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要件定義から予算の獲得まで、大規模Webサイトのリニューアルを成功させるには

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小山第1事業部 事業部長(ビジネス・アーキテクツ)

BPOの会社でのなんでも屋を経て、2019年からBAへジョインしました。第1事業部で責任者をしております。

Webサイトリニューアルを担当することになったあなた。

  • なぜ今Webサイトをリニューアルするのか?
  • なぜ新しいCMSが必要なのか? WordPressではダメ?
  • なぜその制作会社に依頼するのか?
  • それだけの金額をかけるべきなのか?(費用対効果)

社内説明で質問攻めにあい、うまく説明できずに困ってしまうかもしれません。

担当者にとって、予算のことを社内で適切に説明し、理解を得ることがWebサイトリニューアルのはじめの一歩。Webサイトのリニューアルは毎年行うものではないので、社内にノウハウが蓄積されていない場合もあります。

そこで、ビジネス・アーキテクツ(以下、BA)の豊富なWebサイトのリニューアル実績をもとに、お客様からよく聞く予算策定に関する疑問や失敗しない方法をまとめました。

今回は、特に規模が大きいWebサイトを運営する企業や、グローバルサイトを運営している企業からのご相談内容をもとに、次の3つについて解説します。

  • リニューアルの目的を決める
  • 予算を組み立てる必要がある
  • リニューアルを考えるならAEMが効率的で効果的
要件定義から予算の獲得まで、大規模Webサイトのリニューアルを成功させるには

サイトリニューアルの目的

これまでさまざまなお客様から、Webサイトリニューアルに関するお悩みや課題を伺ってきました。多くの方が、Webサイトリニューアルの目的を会社の利益向上と定義されていらっしゃいます。

そしてこの目的を達成する「リニューアル」ですが、それを阻害する要因はさまざまです。例えば、古いシステムやデザインを使用し続けていることで訴求力が失われている、導線が複雑で顧客との適切なコミュニケーションが行えないといったようなことが挙げられます。

規模が大きなWebサイトほど問題が複雑化する傾向にあります。Webサイトリニューアルを適切に進めるには、まず現行Webサイトのリニューアルの目的をはっきりさせて問題点を検証し、阻害要因をすべて洗い出しましょう。

また、大規模なWebサイトリニューアルを行う場合、下記のような要望が、リニューアル後に達成したい項目としてよく挙げられます。

  1. 時代に合ったデザインにしたい
  2. Webサイト全体の設計を見直し情報を見つけやすくしたい
  3. 機能追加・不具合解消のためシステムやインフラを再構築したい
  4. 運用コストを下げたい
  5. ブランディングなど会社のイメージを刷新したい

Webサイトリニューアルの担当者は、複数の部署を巻き込み、目的達成に向け、これらの達成項目を複合的な課題として捉えて解決を依頼することが求められます。よってWebサイトリニューアルのプロジェクトは自ずと大規模になってきます。

Webサイトは企業が伝えたいこと、ユーザーが知りたいことを共有し合うコミュニケーションツールです。ユーザーとのスムーズなコミュニケーションを行うには、まずインフォメーションアーキテクト(IA)と呼ばれるWebサイト全体の情報設計を見直します。

つぎに、正しい理解と認識が得られるWebサイトの構築を行い、ユーザーのサイトを通して得られる体験を設計する必要があります。これは昨今ではUXデザインと呼ばれています。

また、経営方針の変更を全面に打ち出すためにリニューアルを行うケースも見受けられますが、これはややレアなケースといえるかもしれません。

写真:小山の説明風景1

目的が決まったら次は予算策定が必要

前の章では、Webサイトリニューアルの目的と達成項目を紹介しました。しかしこれらのことが決まっても、予算が取れないことにはプロジェクトが始められません。ここでは担当者が予算について適切に理解するため、Webサイトのリニューアル費用の考え方について紹介します。

Webサイトリニューアルにかかる費用には何があるか

Webサイトリニューアルにかかるコストの内訳には要件定義、設計、構築、実装、テストといったさまざまな項目があります。そこにはそれぞれにマネージャーやデザイナー、エンジニアなどの人件費がかかります。このようにWebサイトの費用とは、人件費(工数)が主なものとなります。

Webサイトリニューアルの制作予算はいくら?予算獲得のコツについて | BAsixs(ベーシックス)

Webサイトリニューアルや構築の費用を決める要素は何?

