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インタラクションがもたらすメリット(後編)

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プロフィールアイコン(写真):デザイナー 君塚
君塚 伴子デザイナー(ビジネス・アーキテクツ)

ゲーム業界でのデザイナーを経て、2000年にウェブ制作会社に入社。運用から構築まで得意分野は幅広く、多くの大規模プロジェクトに関わる。インタラクティブコンテンツのアートディレクター。2018年よりビジネス・アーキテクツに入社し、UI/UXデザイナーとして奮闘中。

BAsixs参画企業、ビジネス・アーキテクツ(以下、BAと称する)でデザイナーをしている君塚です。

スマホが浸透して久しいですが、それと同時にWebサイトを閲覧するのも「わざわざパソコンの前に座って見る」という事が少なくなってきました。

スマホファーストになってくると、よりインタラクションが重要になってきます。画面が小さい分、機能的で効率的な画面の使い方が求められるからです。

前回に引き続き、インタラクションを使用することでどんなメリットがあるのかについてお話しさせていただきます。

インタラクションがもたらすメリット(後編)

インタラクションデザインを導入するメリット

前回、インタラクションデザインはUX(ユーザー体験)デザインの一部だとお伝えしましたが、UXデザインと同様に、ユーザーの使い勝手を向上させること、またそれに伴う収益の獲得を目的としています。

インタラクションデザインの基本(前編) | BAsixs(ベーシックス)

どんなことに気をつけたらメリットを活かせるかも踏まえて、インタラクションデザインの導入の仕方を見ていきましょう。

ユーザー側の3つのメリット:「使い勝手の向上」に尽きる

インタラクションデザインを行うことのユーザー側の具体的なメリットを挙げると、以下の3点になります。

1.簡単かつ正確に操作ができる:最小限の表示

例えば、

  • ユーザーが操作するべき項目を最小限に絞って表示し
  • ユーザーの操作にしたがって次に操作する項目を段階的に表示する

などの工夫で、簡単かつ正確にユーザーの動作を進行させることが出来ます。

2.何が起こるのかを予測できる:一般性から類推させる

驚くようなレスポンスをインタラクションで表現するより、使い慣れたツールや道具の操作と同じ手順のインタラクションを使うことで、次に起こることを予測できます。

あえてデザインの一般性を確保することで、ユーザーの既視感に訴え、予測しながら操作できて、ユーザー体験を向上することができます。

3.誤操作を防ぎ、Webサイトの離脱が減る:サイトの再訪にも効果あり

上記2つの使いやすい操作感が感じられれば、順を追って操作することで、エラーが発生することは少なくなります。

誤操作が少なければ、Webサイトの離脱を防ぐことができ、ユーザー体験が良いと再訪も促すことができます。

ユーザーのメリット

Webサイトオーナー側の3つのメリット:ユーザーからの評価と売上の向上

一方でWebサイトオーナー側からのメリットも3点が挙げられます。

1.ユーザーにWebサイトオーナー側の意図に沿った行動をしてもらう

インタラクションとともに、メッセージングも含め、総合的にサイトで何をして欲しいかを明確にし、コンバージョンまでの工程をシンプルにすることで、意図通りの行動へと促すことが出来ます。
優良なインタラクションデザインは、Webサイトでユーザーに行動して欲しいシナリオに沿った行動を促せます。

2.不具合やシステムエラーが防ぎやすくなる

Webサイトが複雑な構造でも、表に見える操作性をシンプルかつ簡単にする事で、ユーザーの行動もシンプルになり、操作に起因する不具合やエラーを起こしにくくなります。

結果、管理の工数も下がり、快適なWebサイト運営が行えます。

3.売上や集客につなげることが期待できる

Webサイト内の操作を簡単かつ分かりやすくすることで、ユーザーの再訪を促すとともに、評判が向上し自然に拡散し、集客にも効果を発揮します。

Webサイトへの集客が増え、売上を増やすために設計したサイト内導線でユーザーが行動してくれれば、売上向上にも繋がる可能性が高くなります。

コンテンツの内容だけではなく「使いやすさ」にも集客効果があるのです。

企業のメリット

メリットを享受するためのインタラクション・4つの大原則

次に上記のメリットを最大限にする為の原則をご紹介します。

1.説明がなくても操作できる:アフォーダンス

操作前に説明文を読まなくても、直感的に操作できるものは優れたデザインと言えるでしょう。これを「アフォーダンス」といいます。

日常生活で使用されている身近なもののデザインは、多くの人が直感的に使用できるようになっているため、そのままアプリやWebサイトでのデザインに応用することができるのです。

例えば電気のスイッチの、左片方へ押すとON、右片方に押すとOFFという日常生活での動作を類推させるアイコンをWebサイト内の画面に要素として置くことで、違和感なく誰でも操作できます。

2.操作がしやすい:生活での使用場面を想像する

アプリやWebサイトのデザインは、ユーザーの行動やデバイスの種類に応じて、機能やレイアウトなどを考える必要があります。

例えば、スマートフォンは、小さいサイズなので外出時に持ち運ぶ事を想定されています。

椅子に座って落ち着いて操作するだけではない場面も想定する必要があります。

3.レスポンスにかかる時間が適切である:ユーザーを待たせない

使いやすさの上では、応答やデータの読み込みなどに時間がかかりすぎないようにすることも大切です。

読み込みの遅いシステムは、それだけでユーザーに不快感を与えてしまい、Webサイトからの離脱も招いてしまいます。

インタラクションデザインを設計する上での原則として、待ち時間が短くなる工夫が必要です。

4.定型パターンを活用する:「既視感」を感じさせる大切さ

デザインには、よく使われているパターンがあります。エレベーターのボタンやバスの乗降ボタンなど、機種や車種によって大きくデザインが変わることはないですよね。

「よく使われる」ということはそれだけ、

  • 使いやすいと考えられている
  • ユーザーに操作経験がある

ということです。

オリジナルなデザインより、一般的な定型パターンをうまく活用することで、ユーザビリティの高いデザインになります。

後編まとめ:インタラクションデザインは小手先のテクニックではなく、サイトの目的を達成する様々なメリットを持つ

後編では、インタラクションデザインを実践するメリットをお伝えしました。

インタラクションデザインは、ユーザーとシステムの相互作用をスムーズにして、最終的には収益向上にも繋がる可能性が高いと言えます。

ユーザー側の「使い勝手の向上」が、Webサイトとしての「ユーザーの良い体験」を生み、それが「Webサイト提供者の目的を達成する」という良い循環を生みます。

この良い循環を生むためには、Webサイトのデザインは、あくまでも「ユーザー体験の向上に資するべきである」という原点に立って行うことが大切です。

Webサイト制作を行う制作者様も、Webサイトの制作依頼をするWeb担当者様も、「ユーザー体験に資するデザイン」という観点を持って、プロジェクトを進めていただければ幸いです。

BAsixsでは、豊富なWeb制作実績の中でUXデザインを追求してまいりました。Webサイトのプロジェクトを進めていく上でお困りのことがあれば、是非どんなことでもご相談ください。