Webサイトに携わる仕事、とくにコンテンツで結果を出そうと考えている仕事をしていると、「SEOを考えて!」「高いコストをかけたコンテンツなのに、検索に全然出てこないぞ!」などと、言われたことありませんか?そのたびに、SEOについて頭を悩ませることもあるのではないでしょうか。
SEOはとくに、コンテンツマーケティングをする場合は、成功に導く鍵でもあります。SEOをするとコンテンツにどんな影響をもたらし、Webサイトにどんな効果が現れるのしょうか。エンジニアの観 点で実践してみた結果とあわせて、ご紹介してみたいと思います。
SEOでWebコンテンツを検索してもらうって何?
SEO(Search Engine Optimization)とは、「検索エンジン最適化」のことをいいます。
「検索エンジン」と「最適化」を分けて考えてみましょう。
検索エンジンとは、ユーザーがインターネット上で情報を探す際に、ブラウザ(ChromeやSafariなど)上の検索窓に単語や文章を入力することで、情報をWeb上から探し目の前に表示してくれる機能のことです。
つまり「検索エンジン」を「最適化」することは、その機能を活用し、ユーザーに自分たちが発信する情報、すなわち"コンテンツを探して見つけてもらう機会を増やすための施策"ということになります。
検索エンジンについて知ろう
SEOを考える前に、検索エンジンについて少し触れておきましょう。
日本で人気の検索エンジンは何?
今回は、日本国内をターゲットとして、施策を実践しました。ターゲットが決まっている場合、どの検索エンジンに対策すればよいのかを確認してみます。
出典 : Desktop & Mobile Search Engine Market Share Japan. StatCounter Global Stats. (参照 2021-03-11)
このグラフは、2020年2月〜2021年2月の集計結果です。
Google 74.22%、Yahoo! 20.69%、bing 4.67%、DuckDuckGo 0.19%、Baidu 0.12%、YANDEX RU 0.03%という結果になっています。
この結果をみると日本で主に利用されている検索エンジンは、PCおよびMobileのどちらもGoogleといえます。つまり、Googleが提供する検索エンジンに対策をすることで、よりよい効果が見込めると考えることができるでしょう。
Google検索エンジンについて知る
利用率の高かったGoogle検索エンジンを少し深堀りします。
Googleの検索に対する方針とは?
Googleは検索に対して、下記の方針を提示しています。
- 関連性と信頼性が最も高い情報を提供する
- 情報アクセスの機会を最大化する
- 情報を最もわかりやすい形式で提供する
- プライバシーを保護する
- Google が販売するのは広告のみ
- コンテンツを生み出す人々の成功を後押しする
出典 : Google の使命. Google 検索. (参照 2021-03-11)
つまりこの方針にのっとることで、発信するWebコンテンツがユーザーの生活を支え、安心に情報資源を提供できるともいえます。
ガイドラインにはどんな指針が書いてある?
Googleには、Google検索結果に表示させるためのSEO ガイドラインが用意されています。
このガイドラインを知り、理解し、このガイドラインが推奨される項目を実施することで、検索エンジンへの評価が高まり、情報を正しく検索エンジンに知ってもらうことが可能になります。
仕組みを理解してみよう!
