「社内にあるファイルサーバーをそろそろなんとかしないと。」
というご相談をよくいただきます。
ファイルサーバーは「電子化された情報資産を保管し、必要な人が必要な時にこの情報資産を利用できる環境を提供する」というとても単純な役割のサーバーです。しかし、今年の1月に改正された電子帳簿保存法をはじめとして、会社の重要な情報資産が電子データで管理されることが一般的になってきた現在では、増え続けるデータの管理、リモートワークの普及を含めた働き方の変化に対する対応、日々高度化するサイバー攻撃の脅威などの要素から、単純にサーバーを購入して社内に置くだけでは、情報資産の保護と活用が難しい状況になってきました。
クラウドテクノロジーズではこういった課題を解決するためのクラウドサービスとして、「ファイルサーバークラウドVer.3」をご提供しております。
社内のファイルサーバーで課題をお持ちの方はぜひご覧ください。
「ファイルサーバークラウドVer.3」とは
「ファイルサーバークラウドVer.3(以下FSCv3)」は、Windowsファイルサーバーの機能をベースとして、ファイルの参照、保存、共有をインターネット経由で、安全かつ効率的に利用できるクラウドサービスです。
FSCv3の主な特徴とメリット
高いアクセス性
場所や利用端末を問わず、インターネット接続さえあれば、いつでもどこからでもアクセス可能です。リモートワークや外出先での作業も容易になります。
スケーラビリティ
必要に応じてストレージ容量を柔軟に拡張または縮小できるため、ビジネスの成長に応じたリソース管理が可能です。初期投資やシステムの維持管理コストを最適化できます。
セキュリティ
通信の暗号化、クライアント証明書による個体認証、アクセス権限の管理機能などにより、複数のセキュリティレイヤーを通じてクラウド上のデータを保護し、重要な情報への不正アクセスを防止します。
データの可用性の担保
バックアップ機能により、誤削除やシステム障害によるデータ損失を防ぎます。必要に応じて、すべてのデータを過去のバージョンに復元することも可能です。
慣れた操作
使い慣れたWindowsエクスプローラーによる直感的な操作感で利用できます。
充実したサポート体制
導入時の設定やデータの移行の支援から、導入後の運用サポートや障害対応までをワンストップで手厚くサポートを行っており、ITシステムやクラウドサービスに詳しくない方にも安心してご利用いただけます。
FSCv3とクラウドストレージサービスの違い
Google Drive、Box、OneDriveをはじめとするクラウドストレージサービスもデータの保存と共有を目的としたサービスとなります。ただし、FSCv3とクラウドストレージサービスは、その機能と用途にいくつかの違いがあります。
クラウドストレージサービス
クラウド上にデータを保存し、共有するためのサービスで、特別な制限を行わない限り、ユーザー個人が他者に対して容易に外部と直接データの共有が行える、といったようなユーザーの利便性が高いことが特徴です。
一方で、企業向けの詳細な管理機能やアクセス制御は限定的なことが多く、企業の個別ニーズに合わせた柔軟な設定が難しい場合があります。
「誰が」「どのデータに」「どの権限で」アクセス可能なのかを全社視点で管理するためには、クラウドストレージサービスの機能に対する高度な理解と、使いこなす能力(リテラシー)が求められます。
FSCv3
FSCv3もクラウドストレージサービスと同様に、企業内でのデータ共有と管理を目的としたクラウドサービスです。管理者がユーザー登録やアクセス権に関する設定を行わない限り、ユーザーは保管されているデータへアクセスすることはできません。
ユーザー個人が、FSCv3上のデータを直接外部と共有することはできないなど、ユーザーの利便性はクラウドストレージサービスに劣ります。しかしデータ管理の観点では、管理者による統制が容易でセキュリティが高いことが特徴となります。
またWindowsベースのサービスとなるため、以下のような点も大きな特徴です。
- 個別のアプリケーションを追加しなくても、Windowsエクスプローラーによる直感的な操作が可能
- 管理者により企業のセキュリティポリシーに応じた細かな情報管理が行える
