは自社の現状を把握しましょう。自社が現在置かれている立場や競合他社の立場を調査し、自社にはどんな強みや魅力があるのかを客観的かつ徹底的に分析します。耳が痛い内容であっても受け止めることで、これからどのような会社を目指すべきかがみえてきます。これまでは気づかなかった自社のアピールポイントが発見できる場合もあります。

2.コンセプトの決定

次にブランドのコンセプトを決定します。ブランドのコンセプトとは、「ブランドが実現する価値を具体的な言葉で表すもの」です。コンセプトはありふれたものではなく、他社との違いを明確に伝えられて、かつ世の中のニーズに応えられるものであることが大事です。コンセプトが決定したら従業員全体で共有し、一丸となって取り組めるようにしましょう。

3.プランニング

コンセプトが決まったら、「誰にどう発信していくのか」といった具体的な戦略を立てます。ここで、ブランド名やロゴマークのデザインなども作成します。デザインはコンセプトと合致しているものにしましょう。発信方法にはWebサイトや名刺、パンフレットなどさまざまにあります。最近は、ブランドの情報を分かりやすく正確に伝える手段として動画を活用する企業も増えています。

4.ブランドの運営・検証

プランニングができたら、ブランドを定着させるための運用を開始します。ブランド定着のためには一時的な運用で終わらせるのではなく、継続して運用することが大切です。必要に応じて戦略の見直しも行い、PDCAを繰り返します。

こうした企業ブランディングの工程をすべて自社で行うのが難しい場合は、コンサルタント企業を活用するのも有効です。企業ブランディングの専門的な知識を持ち、経験が豊富なコンサルタントの助けを借りれば、自社の強みを最大限に活かしながらより効率的な戦略を立てられます。

まとめ

今回は企業ブランディングの基本情報についてご紹介しました。企業ブランディングは即効性があるものではなく、効果を感じるまでにある程度の時間がかかるのが実情です。しかし正しい手順で企業ブランディングを進め、継続的な発信とPDCAを繰り返すことで必ず企業の価値は高まります。

ちなみに失敗事例でご紹介したファーストリテイリングは、野菜事業の失敗から学んだ内容を小冊子にまとめました。しかし、その後のファーストリテイリングは失敗で得た経験を活かしてGUを大成功に導き、現在も成長を続けています。こうした他社の成功事例、失敗事例を参考に、自社の企業ブランディングに活かすことも可能です。

あらゆる情報が瞬時に駆け巡る現代社会では、自社の存在を際立たせ、選ばれる企業になることが必要です。10年後、20年後も成長していける企業になるために、経営戦略のひとつとして企業ブランディングを取り入れてはいかがでしょうか。