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AEMが大学の受験生向けWebサイトのデジタル戦略に必要な理由

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プロフィールアイコン(写真):第2事業部 マネージャー/ディレクター 野島
野島第2事業部 マネージャー/ディレクター(ビジネス・アーキテクツ)

2008年にビジネス・アーキテクツに入社。システムエンジニアとして中規模以上のシステム設計・システム開発を担当。現在はそのバックグラウンドを活用し、サイト構築案件から運用案件まで様々な案件のディレクターを担当。UXとエンジニアリングの観点から顧客の課題解決を行っている。

Adobe Experience Manager(以下、AEMと称する)は、Webコンテンツの管理やデジタルエクスペリエンスの構築を支援するプラットフォームです。少子化が進み、大学間の学生獲得競争が激化している昨今、大学のデジタル戦略の課題を解決するために、AEMの導入をおすすめします。

大学の受験生向けWebサイトの戦略において、大学と受験生や保護者とのコミュニケーションをどのように行うかを実現する上で、AEMが重要な役割を果たします。ただ単に受験者を増やすだけではなく、大学への関心や志望度が高い学生を増やすためには、これまで以上にデジタルを活用したプロモーションが必要となります。

本記事では、AEMが大学の受験生向けWebサイトのデジタル戦略に必要な理由について解説します。

AEMが大学の受験生向けWebサイトのデジタル戦略に必要な理由

大学が直面する少子化によるデジタル戦略の課題

日本では少子化が進行しており、多くの大学が受験生の減少という深刻な問題に直面しています。例えば文部科学省は、令和5年11月2日の第27回 経済社会の活力ワーキング・グループで出された資料2「急速な少子化が進行する中での将来社会を見据えた高等教育の在り方」にも以下のように書かれており、深刻な状況であることがうかがえます。

学部等設置認可における学生確保の見通しの審査基準を厳格化
私学助成における定員未充足大学の減額率の更なる強化

出典:急速な少子化が進行する中での将来社会を見据えた高等教育の在り方. 第27回 経済社会の活力ワーキング・グループ(資料2 文部科学省提出資料(PDF形式:3424KB)). (参照 2024-07-19)

このような状況下で、各大学は受験生を集めるために効果的なデジタル戦略を導入する必要があります。しかし、限られたリソースや予算の中でこれを実現することは容易ではありません。

最新技術の導入やインフラ整備が必要

デジタル戦略を成功させるためには、最新の技術を導入し、インフラを整備することが不可欠です。例えば、モバイル対応のWebサイトやアプリケーション、AIを活用したチャットボットなど、受験生や保護者が求める情報を迅速かつ効率的に提供する手段を整えることが求められます。また、これらの技術を活用することで、受験生や保護者に対して、よりパーソナライズされた体験を提供することが可能となります。

持続可能な形で計画・実行する

一方で、デジタル戦略は一度導入すれば終わりではありません。持続可能な形で計画を立て、実行し続けることが重要です。定期的なメンテナンスやアップデートを行い、常に最新の状態を保つことで、受験生や保護者に対して常に最適な情報を提供し続けることができます。

大学の受験生向けWebサイトのデジタル戦略の推進に必要なこと

AEMの概要

AEMは、デジタル戦略の実現をサポートするための強力なツールです。以下に、AEMの主要な機能について説明します。

AEMの主要機能

AEMの主要な機能は以下のものがあります。

  • コンテンツ配信機能
  • ワークフロー管理機能
  • パーソナライゼーション機能
  • デジタルアセット管理機能
  • マルチチャネル配信機能

それぞれ簡単にご紹介します。

コンテンツ配信機能
AEMはコンテンツの作成から配信までを一貫して管理できます。これにより、Webサイト上の情報を迅速かつ効率的に更新可能です。例えば、新しいキャンパスツアー情報やオープンキャンパスの情報を即座に公開できます。

ワークフロー管理機能
AEMは、コンテンツの作成・編集・承認・公開といった一連のプロセスを効率化するためのワークフロー管理機能を備えています。そのため、各部署間の連携をスムーズにし、コンテンツの品質を保ちながら迅速に情報を提供できます。

パーソナライゼーション機能
AEMのパーソナライゼーション機能を活用することで、受験生一人ひとりに合わせたカスタマイズされた情報が提供可能です。例えば、受験生の興味や行動履歴に基づいて、関連する学部やコースの情報を表示できます。

デジタルアセット管理機能
AEMは画像や動画、ドキュメントなどのデジタルアセットを一元管理できます。これにより、コンテンツ作成時に必要な素材を迅速に検索・利用でき、効率的なコンテンツ制作を支援します。

