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Webサイトの評価ってどうすればいいの?サイト種別ごとのKPIの立て方

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平良Webアナリスト(ビジネス・アーキテクツ)

2006年から大手電機メーカーのオウンドメディア構築・運用プロジェクトに従事。データ分析を強みにコンテンツマーケティングや広告プロモーションにおける、コンテンツ企画・改善、プロモーションの最適化などを支援。2015年にビジネス・アーキテクツに参画。以来、企業サイトのリニューアルやスマートフォンアプリ開発、ならびに解析のプロフェッショナルとして社内外のデータ解析を担当。

Webサイトを構築、リニューアルしただけで満足していませんか?Webサイトの制作には多大なコストがかかります。コストに見合う価値が本当にあったのか、想定どおりの効果を発揮できているのかなど、Webサイトを「評価」することが重要です。
ここでは、Webサイトの具体的な評価方法や、評価する上で気をつけたい点のほか、サイト種別ごとのKPIの立て方などについて解説します。

Webサイトの評価方法

Webサイトを評価するには、「定性評価」と「定量評価」の2軸で考えます。まずは、それぞれどのような基準で評価するのかご説明しましょう。

定性評価

定性評価は、数字などの定量分析で測れない要素をピックアップして評価することをいいます。
例えば、ユーザーアンケートです。実際のユーザーや社内のメンバーに協力してもらい、Webサイトの印象や使い勝手などについてアンケート調査やインタビューを実施します。はっきりとした根拠のない回答であっても、ユーザーの立場で「なんとなくそう感じた」という視点は重要です。そうしたユーザーの声をきっかけに、思わぬ課題が見つかることもあるからです。

定量評価

定量評価は、数値で計測できる評価のことです。例えば、WebサイトのPV(ページビュー)やUU(ユニークユーザー数)など、アクセス解析ツールで計測できる数値が代表的です。
また、KPIも定量評価のひとつとして使えます。

定性評価と定量評価は、どちらかだけで十分というわけではありません。それぞれに役割があるため、両者を掛け合わせて評価することが大切です。

KGIとKPIはWebサイトの種類と目的によって決める

KGIはKey Goal Indicatorの略で、ビジネスの最終的なゴールを評価するための指標です。一方、KPIはKey Performance Indicatorの略で、最終的なゴールに到達するための中間ゴールを測る指標として使われます。
一口にWebサイトといってもさまざまな種類があり、評価するポイントも異なります。ここでは、代表的なWebサイトの種類と、それぞれのKGI、KPIの設定例についてご紹介しましょう。

コーポレートサイト

コーポレートサイトは、企業の顔となるべきWebサイトです。主に企業のブランディングや、ユーザーとのコミュニケーションを目的とします。

企業であればほぼ確実に制作することになるコーポレートサイトですが、実は評価の基準が難しいサイトでもあります。というのも、ブランディングを数値化することが難しいからです。
ひとつの指標としては、ユーザーにブランドを認知してもらえたという点において、やはりPVやUUといった集客数をベースにKGIを設定します。その場合、サイトのKPIとしては特定コンテンツの閲覧数や回遊率、会社名検索での流入数などを設定するといいでしょう。

また、定量評価が合わないコーポレートサイトであれば、定性的に評価するのもひとつの考え方です。定期的にユーザーアンケートを実施し、自社へのイメージやコーポレートサイトの印象などをチェックしましょう。

サービスサイト

サービスサイトとは、自社が提供するサービスや製品の専用サイトのことです。サイトの目的となるKGIは、サービスや製品が売れること。あるいは、BtoB商材であればリードの獲得などです。

KPIとなるのは、これらを達成するために必要な要素です。例えば、ホワイトペーパーのダウンロード数やユーザーからの問い合わせ数、そこから商談につながった商談率や成約率などがサービスサイトを評価する基準になります。

採用サイト

採用サイトの目的は、自社にマッチする人材の獲得です。ですから、KGIは「採用サイトを通して何人採用できたのか」という実績に設定するのが一般的です。

KGIにつながるKPIは、例えば採用サイトからの応募数などを設定します。自社PRのための動画を埋め込んでいる場合などは、動画がどれくらい再生されているかといった数値を見るのもいいでしょう。