Googleでは下記のように紹介されています。
次の基本的な3つのステップによってWebページから検索結果を生成しています。
- クロール
- インデックス登録
- 検索結果の表示(およびランキング)
参考
- Google 検索の仕組み. Google Developers. (参照 2021-03-07)
意訳すると、下記のようなステップといえます。
- クローラーがクロールしてWeb上にどのようなWebページが存在しているか把握しする
- 内容を解析して検索対象としてデータベースに登録する
- 登録されたデータとユーザー情報を考慮し、ユーザーにとって最適な回答を出せるように検索結果を表示する
WebコンテンツとSEOの関係性
Webコンテンツは、検索エンジンの仕組みの「Webページ」に相当します。
これは、検索エンジンに"Webページを検索エンジンに発見してもらいやすく"、"検索結果として出力してもらえるような、インデックスを登録してもらう"という部分で、WebコンテンツとSEOでは強い関係性を築いているといえます。
検索エンジンを活用し、ユーザーに検索してもらう
検索エンジンに見つけてもらうためには、前節で述べたように下記の2点が大切だと考えます。
- Webページを検索エンジンに発見してもらいやすい
- 検索結果として出力してもらえるような、インデックスを登録してもらう
この大切なことを考慮してWebコンテンツを作成すると、ユーザーに見つけてもらえるWebコンテンツをWeb上に広めることができます。つまり、検索エンジンを活用し、ユーザーに検索してもらう行動につながっていきます。
どんなSEOをしたの?実践してみたことをご紹介
Webコンテンツと検索エンジンの関係性をふまえた上で、Webサイトの機能のひとつとして、SEOを実施しました。よい効果が出ましたので実践してみたことを、ご紹介してみたいと思います。
実施内容は、前節でご紹介したGoogle検索の方針や推奨する内容にしたがうことを基本とし、実施しています。
実践1:コンテンツに対するアプローチ
検索優位なキーワード選定する
Webコンテンツに対して必要なセグメントを定めます。セグメントを基準に、インデックスされやすいキーワード(単語や文章)を調査し、検索に優位と判断できるキーワードを選定および、活用方法を定めました。
キーワードを設計・設定する
Webコンテンツに対して、最適な箇所に複数設定することを目指し、どのようにキーワードを設定するか設計しました。
たとえば、下記のような情報にキーワードを設定しています。
キーワードを設定した箇所
- Webページの題名(title)
- Webページのコンテンツに関する概要および説明文(description)
- 各セクションごとに設置される見出し
- 本文
- 代替テキスト(alt)
- URL
- 画像ファイル名
設定する際には、内容と設定するキーワードが一致していることが大切です。検索ヒットを狙って無闇に設定してはいけません。
原稿を最適化する
情報の役割によって、最適な単語や文体、文字数が異なります。各情報に最適な設定しています。
検索エンジンが認識しやすい命名をする
検索エンジンに正しく認識してもらうためには、検索エンジンが認識しやすい命名にすることも大切です。
たとえば、下記のような命名方針で設定しています。
コンテンツの命名方針
- 名前と中身を一致させること
- 文字列制限を守る
- 単語をつなぐときはハイフンを使用する
- 英語表記にする
文書構造を整える
Webコンテンツだけでなく、どんな文書にも文書構造というものが存在します。文書構造は、文書内に記述されたタイトル・章節・見出し・段落などの文章の構造化された情報をいい、論理的であることが検索エンジンにも読者にも正確な情報を伝えるための手段です。
Webコンテンツに対し文書構造を整え、どんなコンテンツか理解してもらえるように組み立てています。
階層構造を整理し、シンプルな構造にする
シンプルでコンテンツのまとまりごとに必要な階層名(URLディレクトリ名)を設定しています。階層は最大5〜6階層まで許容されているようですが、3階層までに収めることを指針として定めています。
パンくずリストを設置する
パンくずリストは、童話「ヘンゼルとグレーテル」で兄弟が迷子にならないようにパンくずを置いていったことが由来です。由来どおり、滞在しているページがWebサイト上で、どの位置に存在する情報なのかを示す重要なナビゲーションです。またユーザーが、Webサイトの入り口に戻るための有効的な手段として設置しています。
実践2:プログラムに対するアプローチ
セマンティクスHTMLで文書構造をより正確にする
セマンティクスHTMLのセマンティクス(semantics)は、ここでは意味論という意味です。HTML構文には、利用可能なセマンティクス要素が100ほど存在します。このHTML構文で、コンテンツとして整えた文書構造を正しく検索エンジンに伝え、重要なキーワードとして理解してもらうことを狙っています。
