せっかく作ったWebサイト、そのままにしていませんか?
Webサイトはその目的に応じたマーケティング施策を行うことで本来の効果を発揮することができます。今回は、WebマーケティングとWebサイトの関係について解説します。
作りっぱなしにな っているWebサイトがある方、これからWebサイトを作る予定のある方は、是非本記事をご覧いただき、参考にしてみてください。
Webマーケティングとは?Webサイト運用に必要?
Webマーケティングとは、Webを通じて行うマーケティング活動のことです。
どんなに魅力あるWebサイトを作っても、ただ制作するだけではユーザーの訪問やコンバージョン(Webサイトを訪れたユーザーに「最終的に行ってもらいたい行動」)を促すことはできません。
WebサイトはWebマーケティングを行うことで本来の効果を発揮することができます。デザインにこだわっても、残念ながら購買を喚起することはできません。
マーケティングとは商売におけるシンプルな要求から生まれました。
マーケティングとは4つの要求から成り立っている
- どうすれば商品・サービスを買ってもらえるか
- どうすれば商品・サービス・ブランドを知ってもらえるか
- どうすれば事業の売上・利益がでるか
- 何にコストをかけると効果的か
マーケティングのデジタル化が進み、購買行動の各フェーズでの顧客の反応・行動をデータ化し、関連部署とデータを共有してより精度の高いマーケティング活動が可能になりました。
Webサイトを活用した、Webマーケティングの主な手法
Webサイトを活用したマーケティングといっても、その内容は多岐にわたります。
検索順位を上げることでWebサイトへの流入を増やす、Webサイト内での離脱率を減らし、コンバージョン率を上げるなど、目的に応じて適した対策を行うことが重要です。
リード拡大のための「コンテンツマーケティング」
「コンテンツマーケティング」とは、ユーザーが欲しい情報を事前にコンテンツにまとめて自社サイト内に準備しておき、ユーザーに見つけてもらうことで集客する手法のひとつです。
まず、コンテンツマーケティングに取り組むメリットとデメリットを説明します。
コンテンツマーケティングに取り組む3つのメリット
- 潜在顧客を含む幅広い層との接点を作ることができる
- 定期的にWebサイトを訪れてもらうことで中・長期的な関係値を構築できる
- 顧客ロイヤルティ(愛着・信頼・親近感)が高まり、ユーザーとの良好な関係性を維持できる
コンテンツマーケティングに取り組む3つのデメリット
- 高品質なコンテンツを発信していくにはリソース(時間、人、ノウハウ)が必要
- 定期的かつ継続して発信し、情報の鮮度を保つために更新も必要
- 最低でも半年は継続しないと成果が出ない
他の集客施策とコンテンツマーケティングの大きな違いは、コンテンツは蓄積し資産になることです。
需要のあるコンテンツを定期的に公開・更新することで、ユーザーからも検索エンジンからも有益なサイトと評価され、集客し続けることが可能です。
では、公開したコンテンツの品質はどのように評価すればよいのでしょうか。
コンテンツの品質を評価する4つのポイント
- 集客力:より多くのターゲットユーザーに見てもらえるテーマや内容の発信
- 閲覧力:飽きさせない工夫をして、コンテンツを読まれているか
- 誘導力:コンテンツ読了後に他の関連コンテンツへ誘導できているか
- 成果力:サイト内でユーザーにとって欲しい行動の達成率
4つのポイントを上から順に改善することが大切です。つまり、コンテンツを作り始めたタイミングではまず、集客力を向上する施策から取り組みます。
限られたリソースの中で、どのようにすれば成果を最大化できるのでしょうか。次に4つの力をのばす方法を紹介します。
コンテンツマーケティングの肝の施策:自然検索の流入を狙い、検索順位をあげる「SEO」
集客力を向上するために一時的なバズを狙うのではなく、継続的な訪問者数の増加を目指すためには、SEOの視点が欠かせません。
SEO(Search Engine Optimization)は、「検索エンジン最適化」などとも呼ばれています。検索エンジンからの検索結果で自社サイトを上位に表示してもらうことで、検索エンジンから自社サイトに流入してくる訪問者数を増やすことを目的としています。
検索エンジンからの流入は、キーワード自体の需要(月間検索数)があれば、ユーザー自らがキーワード検索しサイトへ流入するので「閲覧力」「誘導力」「成果力」が高い傾向があります。
SEOには、ざっくり言えば「テクニカルSEO」「コンテンツSEO」の2つの要素があります。
「テクニカルSEO」は、例えばページの表示速度、サイト構造や導線をはじめとした「ユーザーの使いやすさ」の土台を支えるWebサイト・サーバーの最適化です。特にデータベース系のサイトでは優先して改善する必要があります。
「コンテンツSEO」は、ユーザーの検索意図に沿った有益なコンテンツを継続的に配信していくことで、SEOの評価を高め、サイトの訪問者を増やす手法です。
集客力を分析するためには、流入回数(記事がサイト訪問の最初のページだった回数)と、ページ別訪問数を記事毎にまとめて、
- テーマ
- タイトル
- 記事内容はどのような検索意図を満たしているか
