Webマーケターとして働きたいと考えたとき、資格の取得を検討する人も多いでしょう。近年ではWebマーケターの仕事が多様化していることもあり、幅広い知識やスキルを身につけたいと思う人も増えています。
マーケティングの知識を必要とする人のために、さまざまな民間業者がWebマーケティングに関連する資格試験を行っています。そこで今回は、Webマーケターにおすすめの10個の資格について、それぞれの概要を分かりやすく解説します。
Webマーケティングの主戦場は主に2つ:インハウスとマーケティング会社
Webマーケターの主な所属先としては、インハウスマーケターやマーケティング会社などが挙げられます。インハウスマーケターは事業会社のマーケティングを推進するのが仕事であり、社内調整やファシリテーション力などさまざまなスキルが必要になります。
マーケティング会社に所属してマーケター業務を行うのであれば、クライアントの成果にコミットするための実行力や、コンサルティング力などが必要不可欠です。近年ではWebマーケターの業務が多様化していることから、コンテンツや広告、SNS運用など、コンテンツ施策に関する総合的なスキル求められます。
Webマーケターとひとくちにいっても、求められる能力は所属先によって異なります。自らの適性に合ったフィールドを見極めましょう。
Webマーケターには資格が必要?
Webマーケターとして働くためには、必ず資格を取得しなければならないわけではありません。しかし、資格を取得しておくことでWebマーケティングに関する専門知識の習得を証明できるようになると同時に、スキルアップにもつながります。転職の際には資格取得が有利になる場合もあるので、積極的に取得を目指すと良いでしょう。
実務を経験したことがない未経験の状態でWebマーケターに転職したい場合は、未経験であっても知識が身についていることを示すためにも、関連資格を取得しておくことを強くおすすめします。
Webマーケティングの資格といっても、目的に応じてさまざまな種類があります。自分が身につけたいスキルに応じて、適切なものを選んで受験することが大切です。
Webマーケターにおすすめしたい10の資格
ここでは、Webマーケターとして働く際におすすめしたい、10個の資格をご紹介します。それぞれ特徴が大きく異なるので、自身に合ったものを探して挑戦してみましょう。
1.マーケティング・ビジネス実務検定
マーケティングに関連する幅広い知識と考え方を学びたいと考える人は、マーケティング・ビジネス実務検定がおすすめです。A、B、Cの3つのレベルから自分の段階に合わせて受験が可能で、A級の合格者は「IMASSA認定マーケティング実務士」の認定を受けられます。
業種や業界を問わないマーケティングの知識を身につけられるので、実務にも役立ちます。e-ラーニングやDVDなど在宅で学習できる環境も整っているため、比較的チャレンジしやすいでしょう。
2.Web検定
マーケター以外にも、Webを中心に業務に取り組む人がWebに関わる基本的なリテラシーを身につけるために役立つ資格です。Webディレクター、Webデザイナー、Webプロデューサーの3つの職種の一般知識から出題され、Webを主戦場としてビジネスを行うための基礎知識を習得できているかどうかを図ります。
Webマーケターはクライアントだけでなく、社内のデザイナーやディレクターとも綿密にコミュニケーションを取りながら業務を勧めなければなりません。そのため、Webに関するリテラシーが備わっているかどうかは重要であり、Web検定は有用な資格であるといえます。
3.IMA(Internet Marketing Analyst)検定
オンラインマーケティングの最新トレンドを学べるのがIMA検定です。「Standardコース」と「Professionalコース」の2種類が用意されており、Standardコースはリスティング広告とサイト分析の運用に関する試験、Professionalコースはスプリットラン実施と集客施策の立案に関する試験となっています。
事前にeラーニングで講座を受講し、演習を通じて知識やスキルを身につけた上で認定試験を受験する流れが一般的です。すべてのプロセスをオンラインで完結できるので、どのような環境の人でもトライしやすいというメリットがあります。
4.ネットマーケティング検定
Webサイトを駆使したブランディングや市場リサーチ、SEO対策など、Webマーケターがインターネットを通じてマーケティングを行うための知識やスキルを学べる検定です。
ネットマーケティング検定の公式テキストと過去問題集を中心に学習することで、標準学習時間15時間程度の短期間に集中して知識を習得できます。Webマーケティングの基礎知識を学びたい人や、転職活動に役立てたい人が多く受験しています。
