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ペルソナとカスタマージャーニーマップとは?メリットと活用法を紹介

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(ビジネス・アーキテクツ)
クリエイティブUNIT(ビジネス・アーキテクツ)

大手を中心とした企業のWebサイトのデザインのためのリサーチ、コンセプト立案、デザインシステム開発、各種ページやコンポーネント、グラフィック制作などを主に担い、自社のブランディング施策にも取り組んでいるUNIT。

Webサイトに関わっている人なら、「ペルソナ」や「カスタマージャーニーマップ」という言葉を耳にしたことがあるのではないでしょうか。これらはマーケティング用語で、一言でいえば「架空の顧客像」と「顧客の行動」を意味する言葉です。
Webサイトをリニューアルまたは構築する際に、このペルソナとカスタマージャーニーマップの考え方が活きてきます。ここでは、ペルソナとカスタマージャーニーマップを作成するメリット、および活用法についてご説明します。

ペルソナとは?ペルソナとターゲットの違い

ペルソナ

ペルソナとは、心理学者であるユングが、「人間の外的側面」と定義した心理学の用語です。現在はマーケティングの世界で、「架空のユーザー」を表す言葉として用いられています。

ペルソナはよく「ターゲット」という言葉と混同されがちですが、両者は似て非なるものです。ターゲットとは、「20代大学生」や「30代主婦」のように、ユーザー像をざっくりと大まかにくくったものを指します。
これに対してペルソナは、「28歳の女性で都内のマンションに一人暮らし。IT系企業に勤務しており、年収は450万円。犬を一匹飼っていて、週末は友人とショッピングに出掛けるのが好き」といった具合に、「ある特定の個人」を設定します。
特定の個人を設定することで、ターゲットと比べてよりリアルなユーザー心理を考えやすくなるメリットがあるのです。

カスタマージャーニーマップとは?

カスタマージャーニーマップ

カスタマージャーニーマップとは、ユーザーの行動を可視化した表のことです。

例えば、ユーザーが商品を購入する場合、そこには必ず商品を購入するまでに至った行動のプロセスがあるはずです。最初はテレビCMで商品を知って興味を持ったのかもしれませんし、友人からの口コミだったのかもしれません。購入前にインターネットで他社製品と比較した可能性もありますし、購入後はSNSで商品について写真つきでシェアしたかもしれません。

このような、商品やサービスについて「認知」し、その後「購買」に至るまでの行動を表にマッピングしていくわけです。

ペルソナとカスタマージャーニーマップは、Webサイトのリニューアルや構築に役立つ

前述したように、ペルソナやカスタマージャーニーマップは、商品の販売やサービスの展開のためのマーケティングの考え方です。しかし、実はWebのリニューアルや構築の際にも、ペルソナやカスタマージャーニーマップの考え方は大変役立ちます。

具体的なユーザー像やユーザーの行動プロセスを想定しないままWebサイトを作成すると、企業側の目線だけを反映したWebサイトになってしまうおそれがあります。
ユーザーの視点を加えるために、ペルソナやカスタマージャーニーマップが重要になるというわけです。

ペルソナやカスタマージャーニーマップを作成するメリット

ペルソナやカスタマージャーニーマップを作成するメリットは、企業側の目線とユーザー側の目線を一致させられることです。

例えば、コストパフォーマンスの良さで知られるファッションブランドのECサイトを立ち上げる際、ユーザーとしては「コスパの良い服がほしい」と思っているのに、企業側が「品質の良さ」を出したいあまり、高級感を重視してサイトを構築したとします。すると、本来自社の製品にマッチしているはずのユーザーがWebサイトを訪れた際に、「自分が探しているものではない」と感じ、離脱してしまうおそれがあります。ペルソナやカスタマージャーニーマップを作成することで、こうしたミスマッチを避けられるのです。

また、ペルソナやカスタマージャーニーマップは、社内での目線合わせにも役立ちます。
Webサイトは企業のさまざまな部署で活用されるものです。営業部が想定しているユーザー像と、マーケティング部が想定しているユーザー像にギャップがあると、ビジネスがうまく進みません。ペルソナとカスタマージャーニーマップを作成して社内の目線を合わせることで部署間の連携も進み、効果的な施策を打てるでしょう。

ペルソナの作成方法と活用方法

では、どのようにペルソナを作成していけばいいのでしょうか。ここでは、ペルソナの具体的な作成方法と、活用のポイントについてご説明します。

ペルソナ作成のポイント

ペルソナを作成する際のポイントは、「とにかく細かく設定する」ことです。例えば、年齢、性別、職業、年収、週末の過ごし方、判断基準(性格)など、思いつく限りの設定を考えていきましょう。

それに加えて、Webサイトを閲覧する際にどのデバイスを使ってアクセスするのか、どんなタイミングでアクセスするのかも重要な要素です。通勤時間を利用して電車からスマートフォンでアクセスするユーザーと、寝る前の時間を活用してパソコンからアクセスするユーザーでは、適したアプローチも変わってくるからです。