- アクセス権限設定に高い柔軟性がある
加えて、当社サポートを活用いただくことで、システムに対する高度な知識がなくても、クラウド上で自社のデータを安全に管理することができるという点もFSCv3の強みとなります。
課題別のFSCv3活用方法
次に、企業がシステムに抱える課題に対するFSCv3の活用事例を、いくつかご紹介します。
リモートワーク時にも安全に社内の情報資産にアクセスしたい
2020年のコロナ禍以降、リモートワークを新しい働き方として採用する企業が急増しました。これに伴い、どこからでも社内の情報に安全にアクセスできる環境が必要となりましたが、FSCv3では、ユーザーの環境に合わせて、ユーザーの利便性を損なうことなく安全にアクセスできるいくつかの方法をご用意しています。
クライアントVPN接続
PCに専用のVPN接続ソフトウェアをインストールし、このソフトウェアでPCとFSCv3間の通信を暗号化して接続する方式です。このソフトウェアにはクライアント証明書が含まれており、接続時にはID、パスワードに加えて証明書による認証を行うことで、許可されていない端末からの不正アクセスを防ぎます。
スマホ、タブレットからの接続
スマホやタブレットのアプリを利用してFSCv3に接続いただく方式です。通信はSSLで暗号化されており、外出先からも安全に社内の情報へアクセスできます。
Webブラウザからの接続
Google Chrome、Microsoft Edge、Firefox等の通常のWebブラウザを利用してFSCv3へ接続する方式です。通信はSSLで暗号化されており、Windowsエクスプローラーに似たUIで直感的な操作が可能です。
クラウドサービスもActive Directory(以下AD)で権限管理を行いたい
ADを認証基盤として利用している企業は多いと思いますが、「ADレプリケーション」オプションをご利用いただくことで、社内にあるADを使ってFSCv3の権限管理を行うことが可能です。
オンプレミスのADとFSCv3側に構築したADを連携させることで、FSCv3を社内ネットワークの一部として扱うことができます。
また、最近ではオンプレミスのADをやめて、ADもすべてクラウド化したいというご要望が増えておりますが、FSCv3ではこういったご要望に対しても、AD移行を含めてワンストップでサービス提供が可能です。
ランサムウェア対策
ランサムウェアとは、コンピュータシステムに侵入してデータを暗号化し、そのデータの復元と引き換えに身代金(ランサム)を要求する悪意のあるソフトウェアの一種です。
感染経路は電子メール、機器の脆弱性をついた攻撃、不正なWebサイトからのダウンロードなど多岐に渡り、企業で様々なセキュリティ対策が講じられることが一般的になった現在でも感染が増え続けています。
FSCv3では、万一ランサムウェアに感染してしまった場合の対策として、複数世代のバックアップを取得する「定期スナップショット」オプションをご用意しています。
このオプションをご利用いただくことで、ランサムウェアへの感染によりファイルサーバー上のデータが人質にとられた場合にも、サーバー全体を感染前のデータから復元することで、迅速に業務の再開が可能となります。
社内に情報システム専任の担当者が不在
情シス担当者の退職等の理由により、「社内に置いてあるサーバーをクラウドへ移行したいがどうすれば良いかわからない」というご相談をよくいただきます。
FSCv3では、導入から日々の運用までをワンストップでサポートできるメニューをご用意しておりますので、このような課題に対しても手厚くご支援いたします。
導入サポート
- 既存環境の調査(サーバー、ネットワーク、セキュリティ)
- システム設計、移行設計
- システム構築、データ移行
運用サポート
- 電話、メールによる問い合わせ窓口(ヘルプデスク)
- 各種マニュアル類のご提供
- システム監視
- 障害対応
- パッチ適用
まとめ
FSCv3では、今回ご紹介した内容以外にも、クラウド上で便利に、かつ安全にデータを管理するための様々な機能をご用意しています。
この記事でFSCv3に興味を持っていただけた方、社内のファイルサーバーでお困りの方は、お気軽にお問い合わせ下さい。