5.Google Analytics Individual Qualification
Webマーケターという仕事にとって、Googleアナリティクスについての知識やスキルは非常に重要です。業務で活躍するためには必要不可欠な知識であり、習熟度を測るためにこの「Googleアナリティクス個人認定資格(通称:GAIQ)」が重宝します。
GAIQは一度合格してから12ヶ月間の有効期間が設定されているため、認定を受け続けたい場合は定期的に試験を受ける必要があります。Googleが開発している「スキルショップ」というプラットフォームから学習も試験も無料でチャレンジできるのが魅力です。
6.ウェブ解析士
アクセス解析をはじめとしたWeb解析に必要な知識を習得し、データを正確に活用できる人材になることを目標としているのがウェブ解析士です。既にWebマーケターとしての経験を積んでいる場合は、事前の学習過程を経ることなく認定試験を受験することも可能ですが、未経験の場合でも公式のテキストや認定講座で基本から学べるのがメリットです。
「上級ウェブ解析士」や「ウェブ解析マスター」のような上級資格も設けられているため、さらに専門的な知識を身につけたい方でもステップアップが図れます。試験はパソコンを通じて行う形式で、会場型と在宅のどちらでも受験できます。
7.Webアナリスト検定
Web解析の基礎知識を身につけたいなら、Webアナリスト検定もおすすめです。公式テキストに沿って5時間相当の講座を受講し、修了後に検定試験を受験する形式なので、まずはWebマーケターとしての基本を学びたい方も気軽にトライできます。
既にある程度の知識が備わっている人であっても、知識の振り返りとして役立てられるでしょう。首都圏や名古屋など、主要都市で講義や試験が開催されています。
8.統計検定
データから導き出された統計情報を活用することも、Webマーケターにとって大切な業務のひとつです。データの活用法を含めた統計に関する知識を学ぶなら、統計検定の受験を検討すると良いでしょう。
最も易しいものでは4級から用意されており、最高ランクで1級まで存在するので、専門性に合わせて受験するランクを選択できます。基礎から応用まで揃っているので、Webマーケターとして活躍しながら統計に関する知識を深めたい方にもぴったりです。
9.Google AdWords認定資格
「Google AdWords」と呼ばれる、Googleの広告に関する知識やスキルを測る認定資格です。基礎から応用、実務に至るまで、Google AdWordsの活用力が備わっていると認められた人はGoogleから公式の認定を受けられます。
前述の「GAIQ」と同様に、Googleが開発しているスキルショップから無料で講座を受講できます。認定資格は全部で6項目あり、項目別の理解度テストで合格基準を満たすことによって認定資格を得られます。
10.Yahoo!プロモーション広告プロフェッショナル認定試験
Yahoo!プロモーション広告に関する専門的な知識を保有していることを証明するための試験です。ベーシックとアドバンストの2段階の試験が用意されており、基礎から応用まで自分のレベルに合わせて受験できます。
「公式ラーニングポータル」という仕組みを使って無料で学習できるなど、試験のための知識を身につける環境は充実しています。WebマーケターとしてYahoo!プロモーションの運用を行う予定がある人にもおすすめです。
「資格はあくまでスタート地点、スキルは実務で経験」という鉄則を忘れない
Webマーケターは資格ありきではなく、業務を通じて成果を出す経験を重ねることでスキルが蓄積されていきます。PDCAサイクルを回し、改善を続けてより良い成果を生み出す方法を習得していく実務こそが重要であり、資格はあくまでもスタート地点に過ぎません。
とはいえ、資格はWebマーケターとして走り出すきっかけになり得るものであり、そこから実務によってマーケターとしての経験値をつけていくことは可能です。一歩を踏み出す契機とするために、今回ご紹介したような資格の受験を検討するのも良いでしょう。
まとめ:資格をとるのももちろんだが、今後のWebマーケターにはもっと多様な能力を求められる
今後、Webマーケターとしてのスキルセットはさらに多様になっていくでしょう。Webビジネスへの深い理解はもちろん、各種解析ツールや専門分野への習熟度、ビジネスそのものへの対応力など、多様な能力が必要とされます。
複雑化するWebマーケターの業務に対応するためにも、複数のスキルを身につけておき、必要に応じてそのスキルを活用できる能力が重要になるといえるでしょう。
資格の取得がゴールというわけではありませんが、知識を身につけるきっかけとして活用できます。自分が必要としている知識やスキルに合った資格を受験して、知識の習得や習熟に努めましょう。