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宛名のトラブルから敬語まで。メールで上司を怒らせていませんか?

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藤本アカウント(ビジネス・アーキテクツ)

大手BPO、人材ビジネス会社でリクルートアドバイザー、キャリアアドバイザーを担当、その後営業支援チームの立ち上げに携わる。2020年BAへ入社、第一事業部アカウントのサポート業務に従事。

在宅勤務の導入にともない 、会社の上司や同僚との間でメールのやり取りが増えています。ただ、普段は顔を合わせて会話していたからこそ伝わっていた、あるいは配慮できていたことが疎かになったことで、メールを受け取った相手を「イラッ」とさせているケースもあるようです。

そこで、今回は一般的に知られているメールマナーの中でも、特に失敗しがちなものをピックアップして紹介したいと思います。

宛名やタイトルで良くありがちな失敗とは?

宛名の記載・送信機能の使い分け

相手から届いたメールを利用して、宛先をメールソフトのアドレス帳に登録するときは、必ず末尾に「様」を付けましょう。アドレス帳から宛先を指定すると、その登録名がそのままメールに記載され、送り相手がメールを開いた時に表示されてしまいます。「取引なし:〇〇」のような名付けでアドレス帳に登録していると、それが相手に見えてしまい、不快感を与えてしまうので注意が必要です。

なお、宛先(TO)に自分の名前がある場合には、メールを受領した旨を返信するのがマナーとされています。このため、宛先(TO)に複数の相手を登録すると 、「誰が対応すべきか?」を悩んだ結果、誰も返答しない恐れが。なるべく1人に絞るか、回答を求める場合にはその相手を本文内に記載すると良いでしょう。

このように複数の相手にメールを送りたい時には、状況に合わせてCCやBCCを使い分けるのが一般的です。

CCを使用する場合

メールのCC欄にアドレスを入力すると、その相手にも同じメールが届きます。主に、宛先(TO)以外の人にもメール内の情報を共有したいが、返信は特に求めない場合に利用されます。

BCCを使用する場合

メールのBCC欄にアドレスを入力すると、他のメール送信者にそのことを知らせることなく、相手に同じメールを送ることができます。"退職の挨拶"のような同じ文面を複数の宛先に送るにあたり、他の受信者のメールアドレスを知られたくない時に利用されています。クライアントにメールを送るにあたり、こっそり上司に文面を共有しておきたい時にも便利です。

タイトルの書き方

次に、タイトルについてですが、毎日大量のメールを受信している上司などを相手にするのであれば、相手の目に留まるような書き方が大事です。重要なメールを急いで送ったとしても、読むのが後回しにされてしまえば、トラブルの原因になってしまいます。

ポイントはひと目で要件が分かるように、5W1Hの中でもWhat(なに)を要約して伝えることを重視し、なるべく短くまとめること。必要に応じてWho(だれが)When(いつ)、Where(どこで)を追記します。また、そのメールが「確認依頼」なのか、「お知らせ」なのか、「ご相談」なのか……、何を目的としているかを接頭か末尾に記載しておくと良いでしょう。

メールタイトル例

  • 【確認依頼】〇〇〇案件の企画書を送らせていただきます
  • 〇月〇日に▲▲▲案件のMTGを□□で開催します【お知らせ】

なお、メールに返信する場合、通常はタイトルが「RE:〇〇〇〇」といった形になりますが、同じ話題についての返信であれば、そのまま送る方が良いとされています。これはメールソフトによっては、件名が同じメールをスタックする機能があり、メールの整理が楽になるためです。ただし、話題が変わる場合には、新たにタイトルを付けた方が良いでしょう。

かえって相手を不快にしてしまう、間違った敬語の使い方

mail manners apology

目上の人へのメールでは敬語や謙譲語、丁寧語を使うのが常識。ただし、その表現が二重敬語になっていないか注意しましょう。例えば、「おっしゃられる」という言い回しは、「おっしゃる」「られる」と敬語が二重に使われているので、「おっしゃる」と表記するのが正解となります。

また、目上の人に教えを乞う場合には、「ご教示のほどよろしくお願いします」というように、「ご教授」「ご教示」などの謙譲語を使います。このうち「ご教授」は専門的な知識を、「ご教示」は手順や方法を聞くときに使う言葉のため、使い分けが必要です。

なお、丁寧な表現として「~させていただく」を使うケースが増えていますが、これは"相手からの許可を得て行う"時の表現。「提案させていただく」というような使い方は、実は間違っています。

その他、使い分けという点では、「了解」「承知」「了承」の言葉選びにもポイントが。一般に上司や同僚からのメールに応える場合には「了解」を、顧客を相手にするように従う立場になる場合には「承知」を使います。「了承」は上の立場の人の言葉遣いなので、目上の人からのメールに応える場合には不向きです。

これらはビジネスの一般常識と言えるので、相手を失望させないためにも、使い分けに注意したいところです。

記載ミス、引用、送信時間にもポイントが

その他、相手を不快にさせてしまうメールの失敗としては、記載ミスが挙げられます。よくある例といえば……

記載ミスのよくある例

  • 相手の名前や社名
  • 数字の桁数
  • 日付と曜日のズレ(どちらかが間違い)

といったところでしょうか。大きなトラブルにつながる恐れがあるので、メールを送る前には必ず確認する癖を付けましょう。

なお、日付と曜日のズレについては、相手が間違っているケースもあります。なので、アポイントが取れたときには、「それでは〇月〇日〇時にお伺いします」というように、本文内で復唱すると良いでしょう。それを見た相手がミスに気付く可能性があるだけでなく、"こちらが内容を確認している"いう安心感を与えることができます。

また、メールを引用、または転送する場合には、そのメールの送り主の承諾を得るのがマナーです。途中からCCを付けて、メールの送り先を増やすような時には、過去のメールがその相手に見えても大丈夫か注意しましょう。

そして、メールはできる限り日中に送ること。深夜帯にメールを送るということは、"時間管理にルーズ"という印象を与えかねません。さらに、相手がスマホでメールを確認している場合、睡眠妨害になってしまいます。

まとめ

このように、メールにはいくつかの押さえておくべきポイントがあります。書き方一つで相手に不快感を与えたり、返答をもらえなかったり、自分の能力を疑わせることになりかねないので、「送信」ボタンを押す前に文面などをチェックしておくと良いでしょう。

参考

  • 平野友朗. 伝わるメール術. 初版. 技術評論社, 2019, 160p
  • 中川路亜紀. ビジネスメール文章術. 初版. ダイヤモンド社, 2013, 208p
  • 株式会社クレスコパートナーズ. 相手に伝わるビジネスメール「正しい」表現辞典. 初版. ナツメ社, 2014, 256p