ECサイト

オンラインショッピングで製品を直接販売するECサイトのKGIは、売上や収益となります。KPIになるのは購入数や購入単価、CVR(コンバージョン率)といった数値です。

ECサイトには、カゴ落ち率や回遊率など、ほかにも見るべき指標があります。いろいろな数値を計測しておいて、より自社に適したKPIを設定しましょう。

オウンドメディア

自社で運営するメディアサイトを、オウンドメディアと呼びます。オウンドメディアの目的は企業によってさまざまです。製品やサービスを宣伝して売上増やリードの獲得につなげることが目的のサイトもありますし、反対に宣伝はあまりせずに自社の知見を活かしたノウハウや、ユーザーが楽しめる読み物コンテンツを提供して、検索エンジンやSNSからユーザーを獲得し、自社のファンを増やすことが目的のオウンドメディアもあります。

どの目的でオウンドメディアを運営しているのかという点から、KGIやKPIを設定するといいでしょう。例えば、自社の認知を上げることが目的のオウンドメディアなら、KGIはブランディング効果や集客数、KPIはPVやUU、メルマガ登録者数などになるでしょう。製品やサービスの販売につなげたいなら、KGIは売上で、KPIはホワイトペーパーダウンロード数やお問い合わせ数、会員登録数などになります。

Webサイトの目標設定で注意すべきポイント

Webサイトの目標を設定する上で最初に考えるべきポイントは、とにかく「Webサイトのゴールを考える」ことです。ゴールがなければKGIやKPIも設定できませんから、評価自体が難しくなってしまいます。

前段で説明しましたが、特にコーポレートサイトやオウンドメディアは、ゴールを設定しにくいタイプのWebサイトです。こうしたWebサイトを評価する場合、しっかりと社内でゴールについて共有しておかないと、認識にずれが生じるおそれがあります。
例えばオウンドメディアなら、現場の人間はブランディングや認知度向上を目標にしていたのに、上層部はオウンドメディアを通じて製品やサービスが売れることに期待していた……といったずれは、よくあることです。

この場合、現場がいくら施策を行ってもなかなか製品の売上にはつながりません。そもそも現場は売上ではなく、ブランディングのための施策を行っているわけですから当然です。
しかし、売上増に期待している上層部の目には、「コストをかけているのに結果を出していない」と映ってしまうわけです。

その結果、せっかくブランディング面ではうまくいっているのにオウンドメディアを閉じることになったり、予算を縮小されてしまったりすることもありえます。そうならないためにも、現場と上層部で同じゴールを共有しておくことが大切です。

Webサイトの具体的な評価方法は?

最後に、具体的なWebサイトの評価方法についてご紹介します。まず、定量的に評価する場合は、アクセス解析ツールを導入しましょう。アクセス解析ツールからは膨大なデータが得られますので、その中から自社のWebサイトを定量的に評価するための項目をピックアップします。

一方、定性的な調査としては、前述したようにアンケート調査が有効です。さらに必要であれば、経験豊富な専門家がWebサイトの使いやすさを評価する「ヒューリスティック分析」も行いましょう。プロの視点を取り入れることで、今まで気づかなかった課題があぶり出されるかもしれません。

分析結果が出たら、ステークホルダーに周知することも必要です。そのためのツールとしてはBIツールの中でも比較的扱いやすい「Google データポータル」などが便利です。規模が小さく関係者が少ないのであれば、メールやチャットで直接伝えるのもいいでしょう。

分析結果には、自部署だけでは気づかない重要なデータがあるかもしれません。その意味でも、他部署との連携は非常に重要です。
例えば、商談率や成約率など、Webサイトの外で起きていることは、アクセス解析ツールをいくら見てもわからないこともあります。その場合は営業部などと連携し、データを掛け合わせて分析を行いましょう。

まとめ

Webサイトを構築、リニューアルした際には、しっかりと目的を果たせているかどうかについて、定性評価と定量評価、両方の視点からしっかりと評価することが大切です。
分析は一度きりではなく、定期的に評価を続けることで、Webサイトはどんどん改善されていきます。

BAsixsでは、KGI、KPIの設計からそれにもとづくWebサイトの評価も行っております。新しく構築、あるいはリニューアルしたWebサイトの評価についてお困りの際には、お気軽にご相談ください。