Webサイトリニューアルの予算を獲得するためには、何が要因で費用が変動するのかを知っておく必要があります。下記の5項目は費用を左右する代表的な要素です。

  1. Webサイトの規模、対応範囲
  2. スケジュール
  3. 求められる対応難易度(機能、アクセシビリティなど)
  4. コンテンツの更新度合い(移行の分類)
  5. 言語数、翻訳量、翻訳レベルなど
  6. 公開後の運用、サーバー保守の内容(どこまで自社、どこから外部か)

コストの増加は、Webサイトのリニューアルを制作会社に依頼する際、上記のような項目を明確に定義せず、いわゆる、おまかせ状態でオーダーすることでよく起こります。結果、実装後に確認や修正の費用が加算されてしまうことはよくあることでしょう。

初期費用の中で「要件定義」が必須なのは、社内の制作チームや外注先など、Webサイトリニューアルに関わる担当者同士が方向性を共有できるからです。これにより、作業上の手戻りを避け、不要な制作コストを抑えられます。

ここで決まったことを実際に実装していくのですが、大規模なWebサイトの費用を最適化するために我々が最近お勧めしているのが、Adobe Inc.(以下、Adobe)が提供するCMSプラットフォームAdobe Experience Manager(以下、AEM)です。

大規模サイトのリニューアルにおけるAEMの有益性

写真:小山の説明風景2

大規模グローバルサイトのリニューアルでは数千万〜億単位の構築費用を要することがあります。

理由はさまざまですが、ひとつは何かしらの「量」が増えることです。例えば、制作ページ数が多いという分かりやすいものから、社内のステークホルダーが多く、意思決定のプロセスが複雑で要件定義が物理的に長くなるという間接的なものなどが挙げられます。さらに海外に向けて展開を広げる場合は、対応言語が多くなることも理由のひとつです。

こういった大規模グローバルサイトのリニューアルを行う場合、当社では近年AEMの導入をお勧めすることが増えています。AEMは数多くの機能がありますが、特にグローバルサイトの制作において効率的かつ効果的な機能についていくつか紹介します。

AEMには、Adobeで実装されているWebサイト構築に必要な部品(コアコンポーネント)があらかじめ備えられています。コアコンポーネントを利用することで、ページやテンプレートの品質を保ったまま手軽に構築ができます。

さらに多言語サイトで修正が発生した場合も、それぞれのページを一つずつ更新するのではなくライブコピー、言語コピーという機能を使って、各国のWebサイトに一括で反映させることができます。このようにAEMは、ガバナンスを効かせたグローバルサイトを運用する上で非常に有用な機能を有しており、これが推奨の主な理由です。

加えて、コンテンツフラグメント機能では、ひとつのデータベースを変えることでそれに付随するページの更新が自動で完了します。その結果、コストパフォーマンスの面で大きな効果が期待できます。さらに画像・動画・PDFなどのデジタルアセットを、整理して管理するための堅牢なDAMシステム機能も有しています。バージョン管理、期限やタグなどのメタデータ管理、それを利用したアセット検索などの機能を提供します。

AEMのアセット管理でWebガバナンスを強化しよう | BAsixs(ベーシックス)

このような機能を有していたAEMは、リリース直後からCMSのランキングで非常に高い評価を獲得していました。しかし、当時はかなり高額で、導入できたのは一部の大企業に限られていました。それが2020年にクラウドでリリースされるという画期的な出来事があり、ユーザーの裾野が広がったことで当社でも導入に向けての取り組みを開始しました。クラウド上で操作できることから圧倒的に管理しやすくなったことも大きな魅力です。AEMの概要や機能の詳細については下記リンクをご確認ください。

AEM (Adobe Experience Manager) 導入で解決するグローバルサイトの課題 | BAsixs(ベーシックス)

予算を獲得し、AEM導入を進めるためのコツ

Webサイトに関する部署のご担当者さまは、予算取りに苦労するケースが多々あります。ここでは、どのようなプレゼンテーションをして予算の獲得に繋げるかというポイントを2つ紹介します。

まず、簡単な修正、更新などの内製化による運用コストの低減です。先の項目で紹介したAEMでは、ノーコードで更新作業の多くを設計可能なため、自社のWeb担当者やWebサイトのコンテンツ管理者が作業を行うことで運用コストを大きく抑えることができます。

次に、保守コストの削減です。CMSには必ずアップデートが必要です。オープンソースCMSなどでは、確認や対応費用が積み重なり大きな費用になります。よってAEMのような大規模CMSベンダーが管理しているCMSの方が、品質とコストのバランスが長い目で見て優れているということが多いです。

そして、これらの削減したコストを、より訴求力の高いコンテンツの製作に予算を回すことで、目的である会社の利益に貢献するWebサイトになると説明することで予算の獲得に繋がると考えます。