このような情報のもとになるのが、Google アナリティクスなどのアクセス解析ツールや、ベンチマークとなる競合サイトの情報です。あるいは、企業名や商品名でSNSを検索してみるなどして、ユーザー像のもととなるイメージをつかむといいでしょう。

ペルソナ作成時の注意点

注意したいのは、ペルソナはあくまでも「大勢いるユーザーの中の一人」だという意識を忘れないことです。ペルソナを設定したからといって、それだけが唯一の答えではないのです。

できれば、ペルソナは複数設定しましょう。そのほうが、施策の方針に幅が出るからです。ただし、あまりにも多く作りすぎると、反対に判断が鈍ってしまう原因にもなります。最初は2人程度から始めてみるのがおすすめです。その際にも勝手に進めるのではなく、現場や上層部にも意見を聞いて、コミュニケーションをとった上で、社内の目線を合わせたペルソナを作成できると理想的です。

ペルソナを活用する方法

ペルソナを作成したら、後述するカスタマージャーニーマップと組み合わせてユーザーの行動を想定し、適切な施策を考えていきましょう。施策を考える際には常にペルソナを念頭に置き、「この施策に対して、ペルソナはどのように反応するか」という判断の基準にします。

ただし、ペルソナはずっと同じものが使えるわけではありません。トレンドの移り変わりや自社のビジネスのフェーズによってペルソナは変化するものです。一度ペルソナを作成したからといって、それに固執してしまっては視野を狭めてしまいます。

カスタマージャーニーマップの作成方法と活用方法

カスタマージャーニーマップを作成するためには、ペルソナが必要です。なぜなら、カスタマージャーニーマップはユーザーの行動プロセスを想定したものですから、まずはペルソナによってユーザー像をはっきりさせなければならないからです。

カスタマージャーニーマップ作成のポイント

カスタマージャーニーマップを作成する際には、まず「ゴールを明確にする」ことが重要です。
例えば、ファッションブランドのECサイトなら、ユーザーが服を買うことがゴールになるでしょう。自社のビジネスに照らし合わせて、カスタマージャーニーのゴールがどこなのかをはっきりさせることが大切です。

顧客行動をフェーズに分けてシミュレーションする

ゴールを決めたら、ユーザーの行動をフェーズに分けて考えます。現在は「認知・注意」「興味・関心」「検索」「行動」「共有」という5つのフェーズに分けるのが一般的です。これは「AISAS(アイサス)」というモデル名で呼ばれています。
すなわち、商品やサービスを認知し、Webサイトなどを訪問して興味・関心が高まり、検索をして他社製品と比較・検討し、実際に購入した後はSNSで紹介する……という流れです。もちろん、これは一例に過ぎません。自社の商品やサービスに加え、時代によってもこれらのフェーズは変化します。自社に合わせたフェーズを設定しましょう。

フェーズを設定したら、ペルソナに合わせて具体的にユーザーの行動を想定していきます。例えば、「認知」ならテレビCMを見て知ったのか、友人からの口コミで知ったのか……といった具合です。ペルソナがいつテレビを見るのか、いつスマートフォンを見るのかという設定に合わせて、一つひとつのフェーズの行動を細かくシミュレーションしていきます。

カスタマージャーニーマップ作成時の注意点

カスタマージャーニーマップを作るとき、注意したいのは「一人で作らない」という点です。カスタマージャーニーマップは、定性的な情報をもとに作るケースが多く、一人で作成すると「きっとこうだろう」というバイアスがかかってしまうことがあります。なるべく多くの人を巻き込み、いっしょに作り上げることが大切です。
例えば、付箋とホワイトボードなどを活用して、チームメンバーといっしょに話し合いながら作っていくのがおすすめです。

カスタマージャーニーマップはペルソナと同様、あくまでも「仮に設定したユーザー行動」である点にも注意が必要です。特に陥りがちなのが、理想と現実を混同してしまうケースです。
ユーザー行動について「こうであってほしい」と考えるあまり、現実と乖離したカスタマージャーニーマップになってしまうことは少なくありません。現場に詳しい人と話し合いながら、冷静に作成しましょう。

カスタマージャーニーマップを活用する方法

カスタマージャーニーマップは、各フェーズにおける打つべき施策を考えるためのものです。カスタマージャーニーマップが完成したら、各フェーズの下に必要な施策を書いていきます。カスタマージャーニーマップと施策が完成したら、社内で共有しましょう。

なお、ペルソナと同様、カスタマージャーニーマップも不変ではありません。実態とずれがあれば、都度修正していく必要があります。施策を行うタイミングで見直しを繰り返し、ブラッシュアップしていってください。

まとめ

ペルソナやカスタマージャーニーマップは、Webサイトをリニューアルしたり構築したりする際に欠かせない視点です。
BAsixsでは、ペルソナやカスタマージャーニーマップを作成するサポートも行っております。自社で作成するのに不安があれば、お気軽にご相談ください。