HubSpotとは、企業のインバウンドマーケティングを支援するオールインワンプラットフォームのこと。
もっと詳しく解説
HubSpotとは、企業のインバウンドマーケティングやWebサイト構築・運用、営業、カスタマーサポートを支援するオールインワンプラットフォームのことです。米HubSpot,Incが開発・提供しています。
HubSpotは、顧客の成功が自社の成功を推し進めるという考え方の「フライホイール」というモデルを採用しています。
「フライホイール」とは、回転エネルギーを蓄積して回転し続け、エネルギー量が増すことで回転速度を上げていく仕組みの機械部品を元に考えられました。
この仕組みをビジネスで表現すると、顧客へ成功体験を提供することを目標に(原動力)、組織全体が結束して効率よく戦略を実行することで(エネルギーを蓄積する・増やす、摩擦を減らす)、ビジネスが成長する(回転し続ける・速度を上げる)ということになります。
フライホイールにインバウンド手法を当てはめ、顧客への成功体験の提供を軸に「潜在顧客を惹きつける」→「見込み顧客と信頼関係を築く」→「顧客を満足させる」という3つのアクションに注力します。
すると、満足した顧客が成功体験を周囲に共有し、新たな潜在顧客を惹きつけるループが起こるので、ビジネスに勢いがついていくという考え方です。
HubSpotができることの例
HubSpotは、フライホイールの回転速度を向上するために、例えば以下のような機能をオールインワンで提供しています。
1.顧客情報の収集・管理・分析
HubSpotはCRM(顧客関係情報管理)を中心としたプラットフォームです。CRMに顧客の属性や行動履歴を蓄積・一元管理し分析することで、自社の顧客に合わせた効果的なマーケティング施策や営業活動、カスタマーサポートを検討することができます。
2.複数媒体の広告を一括運用・管理
複数媒体の広告をHubSpotの画面から出稿し、効果測定まで行うことができます。そのため、どの広告媒体が効果があったか比較・分析し、次の施策に活かしやすいです。
3.複数チャネルのSNSの運用・管理
近年、BtoC企業だけでなくBtoB企業でもSNSを使い、将来的に顧客になりうるユーザーや自社のファンと交流したり、自社サイトへの送客することが増えてきました。しかし、ターゲット層や目的によって複数のチャネルやアカウントを平行運用する場合が多くあります。
HubSpot上で全てのチャネル・アカウントの投稿を予約したり、分析できるので、わざわざ個別のアカウントへのログインが不要になります。また、競合他社の投稿を分析できるので、効率よくPDCAサイクルを回せます。
4.チャットの運用・管理
HubSpot無料版でもWebサイト上にチャット機能を追加できます。問い合わせ数が多い場合や営業時間以外の対応が必要な場合は、チャットボットでの対応も可能です。Facebook MessengerをHubSpotと連携すると、Facebook Messengerアカウントでチャットした内容もHubSpotに集約出来ます。
チャットの履歴は問合せチケットとして管理できます。チャットやフォーム、メールからの全ての問合せを顧客に紐づけ、社内で共有できるのでカスタマーサポートだけでなく、商品・サービス開発にも活用できます。
5.Webコンテンツの公開・更新
インバウンドマーケティング手法で効率よくWeb集客を進めるためには、Webサイトで顧客のニーズに合わせたコンテンツを予め準備し公開します。複数部門が使う想定で開発されているため、エンジニアに依頼しなくてもWordやPowerPointのような操作感でWebページやフォームを作成できます。
CRMに登録済みの顧客がWebページに訪問した際には、流入元チャネルや顧客企業の業種、優先言語などによって、コンテンツの出し分けもできます。
また、複数言語で切り替えできるサイトを作ることも出来ます。1つのコンテンツに対して、英語版・フランス語版・日本語版のページを作成し、グループ化することで、多言語サイトを構築できます。
6.タスク管理
HubSpotは複数部門で運用することを前提に開発されているため、ワークフローを使ってタスクを作成したり、アラート通知を送信できます。
HubSpotの特徴
一般的に、上記6つの機能はそれぞれ独立したツールとして提供されていることが多いため、それぞれを別々に導入してツール同士を連携する作業が必要でした。
HubSpotの場合はこれらの機能を一つのプラットフォームで利用できるため、以下のようなフライホイールの摩擦を減らすことができます。
- ツール同士の連携にかかる負担を軽減できる
- 社内担当者間での顧客データや進捗状況の連携がスムーズに行える
HubSpotを使うと、フライホイールの速度向上と摩擦を減らすことが実現できます。