経営層には、以下のような内容を説明すると良いでしょう。

  • リニューアル前後でWeb運営にかかるコストがどのように変わるのか
    →ライセンス料は上がるがAEMの導入でCMSの保守・管理コストが下がり、全体的な無駄が抑えられる
    • 重複した業務など、不要な業務を辞める(親会社・子会社でバラバラに同じような作業をしていた→親会社に集約する)
    • ガバナンスが効いた設計を行う(毎回ルールを決めなくて済む)
  • その結果どのくらいの売上増加が期待できるのか
    →コンテンツの充実やブランディングの強化で顧客への的確な訴求ができ、売上増加につながる
    • 多言語のWebサイトを簡単に構築でき、Web担当者が不在の国や現地法人がない国でも、グローバル共通の発信を可能になる
    • これまでアプローチできていなかった地域での売り上げ向上を目指すことが可能になる

下記のようなデータを根拠に説明すれば、より深く理解を得られるでしょう。

図:リニューアル時にAEM導入する場合、しない場合の以降5年の運用費推移

AEM導入で確保した予算をコンテンツ制作に活用

どこの会社でも予算が決まっているため、Webサイト運用における予算申請がすべて受け入れられるとは考えにくいでしょう。限られた予算を有益に使用し、コンテンツ制作に注力するためには、これまでの経費を見直して不要なものを削らなくてはなりません。

技術的な説明は省きますが、私たちが取り扱うAEMというCMSでは、グローバルサイトや大規模サイトに耐えられるWebページを構成する部品やテンプレートを元にWebサイトを構築していきます。

予め準備されている部品を使うのであれば、新規でのコーディングや設計が不要となるため、これまでコーディングに充てていた予算をコンテンツ制作や別のことに使うことが可能になります。同じ予算でWebサイトの充実化が図れるとあればプロジェクトの目的を円滑に達成するためのリニューアルが図れるでしょう。

AEMの導入によって期待できる工数や予算の変化については下記のグラフを参照してください。 ポイントとしては、コーディング・デザインにおける費用の負担が減った分、コンテンツの制作費を大幅に増やすことで訴求性の高いサイトの実現が可能となります。

図:リニューアルにおけるAEM導入前後の予算内訳変化

AEMでは部品とテンプレートでページを使用できるため、誰でも同じ品質のページを作成でき、部品とテンプレートの管理のみでWebサイト全体の管理が可能になります。これまでは自社の海外Webサイトを逐一チェックし、更新できていない国があればメールで連絡、再度チェックを行うといった手間が必要で人件費が圧迫されていました。

こういった作業を削減し、自社の魅力をより広く、早く、同じように伝えることは経営者にとって大きな課題です。そのため、AEM導入を軸としたリニューアルの提案は今後、より受け入れられやすくなることでしょう。

まとめ:リニューアルの目的を明確にし、AEMで高品質かつ予算を押さえたWebサイト構築を

Webサイトリニューアルを行う際、目的と手段がいつの間にか入れ替わっているというケースがあります。リニューアル自体を最終目的としないよう、目的を明確にすることが重要です。

関わる人が多くなることで、いつの間にか別の目的が追加されるケースは意外と多く見られます。リニューアルが承認されたら目的をずらさず、プロジェクト全体でドキュメント化し、共通認識として持っておくことが鉄則です。

そして、予算を取るためには、

  • リニューアルすることで、どの業務がどれくらい効率化できるのか(コスト削減が期待できるのか)
  • どこの予算をリプレイスするのか(コーディング費用を削ってコンテンツ制作にかけるなど)

といったことを伝えなければなりません。また、発注時に制作会社に丸投げをしてしまうと予算が膨れ上がりやすくなります。

費用対効果の高いWebサイトを作るには、自社のプロである社内の担当者がビジョンを明確にし、プロジェクトを主導することが重要です。運用については5年間をめどに、中長期的な目線で効果を比較することを心がけましょう。

リニューアルには大きなコストがかかるので、どのようにして予算を有効に生かすかが担当者にとっての大きな責務となってきます。

予算を獲得したら、目的を達成するために運用改善やシステムリプレイスなどを検討することが課題となります。当社ではCMS選定や施策検討の段階から、実績とノウハウがあるプロに相談でき、最適な解決方法を提案できます。

また、成功例だけでなくうまくいかなかったケースの経験もあることから、お客様のビジネス課題を理解し、第三者目線での柔軟なサポートを行うことができます。Webサイトリニューアルの方向性について悩まれている方は、ぜひ方針を決めるところからご相談ください。

今回紹介した内容ではAEMの活用を例にお話ししました。当社は、AEMやPowerCMS、HubSpotなど複数のCMSのパートナーであることから、適切なCMSを選定した上で導入を提案できます。AEMについてさらに詳しく知りたい方は、下記のリンクをご参照ください。

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