また目の不自由なユーザーが、ページを操作することを補助する読み上げソフトにも有効的な手段としており、アクセシビリティとしての観点からも推奨される構文です。
Webサイトのアクセシビリティとは?意味や達成基準を基礎から解説 | BAsixs(ベーシックス)
URLを正規化する
同一コンテンツに対して、URLが複数存在する場合でも1つのコンテンツとして検索エンジンはインデックスします。重複コンテンツやミラーコンテンツが多数存在することは、スパム行為とみなされ評価が下がる可能性があります。
その対策として、たとえば下記のような対策をしています。
同一コンテンツにおけるURL対策
- meta canonicalタグを設定する
- index.htmlの有無に対処する
- wwwの有無に対処する
エラーを出さない
エラーは、検索エンジンにとってマイナス評価を受ける場合があります。エラーを適切に対処しています。
XMLサイトマップを設置する
検索エンジンにサイト内のコンテンツを正確に認識してもらう必要があります。サイト内に存在するページを検索エンジンに伝える、XMLサイトマップを設置しています。
レスポンシブウェブデザインで構築する
閲覧者の画面サイズに応じてレイアウトなど、視覚的に見える情報を柔軟に表示を切り替えられるデザインをレスポンシブウェブデザインといいます。
1つのURLで複数の画面サイズ対応することが可能です。そのため、サイトをクロールする回数が1回で済み、クロールの効率が上がります。結果的に、サイト上の多くのWebコンテンツが多くインデックスに登録されます。このことから、ユーザーのためにも検索エンジンのためにも有効的な手段として、レスポンシブウェブデザインで構築しています。
参考
- レスポンシブ ウェブ デザイン. Google Developers. (参照 2021-03-07)
実践3:インフラに対するアプローチ
HTTPS化する
HTTPSのみでアクセスできるようにしています。SEOに関係なく、セキュリティ強化として重要な項目です。Googleの方針である「安全を提供する」という観点から、検索エンジンの評価対象となり、結果的にSEOにつながっています。
Webページの表示速度を速くするために、下記の対策をしています。
表示速度に関する対策
- コンテンツデータを圧縮する
- 応答速度(レスポンス)の速度を落とさない
この対策は、ユーザーにとって快適な環境での情報提供実現につながり、多くのユーザーに情報を提供する機会を増やすことができます。
実践4:ビジュアルデザインに対するアプローチ
SEOという制約が発生してもビジュアルとして成立すること
SEOと直接的に影響が発生するわけではありませんが、間接的にSEOをともに考えることになります。実践1〜実践2までに紹介したSEOを損なわないビジュアルデザインを用意する必要があるからです。
文字制限や文書構造を守る、サイトパフォーマンスを上げるなどの表現幅の自由度が下がるような制約が発生します。SEOを重要視するようなWebサイトでは、一定の制約の中でも成立するビジュアルデザインが求められると考えています。それを可能な限り実現することが大切です。
流入後のユーザー体験を考えること
ビジュアルデザインは、Webコンテンツを視覚的に取得することができる道具の1つです。ユーザーが、Webコンテンツを読む・操作するときに接するのが、このデザインです。
ユーザーとビジュアルデザインが対面するのは、検索からWebコンテンツの訪問した直後になります。その際に、より興味を惹かせるのがこの瞬間であると考えます。この瞬間に、離脱しないようなビジュアルデザインを設計することも大切です。
実践した結果
ここまでにお伝えしたSEOを実践した結果、2つの大きな効果が出ました。
効果1:SEO診断ツールで高いスコアを出すことができた
BAsixs参画企業、ビジネス・アーキテクツでは、SEMrushを利用してSEO診断を実施しています。
SEO診断の結果では、サイトヘルススコア94%という高いスコアを記録することができました(2021/03/08時点)。
この数字は、SEMrushの評価によると、同業が平均77%であることに対し、とても優秀な結果をおさめていることを表しています。さらには、優秀なWebサイトとして、上位10%にも含まれています。
効果2:公開から約1ヶ月で検索キーワードが増加
公開から約1ヶ月経過しましたが、検索にヒットするキーワード(単語や文章)が右肩上がりで増加し、検索一覧にコンテンツが上位に表示される機会も増えてきました。これからもさらに増加することを期待しています!(2021/03/11時点)
まとめ
検索エンジンのことをまず理解し、最適な施策を実施することで確実に効果が出ることがわかりました。コンテンツをしっかり設計し、正しく検索エンジンに伝えることを第一にSEOすることが大切です。
どんなに素晴らしいコンテンツであっても、そのコンテンツが見つけてもらえないことは、大変もったいないことです。BAsixsでは、SEOを実践したナレッジがあります。ご要望がございましたら、お気軽にご相談ください。