
プロジェクト概要
Business Architects(ビジネス・アーキテクツ、以下BA)へのグループ会社統合に伴い、自社のコーポレートアイデンティティ(CI)を刷新しました。それにあわせて、コーポレートサイトも全面リニューアルを実施しました。新しい企業方針に即したコンテンツとデザインへのアップデートを行うと同時に、各コンテンツオーナーが自走できる、運用性の高いプラットフォームの構築を目指しました。
プロジェクトの背景・課題
前回のリニューアルから約5年が経過し、社内ではWebサイトの運用や活用方法に関して、さまざまな課題が挙がっていました。情報発信の頻度が低下し、営業・マーケティング活動への貢献度が薄れていたほか、更新作業の属人化によって、運用効率の低下も問題となっていました。
特に社内で課題として挙がっていたのは、以下のような点です。
- 発信したい情報があっても、サイトの構造が複雑で更新しづらい
- コンテンツの整理や優先順位が不明瞭で、ユーザー導線がわかりづらい
- 一部の担当者にしか更新権限・知見がなく、属人化していた
- 主要な営業ツールであるBAのオウンドメディア「BAsixs.com(本サイト)」への流入が少ない
- 更新が滞っておりビジュアルやメッセージが、現在の会社の姿と乖離している
さらに、グループ会社であるBAコーポレートサイトへの統合を契機に、サービス内容やメッセージも刷新する必要がありました。新しいCIのもとで、「いまの私たち」を正しく表現できるWebサイトへの再構築が求められていました。
ご提案・実施内容
前述の背景や課題を踏まえ、要件定義から運用設計に至るまで、一貫して「コンテンツの価値を最大化する仕組みづくり」を意識してプロジェクトを進行しました。
要件整理:コーポレートサイトに求められる機能と役割の明確化
まずは、現状の課題を整理し、新しいWebサイトが果たすべき役割とあるべき姿を定義しました。
「統合後の新しいBusiness Architectsの姿を正しく伝えること」と「継続的な情報発信を可能にするプラットフォームや運用体制の構築」を両立させるためには、CMSの導入が不可欠と判断し、要件に合致する仕組みを検討することになりました。
CMS選定:柔軟性と将来性を見据えた基盤づくり
グループ会社統合により、今後のサイト規模や必要機能の拡張性が求められる中、複数のCMSを比較・検討しました。
- サイトの規模感と予算感
- CMSの標準機能とカスタマイズ性
- 開発・運用体制との親和性
これらを踏まえた結果、「PowerCMS X クラウド」が最も要件に適していると判断し、採用を決定しました。BAは、PowerCMS Partner Proとして多くのPowerCMSのサイト構築経験があり、過去の知見も考慮した選択でした。
制作プロセス:UI/UX設計とCMS実装
要件定義フェーズで行った要件整理やCSM選定を元に、サイト構築に向けてより具体的な設計を進めました。
1:UI/UX設計:ユーザー体験と運用効率を両立させる構成設計
提供するコンテンツを軸に、以下の観点から情報設計・構造設計を実施しました。
- ユーザーにとって有益で、BAの理解促進につながるコンテンツの配置
- 視認性・可読性を考慮したUI設計
- コンバージョンにつながる導線の設計
- 回遊性の高いナビゲーション設計
- CMSテンプレート化を前提とした効率的な構成
- 各要素が「どのような機能をもつか」を明確にする設計指針の策定
2:CMS設計・開発:PowerCMS X クラウドの特性を活かす
導入した「PowerCMS X クラウド」をベースに、以下の課題を解決するためのCMS設計・業務設計を行いました。
- コンテンツ作成・公開プロセスの効率化
- コンテンツオーナーごとの権限設定による運用負荷の軽減
- セキュリティ要件への対応
- 将来的な拡張も見据えた設計の柔軟性
3:外部連携:営業活動との連携強化
営業ツールであるBAのオウンドメディア「BAsixs.com」との連携を強化するために、BAsixs.comで公開された記事データを自動で取り込む仕組みを構築しました。
これにより、最新情報がコーポレートサイトにもリアルタイムで反映されるようになり、営業活動と情報発信の一体化を実現しました。
4:効果測定設計:施策の妥当性と継続的改善の基盤づくり
今後のマーケティング施策に活かすため、ユーザーがどのようにコンテンツと接触し、どのような行動をとったかを把握するため、効果測定の仕組みを新たに設計しなおしました。以下の観点を整理し、実装に落とし込みました。
- 取得すべき行動データの再定義(例:閲覧数、回遊経路、CV率)
- データ取得対象ページと実装箇所の明確化
- 必要なタグ設定やツールの導入方法の設計
- Looke Studioを利用したデータの可視化
運用設計:継続的に「伝え続ける」ための体制づくり
Webサイトは公開して終わりではありません。、継続的な運用・改善によって「デジタル資産」として価値を高め、営業活動における効果的なプラットフォームとしてビジネスを支える存在へと成長します。そのため、以下のような運用体制・プロセスを整備しました。
- コンテンツ更新を担う運営チームの体制づくり
- CMSの利用マニュアルやデザインルールの整備
- コンテンツ更新のフロー設計(手順、担当者、承認プロセスなど)
- KPIをもとにした定期的な振り返りと改善サイクルの仕組み化
プロジェクト期間
6ヶ月
成果
新会社として提供すべきメッセージやサービスラインナップが明確化され、それらを効果的に発信できるプラットフォームが実現しました。BAが伝えたい情報を、ユーザーにわかりやすく・タイムリーに届けることが可能になった点は、大きな成果の一つです。
また、更新頻度の高いコンテンツについては、事前にテンプレートを設計し、コンテンツオーナーが自ら簡単に情報更新できるマニュアル作成と運用体制を実現しました。
さらに、特定の条件に応じて動的にコンテンツを出し分ける機能や、任意のコンテンツを自動で表示させる仕組みも導入。これにより、サイト上に常に新しい情報が提供され、ユーザーの関心を引きつける状態を維持できるようになりました。
そして、営業ツールとして活用しているオウンドメディア「BAsixs.com」とのシステム連携も強化しました。BAsixs.comで発信したコンテンツが、自動的にコーポレートサイトに反映される仕組みが整備され、サイト全体の情報鮮度と一貫性が向上しました。その結果として、お問い合わせ件数が増加し、Webサイトが実際のビジネス成果に貢献する重要な接点となりつつあります。
プロジェクトメンバー
- プロジェクトマネージャー
- ディレクター
- UI/UXデザイナー
- テクニカルディレクター
- フロントエンジニア
- バックエンドエンジニア
- コンテンツプランナー
- Webマーケター
サービス提供会社

- 会社名
- 株式会社 ビジネス・アーキテクツ
- 事業内容
Webサービスの企画・設計・デザイン・開発・運営にかかる総合サービスの提供
- 企業URL
- https://www.b-architects.com/