- 文章量や画像量
- 流入元
- 記事から得られるベネフィット
のような視点から、上位を占めている記事の共通点を洗い出し、記事施策に活かしていきます。
入力フォームの離脱率を改善する「EFO」
「EFO」とは、「Entry Form Optimization」の略で、「エントリーフォームの最適化」などと訳されます。
入力フォームはユーザーのフェーズ(見つける→興味が深まる→検討する→コンバージョン)のうち、コンバージョンに一番近いフェーズのため、改善効果が売上に直接的に反映しやすい施策です。
フォームを途中で離脱する5つの理由
- セキュリティに不安がある
- 入力項目が長すぎる
- 入力事項が多い
- 広告やアップセルが表示される
- 不必要な質問項目がある
- 複数のドロップダウンフィールドが存在する
それ以外にも、エラー内容がわかりづらかったり、モバイル端末で入力欄を選択しづらかったりするとユーザーがフォーム入力の途中で離脱し、コンバージョン(問合せや購入、申込)に繋げることができません。
どうフォームを改善するとスムーズに入力完了してもらえるのでしょうか。
フォームを改善する6つのポイント
- 必須項目と任意項目を明示する
- 入力例を薄いグレーなどで表示する
- 入力エラー発生時はエラー理由を表示する
- 取得した情報を何に使うか、なぜ入力が必要か伝える
- 最低限の入力項目に減らす
- CTAボタンにマイクロコピーを含める
BtoBのWebサイトではリードを獲得するためにフォームは欠かせず、ECサイトではフォームは売上に直結します。フォーム離脱率が高い場合は、優先的に改善しましょう。
参考
- 6 Steps for Avoiding Online Form Abandonment.The Manifest.(参照 2022-1-21)
- Which Types of Form Fields Lower Landing Page Conversions?.Hubspot.(参照 2022-1-21)
ランディングページのコンバージョン数を増やしたい時、フォーム離脱率を改善したい場合はEFO、コンバージョン率を改善したい場合はLPOに取り組みます。次はLPOについて説明します。
ランディングページのコンバージョン率を上げる「LPO」
LPO(Landing Page Optimization)は、「ランディングページ最適化」と訳されます。
ランディングページ内のテキストや画像、構成などの要素を改善することで、ユーザーがストレスなく欲しい情報にたどり着けるようにし、コンバージョン率の向上を目指します。
ユーザーが最初にサイトに着地する(=land)ページのことをLPまたはランディングページと呼び、サイトの第一印象を決めます。ランディングページは、広義のランディングページと、狭義の専門ランディングページがあります。
広義のランディングページは離脱を防ぎ、ユーザーが求める次のページへ遷移してもらうことが重要です。Googleアナリティクスの「ランディングページ」は広義の意味で用いられ、サイト内の全てのページがランディングページとなり得ます。
一方、狭義の専門ランディングページは商品・サービスの特徴説明から、問合せ・購入などのアクションまで1ページで完結できるページのことです。メールマガジンやWeb広告、SNSなどからURL経由で訪問し、コンバージョンしてもらうことが目的なので、売上に直結します。
LPOでまず確認すべき指標
- 広義のランディングページ:直帰率
- 狭義のランディングページ:そのページ経由のコンバージョン率
特に広義のランディングページとしてのアクセス数が高い上位10ページの直帰率が、サイト平均の直帰率より低い状態が、理想的な状態です。
直帰率がサイト平均の直帰率を上回らないよう、継続的に改善し続ける必要があります。
広義のランディングページも狭義の専門ランディングページも、ユーザーがどこにつまずいてコンバージョンに至らなかったか分析し、仮説を立てて改善しましょう。
ランディングページの改善方法を簡単に説明します。
まずは、Googleアナリティクスやヒートマップツールなどのアクセス解析ツールで課題を洗い出します。
現状のPV数と目標のPV数との差はどれくらいか、ユーザーがどこに注目しているか、ページ内のどこで離脱が発生しているか、現状を把握します。
次に問題を解決するための仮説を立て、改善施策と目標KPIを決めます。A/Bテストや多変量テストなどを使い、運用検証を行います。重要なのは、施策の実行後に仮説を振り返ることです。
次に、近年活用の場が増えているチャットボットについて説明します。
ユーザーの満足度を上げる「チャットボット」
チャットボットとは、ソフトウェアがチャットの応答を代行する仕組みで、ユーザーからよく受ける質問への回答を予め準備し、自動で応答するコミュニケーションツールです。
宅配物の再配達依頼でチャットボットを利用した経験がある方もいらっしゃるはずです。
チャットボットは大きく2つの種類があります。1つ目はあらかじめ用意したシナリオに沿ってユーザーに回答を選択してもらい、必要な回答を導き出す「シナリオ型」、2つ目は人工知能による自動学習によってユーザーの質問に直接回答させる「機械学習型」です。