マルチチャネル配信機能
AEMはWebサイトだけでなく、モバイルアプリやソーシャルメディアなど、複数のチャネルに対して一貫したコンテンツを配信可能です。そのため、受験生や保護者に対して多様な接点を持ち、一貫性のあるブランド体験を提供できます。

AEM導入による具体的な6つのメリット

ここからは、大学の受験生向けWebサイトにAEMを導入することによって得られる具体的なメリットをご紹介します。

メリット1:ワークフローの自動化と効率化

AEMのワークフロー管理機能を活用することで、コンテンツの作成から公開までのプロセスを自動化し、効率化できます。これにより、各部署間の連携がスムーズになり、情報提供のスピードが向上します。また、エラーや遅延を最小限に抑えることで、受験生や保護者に対して常に正確な情報を提供できます。

メリット2:常に最新かつセキュアな環境で柔軟なスケーラビリティを実現

AEMはクラウドベースのサービスとして提供されているため、常に最新のバージョンを利用できます。これにより、セキュリティリスクを低減し、システムのパフォーマンスを最適化できます。また、必要に応じてリソースを柔軟にスケールアップ・スケールダウンできるため、アクセスの急増にも対応可能です。

メリット3:コンテンツの一元管理と更新の簡素化

AEMのコンテンツ管理機能を利用することで、大学のWebサイト上の全てのコンテンツを一元的に管理できます。これにより、各ページの更新作業が簡素化され、情報の整合性を保ちながら迅速に更新を行うことができます。例えば、新しい入試情報やイベントの告知を即座に反映可能です。

メリット4:アクセシビリティに配慮したサイト運営

AEMはアクセシビリティに配慮したコンテンツ作成をサポートする機能を備えています。これにより、障害を持つ受験生や多様なデバイスを使用するユーザーに対しても、アクセスしやすいサイトを提供できます。例えば、スクリーンリーダー対応のコンテンツや、視覚的な調整が容易なデザインテンプレートを利用できます。

メリット5:マルチチャネル対応のデジタルエクスペリエンスを提供

AEMはWebサイトだけでなく、モバイルアプリやソーシャルメディア、メールなど複数のチャネルに対して一貫したコンテンツを配信できます。これにより、受験生や保護者に対して一貫性のある情報を提供し、ブランドの信頼性を高めることができます。例えば、オープンキャンパスの情報を同時に複数のチャネルで発信可能です。

メリット6:パーソナライズ機能

AEMのパーソナライズ機能を活用することで、受験生一人ひとりの興味や行動に基づいたカスタマイズされたコンテンツを提供できます。これにより、受験生は自分に最も関連性の高い情報を簡単に見つけることができ、大学への関心を高めることができます。例えば、特定の学部に興味を持っている受験生には、その学部に関連するニュースやイベント情報を優先的に表示できます。

AEMの導入事例

当社のAEMの導入事例をご紹介します。

学校法人のE社様は受験生獲得と学校選択という体験の向上のためAEMを導入していただき、共通のテンプレートとコンポーネントでWebサイトの一元管理を実現できました。背景には少子化による受験生の減少に伴う大学間の競争の激化があり、ユーザーに必要な情報を提供する体制構築が求められていました。課題は情報発信の強化、セキュリティ対策、運用コスト削減であり、これらを解決するためAEMが選ばれました。

プロジェクトではアジャイル開発手法を用いることで、迅速に進行できました。情報設計とコミュニケーション設計により、ユーザビリティを改善しつつ、モバイル端末向けに表示を最優先しレイアウトを工夫しました。UI/UXデザインでは共通のガイドラインを策定し、CMS設計・開発においては更新コスト削減とセキュリティ強化を図りました。最後にデータ移行では必要なコンテンツを精査し、優先順位をつけて進行しました。

詳しくは下記の記事をご覧ください。 学校公式サイトのリニューアル|AEM導入事例 E社様 | BAsixs(ベーシックス)

まとめ:AEMは大学の受験者向けWebサイトにおいてデジタル時代の必須ツール

AEMは大学の受験生向けWebサイトのデジタル戦略において不可欠なツールです。統一されたデザインと情報管理により、受験生や保護者が必要な情報に迅速にアクセスできる環境を提供します。

また、モバイル端末対応の設計とパーソナライズされたコンテンツ提供により、UXを向上させ、競争の激しい市場での優位性を確保します。さらにセキュリティ強化と運用コスト削減を実現することで、持続可能なWeb運営をサポートします。

AEMの導入は大学のブランド価値を高め、受験生の選択肢としての魅力を最大化するために効果的な手段と言えます。