デジタルトランスフォーメーション(DX)という言葉が2004年に生まれ(諸説あり)、早15年以上経過しました。その間、様々や成功事例や失敗体験が生まれてきました。
日々セールスマネージャーとして社外の方と接していると「我が社はデジタルトランスフォーメーションがうまくいった」と胸を張っていえる企業はほとんどない、というのが私の感覚です。
デジタルトランスフォーメーションがなぜうまくいかないのか?その課題を探るとともに、デジタルトランスフォーメーションを成功させるには何が必要なのか?を考察して みたいと思います。
これからデジタルトランスフォーメーションに取り組む企業の方は失敗しないために、すでに失敗が見えている企業の方は原因分析の新しい視点として当記事をご覧ください。
ポイントは「リデザイン」です。
デジタルトランスフォーメーション(DX)とは仕組みを作ることである
そもそもデジタルトランスフォーメーション(DX)とは下記のように解説されています。
DXとは、データやデジタル技術を活用することで、企業により良い変革をもたらし、競争力を高めて優位性を確立すること。また、それにより企業が安定した収益を得られる仕組みを作ること。
出典 : DXとは?. BAsixs(ベーシックス). (参照 2021-07-09)
ここで重要なのが「仕組みを作ること」という言葉です。
「業務効率改善のため、一部の業務をデジタル化すること」とDXを捉えがちですが、DXの本質はそれとは大きく異なるのです。
ビジネス・アーキテクツ(BA)はデザインとエンジニアリングの会社である
私が所属するBAsixs参画企業、ビジネス・アーキテクツ(以下、BAと称する)社は、
「デザインとエンジニアリングで安心安全で豊かな社会づくりに貢献する」
というミッションのもと会社のサービスが成形されています。
デザインとは狭義的な意味では「意匠」を指しますが、ここで言うデザインとは広義的な「目的を達成するための設計」を指します。
新しい仕組みの設計をし、エンジニアリングで社会実装まで行うのが弊社の事業です。
デジタルトランスフォーメーション(DX)の課題とは「リデザインするという意識がないこと」
デジタルトランスフォーメーションの課題とはズバリ「再設計する(リデザイン)という意識がない」ことです。
ハンコをDX化する例で考えるたとえ話で説明します。「ハンコ」をDX化すると考えてみてください。
ハンコをDX化するとなると、多くの企業は物理的にハンコを押してくれるロボットを作ろうとします。いわゆる第三次産業革命的なロボットに人間の作業をやってもらう、という考え方ですね。
もう少し進んだ企業は、電子印をPDFやエクセルに押印して添付ファイルで送るというサービスになります。エクセル上に電子印が次々に押されていく、というものですね。
2つの例で「自動押印ロボット」「電子印」が出てきましたがこれはみなさんのイメージする「DX」でしょうか?
多くの皆さんが「何か違う」と回答されるかと思います。
新しい仕組みを作ったのではなく、既存の仕組みの一部をデジタルやロボットに置き換えているに過ぎないからです。これはデジタルトランスフォーメーションではなくデジタライゼーションと言います。
客観的に見ていると、ハンコの例のように「何か違う」と気づくことが出来ますが、自社の業務だとこのような「デジタルトランスフォーメーションではなくデジタライゼーション」になっていることに気づきにくくなっていることが多いです。
このような単純な「デジタライゼーション」に陥ることを防ぐために「リデザイン」という思考や手法が必要なのです。
どうすればデジタルトランスフォーメーション(DX)はうまくいくのか?
ではデジタルトランスフォーメーションがうまくいくにはどうすれば良いでしょうか?
この記事で考えるデジタルトランスフォーメーションとは、「一旦完成されている業務をデザインし直す(リデザイン)」ということになります。
例えばさきほどのハンコの例で言えば、
ハンコ押印ロボットや、電子印、電子契約ありきで進めるのではなく、下記のような例で進めるべきです。
ハンコのDXの一例
- 業務の目的を明確にし
- 承認ルートを見直し
- 起案、承認、最終承認にそれぞれ必要な情報をチャットツールに投げる
ことで、いちいち詳細画面を見なくとも承認できるような設計になります。 - それを通知することで、オンライン上で最終承認まで可能な仕組みを導入する
人に依存しない「仕組み」をデザインすることの大切さ
結果として電子契約システムをカスタマイズすることになるかもしれませんが、
これを「人」中心のデザインをするのではなく、
業務フローとして「人に依存しないように」デザインすることがデジタルトランスフォーメーション(DX)をうまく進めるためのコツです。
そうすると各種ツールを「どうカスタマイズするのか?」が明確になり
使う人に依存するのではなく、何を求めているかを解決できる仕組みができ上がります。
まとめ:デジタルトランスフォーメーション(DX)は抜本的なリデザインが必要である
皆さんがアフターコロナ、第5次産業革命以降の時代を生き抜くには、時代に取り残されつつある「完成していた仕組み」を抜本的に見直し、デジタルを活用した新しい仕組みを構築する必要があります。
そこでポイントとなってくるのが「リデザインする」という考え方です。
BAsixsでは「リデザイン」「デジタルエンジニアリング」を活用して、クライアントの問題解決を図っています。お気軽にお問い合わせください。