ただし、「シナリオ型」では複雑な質問への回答ができないこと、「機械学習型」では膨大なデータの学習や分析などが必要なことなどのデメリットもあるため、自社のサービス内容と照らし合わせながら慎重に選定する必要があります。
チャットボットを導入する7つのメリット
- 会話データを取得できる
- 大幅な人件費削減ができる
- 営業時間外でも対応できる
- プッシュ通知を使い、再訪を促進できる
- ニュースなどの情報をアラート通知し、利用率を向上できる
- 検索ツールとしてデータベースからの情報取得に利用できる
- 質問に答えるだけでユーザーの好みの商品を提案し、予約・購入まで完了できる
これらのメリットにより、ユーザーの満足度向上が大きく期待できます。
会話相手がボットであるという気軽さから、収集・蓄積した会話データからは、ユーザー本音のニーズや課題を得ることができ、UXの改善やサービス改善に活用できます。
プッシュ通知は開封率が高いと言われています。メルマガの一般的な開封率が約10〜20%に対し、プッシュ通知の開封率は一般的に約30〜40%、高いときは80%近くに及びます。
チャットは日常的に使う機会が多いため、幅広い世代のユーザーが抵抗感なく使ってもらえます。顧客との接点を増やし、ブランドのコアなファンを増やすために有効な手段です。
弊社で行ったWebマーケティングでの取り組み(オウンドメディア新規構築・運営を弊社にご依頼いただいた事例)は、以下のリンクからご確認ください。
オウンドメディア新規構築・運営事例 | BAsixs(ベーシックス)
他にも、Webサイトの構築から運用、様々なマーケティング支援を行っております。ただし会社により、解決したい課題やリソースは違います。
次に、自社に合った進め方をどのように検討するかを解説します。
Web制作とWebマーケティングを両立させるためには
Web制作会社、Webマーケティング会社はそれぞれ専門の会社がありますが、中にはどちらにも対応している会社もあります。
また、最近ではさまざまなWebサイトや書籍などで勉強すればある程度の対策は勉強することができるため、自社内で担当者をつけて実施することもできますが、やはり専門性という点においては外部会社に依頼した方が一日の長はあります。
次に、Webマーケティングの体制を5パターン説明します。
自社のリソース(人材・時間・費用・ノウハウ)を考慮して、最適な体制を選択してください。
自社のリソースに合ったWebマーケティング体制を選ぼう
1.Web制作もWebマーケティングもできる会社に全てを外注する
ここまで見てきた通り、Web制作とWebマーケティングには密接な関わりがあり、お互いに影響する範囲も大きいです。
どちらも一括で依頼することで、関係する人数を少ないので認識合わせや施策の整合性が取りやすく、PDCAも回しやすくなります。
2.Web制作とWebマーケティングをそれぞれ違う会社に外注する
Web制作とWebマーケティング、それぞれに特化した企業に依頼することで、より専門性の高い施策内容を依頼できます。
ただし、それぞれ別会社への依頼となると予算が高額になり、Webサイトの構築とWebマーケティングの各施策で連携が取りづらくなる可能性があります。
3.Web制作は外注し、Webマーケティングは自社で行う
Webマーケティングの各手法はWebサイトや書籍等で学ぶことができるため、Web制作のみ外注し、Webマーケティングは内製するといった方法も考えられます。
ただし、どうしても机上のみの学習だと施策に客観性がなく我流になってしまいがちな点が
最大のリスクです。
規模が大きくなり、組織化をしようとした時に採用や社内教育が難しい場合があります。
4.Web制作もWebマーケティングも自社で行う
Web制作、Webマーケティングをそれぞれ自社で実施すれば、自社製品・サービス特性もよく理解した人材が担当することとなるので一定の効果が期待できます。
また、運用ノウハウを社内に蓄積し、関係者が最小限に絞れるのでPDCAを早く回すことができます。
ただしその場合は、Web制作・Webマーケティングの各専門スキルを持った人材が必要となり、人材育成・人材採用にも多大なコストがかかることは計算に入れなければいけません。
まとめ:Webサイト制作を行うなら、Webマーケティングもセットで考えよう!
総務省の令和3年版情報通信白書によると、2020年のインターネット利用率(個人)は83.4%、インターネット利用時間(2020年1月14日~19日、平日1日当たり)126分と、Webサイトの重要性はますます上がっています。
参考
- 令和3年版情報通信白書.総務省. (参照 2022-1-26)
Webサイトを効果的に運用する上でWebマーケティングは切っても切り離せません。
Webサイトをリニューアルしたり新たに制作したりする場合は、Webサイト全体の構成に影響するため、実施予定のマーケティング施策を完全に織り込みながら設計を進める必要があります。
BAsixsでは、Webマーケティングの施策を機能させるためのWebサイトの制作実績を多く持っております。WebマーケティングやWebサイト制作について不安やお困りごとがある方は、お気軽にBAsixsへご相談ください。