「やさしい日本語」とは、簡易な表現を用いることで、文の構造を簡単にしたり、漢字にふりがなを振るなどしてわかりやすくした日本語です。
近年、インバウンドや留学生など外国人の増加や、高齢化や障がいをもつ方の社会参加によりWebサイト へアクセスする人が多様化しています。よって「やさしい日本語」のような誰にでも理解しやすい情報提供ができることは、Webサイトの価値を高める要素になっています。
そんな中、本記事でご紹介する「PowerCMS X」は、CMS(コンテンツ管理システム)として初の「やさしい日本語エディタ」が付属しています。やさしい日本語を用いた情報提供をサポートするための機能を備えており、多くの機関や組織に注目されています。
PowerCMS Xは、なぜ「やさしい日本語エディタ」を付属したのでしょうか?
今や、Webサイトは社会インフラと言っても過言ではありません。
本記事では、PowerCMS Xの「やさしい日本語エディタ」機能を他のCMSと比較しながら詳しく紹介します。やさしい日本語を取り入れることのメリットも考慮し、企業や組織がどのような利点を享受できるかについても解説します。
Webアクセシビリティとやさしい日本語の相乗効果により、情報発信の新たな可能性を追求する方々にぜひご一読いただきたい内容です。

やさしい日本語を使ったWebサイト
やさしい日本語とは
「やさしい日本語」は、複雑な文を避け、わかりやすい表現と簡単な漢字フレーズを使用することで、すべての人に理解しやすい情報提供を行うことができます。
災害時の避難指示、行政手続きの説明書、日本語教材、診療案内、観光案内などで利用されており、法律、行政、および教育機関などがその普及に努めています。
これにより、特に外国人や高齢者、障がい者など、情報にアクセスしづらい人々が理解しやすくなります。
やさしい日本語の必要性
最近では、インバウンドの影響や、高齢化の影響もあり、情報にアクセスしづらい人々は増えており、彼らへの情報提供の重要性が高まっています。
特に、災害時の緊急情報や公共サービスに関する情報は、誰もが理解できるものでなければなりません。
やさしい日本語を使うことで、情報の理解度が向上し、より多くの人が必要な情報にアクセスできるようになります。
PowerCMS Xのやさしい日本語を実現する機能
PowerCMS Xは「やさしい日本語エディタ」を搭載できるCMSとして注目されています。この機能により、利用者は直感的にやさしい日本語コンテンツを制作が可能となります。ふりがなを振る機能や、漢字を簡単に変換できるプラグインも提供されています。
特に、アルファサード株式会社が運営する「伝えるウェブ」というWebサイトでは、PowerCMS Xと連携し、機械学習による高度な「やさしい日本語」変換機能を提供しています。この機能を活用することで、自治体など、市民向けに情報を発信する組織は、より多くの人に理解しやすいWebサイトを構築できます。東京都足立区や島根県など、多くの自治体がすでに「伝えるウェブ」のサービスを利用し、PowerCMS Xで作成したWebサイトで、アクセスの向上と理解度の向上を実現しています。
※伝えるウェブ:
PowerCMS X開発元のアルファサード株式会社が運営する「やさしい日本語」での情報発信を支援するWebサイトにて、機械学習による「やさしい日本語」変換を行うことができる、国内初のサービスを提供。やさしい日本語変換支援を含むWebサイト閲覧支援ツールや、やさしい日本語での情報発信を支援しています。
PowerCMS Xとは?
PowerCMS Xの基本情報
PowerCMS Xは、PowerCMSシリーズの最新版であり、従来のPowerCMSがもつ高性能・高機能な特徴を継承しつつ、さらなる進化を遂げたCMSです。
さらに、Webアクセシビリティに力を入れているCMSの一つです。デジタル庁の「ウェブアクセシビリティ導入ガイドブック」にも6.付録 6.2 リンク集にチェックツールとして紹介されています。
参照 : ウェブアクセシビリティ導入ガイドブック(PDF / 15,422KB). ウェブアクセシビリティ導入ガイドブック|デジタル庁. デジタル庁. (参照 2024-12-17)
他のCMSより優れた特長をもつPowerCMS X
他のCMSと比較しても、PowerCMS Xは特にWebアクセシビリティに焦点を当てています。以下の5つの特長・機能にて、ユーザーの多様性を考慮した設計で、誰もが利用しやすい環境を実現しています。
- アクセシビリティチェック機能
- JIS X 8341-3:2016準拠
JIS X 8341-3:2016のA、AA、AAAの判定を行う機能が搭載されています。これにより、作成したWebサイトがどの程度のアクセシビリティを満たしているか、数値的に評価できます。
- JIS X 8341-3:2016準拠
- やさしい日本語エディタ
- シンプルな表現
難しい言葉を使わず、誰でも理解しやすい文章を作成するための支援機能が提供されます。 - バリアフリー
視覚障がい者や学習障がいをもつ方でも、コンテンツを理解しやすくなります。
- シンプルな表現
- ふりがな機能
- 読みやすさ向上
静的ページにふりがなを付加することで、読みやすさを向上させます。 - 多様なユーザーに対応
視覚障がい者や外国人の方など、さまざまなユーザーが利用しやすくなります。
- 読みやすさ向上
- アイコンや画像へのテキスト情報の提案
- 視覚的な情報だけでなく、テキストでも情報を提供することで、視覚障がい者の方にも内容を理解しやすくします。
- 多言語翻訳
- Microsoft Translatorを利用することで、管理画面や公開側のWebサイトのページを多言語化(やさしい日本語も含む70言語以上)できます。これにより、外国人の方へより多くの情報提供が可能となります。
やさしい日本語を取り入れることで得られるメリット
Webサイト来訪者が得られるメリット
「やさしい日本語」を用いることは、Webサイト訪問者に以下の4つのメリットがあります。
- 情報へのアクセス障壁の低下
- 難しい言葉や専門用語がなく、誰でも理解しやすい言葉で書かれているため、情報へのアクセスが容易になります。
- 特に、外国語が苦手な方や、高齢者、障がいのある方など、情報へのアクセスに困難を感じている方々にとって大きなメリットとなります。
- 情報の正確な理解
- 複雑な文章構造や曖昧な表現がないため、情報が正確に伝わり、誤解が生じる可能性が低くなります。
- ストレスの軽減
- 複雑な文章を読み解く必要がないため、情報収集にかかる時間や労力が減り、ストレスを感じずに情報を得ることができます。
- 安心感の向上
- 必要な情報がわかりやすく提示されているため、安心してサービスや製品を利用できます。
実際に、教育機関に通う外国人に対してアンケート調査が行われました。「伝えるウェブを使って「やさしい日本語」に自動変換した文章がわかりやすくなっているのか?」について85%の人が「わかりやすくなった」と回答しています。
Webサイト運営側が得られるメリット
「やさしい日本語」を用いることで、Webサイト運営にも3つのメリットがあります。
- 情報伝達の効率化と誤解の減少
- 正確な情報伝達
複雑な表現を避け、シンプルな言葉で情報を伝えることで、より多くのユーザーが誤解なく情報を理解しやすくなります。 - 問い合わせ対応コストの減少
必要な情報がわかりやすく記載されているため、問い合わせ件数が減少し、サポート業務の負担を軽減できます。 - ユーザー満足度の向上
ユーザーが欲しい情報をスムーズに得られることで、満足度が向上し、リピーターに繋がります。
- 正確な情報伝達
- Webアクセシビリティの向上とユーザー層の拡大
- 多様なユーザーへの対応
外国人、高齢者、障がい者など、さまざまな背景をもつユーザーがWebサイトを利用しやすくなり、ユーザー層を拡大できます。 - SEO効果の期待
Webアクセシビリティの高いサイトは、検索エンジンからの評価が高く、SEO効果が期待できます。 - ブランドイメージの向上
誰でも利用しやすいWebサイトであることを示すことで、企業や団体のブランドイメージ向上に繋がります。
- 多様なユーザーへの対応
- 社会貢献
- 情報格差の解消
誰もが平等に情報にアクセスできる環境づくりに貢献できます。 - 多文化共生社会の実現
外国人に対する情報提供の障壁を低くし、多文化共生社会の実現に貢献できます。
- 情報格差の解消
まとめ:PowerCMS Xで実現する、誰もが理解できるWebサイト
PowerCMS Xは、誰もが理解しやすい「やさしい日本語」を使ったWebサイトを簡単に作成できるCMSです。独自の「やさしい日本語エディタ」を搭載し、Webアクセシビリティにも力を入れています。
これにより、多様な背景をもつ人々に情報を効果的に伝え、Webサイトの価値向上に貢献します。企業や組織は、PowerCMS Xを活用することで、より多くの人々に情報を届け、社会貢献にも繋がります。
BAは、PowerCMSの公式パートナー「PowerCMS Partner Pro」です。貴社のWebアクセシビリティのみならず、ニーズに合わせて、最適なプランをご提案いたします。お気軽にお問い合わせください。