企業にとって、今や必須ともいえるWebサイト。自社やサービスの紹介、人材募集、問い合わせの窓口など、Webサ イトは企業活動における重要な役割を担っています。もし、Webサイトを持っていないのであれば制作すべきですし、目的をはたしていないWebサイトであればリニューアルが必要です。
一口にWebサイトといってもさまざまな種類があります。目的に応じたWebサイトを作らないと本来の目的が達成できないでしょう。
ここでは、Webサイトの種類を紹介するとともに、それぞれの役割や価値、制作におけるポイントなどについて解説します。
Webサイトの種類と制作のポイント
Webサイトにはさまざまな種類があります。まずは、Webサイトの種類ごとに、役割やコンテンツ例、制作のポイントについて解説します。それぞれの違いを理解し、自社の抱える課題を解決するために適切なWebサイトの種類を判断できるようになりましょう。
コーポレートサイト
コーポレートサイトは、企業の顔となる重要な存在です。「ブランド認知」「イメージ向上」「信頼の獲得」を目指し、情報発信が行われます。また、社内向けにナレッジを共有するツールとして使用することも可能です。
コンテンツ例
- 会社概要
- サービス
- 商品の説明
- 採用情報
- 代表メッセージ
- 社員(役員)紹介
- 実績一覧
- IR情報
- CSR情報
- 取引実績
- 最新情報
- お問い合わせフォーム
制作のポイント
コーポレートサイトには、さまざまな人がアクセスします。一般のユーザーであれば、本サイトを通じてその企業の事業や取り組みに関する情報、株主や投資家であれば、事業や経営の状況に関する情報が必要になります。ユーザーそれぞれの立場に立った動線の設計とコンテンツが必要です。
サービスサイト
サービスサイトは、企業がオンライン上で商品やサービスの情報を提供するための、専用のWebサイトです。サービスの認知や理解を促進し、新規顧客を獲得することが目的となります。
サービスサイトは、コーポレートサイトの一部として作られることもありますが、対象者が見込み顧客のみであることから別途制作し、対象者により響くコンテンツや表現で制作したほうがいいでしょう。
コンテンツ例
- サービス・商品の説明
- 購入・問い合わせフォーム
- お客さまの声
- 取引実績
- 導入事例
制作のポイント
サービス・商品の詳細な説明はもちろん、競合他社と差別化できる独自コンテンツを作成するといいでしょう。お客さまの声や導入事例は、他社との差別化に最適なコンテンツです。
採用サイト
採用サイトは、人材採用を目的としたWebサイトです。社風に合った優秀な人材を獲得するためにも、ぜひ用意しておきたいサイトといえます。
インバウンドリクルーティングに力を入れたい場合は、コーポレートサイトの一部ではなく、独立したWebサイトを制作しましょう。会社概要や代表メッセージなど、コーポレートサイトと同じコンテンツであっても、求職者向けに内容をアレンジすることで、興味関心の度合いは大きく異なるからです。
コンテンツ例
- 会社概要
- 代表メッセージ
- 職種紹介
- 採用情報(福利厚生など)
- 採用フロー(スケジュール)
- 社員の声
- エントリーフォーム
- 問い合わせフォーム
制作のポイント
採用サイトを訪れるユーザーは、少なからずその企業に興味を持っているはずです。そうしたユーザーに自社の魅力をわかりやすく印象的に伝えるため、ビジュアルやコピーといった表現にもこだわりましょう。また、プロジェクトストーリーや座談会などの独自のコンテンツを開発することも重要です。
ECサイト
ECサイトは、モノやサービスの売買する場を提供するWebサイトです。自社ECサイトでは、商品の販売のほか、新規顧客の獲得、商品の認知度向上、ブランディングといった役割も果たすことができます。
コンテンツ例
- 商品情報
- 販促コンテンツ
- 購入フォーム
- 免責事項(特定商取引法など)
制作のポイント
商品情報は、簡潔にわかりやすく記載しましょう。ユーザーが商品を購入したくなるような販促コンテンツも用意したいところです。
また、ECサイトでありがちなのが、商品の数が多すぎてカテゴリなどが整理されず、煩雑なサイトになってしまうことです。検索性や回遊性についてもしっかりと検討しましょう。
ランディングページ(LP)
ランディングページ(LP)は、Web広告から流入したユーザーに自社の商品をより強く訴求し、コンバージョンにつなげるためのWebページです。できるだけ余計な情報を排除し、掲載する情報もコンバージョンさせたい1つの商品・サービスに特化しているのが特徴です。
コンテンツ例
- 商品情報
- 比較表
- 利用者のメリット
- エントリーフォーム
- 問い合わせフォーム
- 利用者の声
制作のポイント
商品情報は、特徴や価格、購入方法など、具体的かつ詳細に記載しましょう。また、読み進めることで商品を購入したくなるような、魅力的な販促コンテンツも重要です。ユーザーが欲しいと思ったらすぐに購入やお問い合わせをしてもらえるよう、フォームの設置も行います。
オウンドメディア
自社で保有し、運営を行うメディアのことをオウンドメディアといいます。記事コンテンツで情報を発信することで、自社のブランディング効果が期待できます。立ち上げ後、すぐに売上アップに直結する成果が見込めるわけではありませんが、長く続けることで自社の信頼性が増し、顧客の獲得・育成がされることから、中長期的な売上の向上に役立ちます。
コンテンツ例
- 記事コンテンツ
- ホワイトペーパー
制作のポイント
すぐに自社の商品の成約につなげようとしがちですが、オウンドメディアでの過剰な宣伝は逆効果になります。顧客が「知りたい」「役に立つ」と思えるコンテンツを、高い頻度で発信していくことが大切です。
初めてのサイト担当者が陥りがちなこと
どの種類のWebサイトを制作するにしても、基本はすべて同じです。最後に、初めてもしくは経験の浅いサイト担当者が、サイト制作の際に陥りがちなポイントをまとめました。
これらのポイントは、制作途中や運用時になって気づいて対応しようとすると、時間的にも金銭的にも負荷がかかります。スムーズに、目的に沿ったWebサイトが制作できるよう、事前にしっかり確認しておきましょう。
1. 目的・ゴールが不明確
Webサイトの目的やゴールが明確でないと、適切な種類のWebサイトが選択できておらず、最悪の場合、最初から作り直すことにもなりかねません。自社と制作会社を含めたプロジェクトチーム内での認識のすり合わせが重要になります。
2. 課題を正しく把握できていない
Webサイトは、自社の課題を解決するために必要なものです。課題を把握していないと、制作会社からの提案も正しく判断できません。自社の課題の洗い出しから始めましょう。
3. 適切な制作会社を選択できていない
制作会社には、それぞれ得意分野があります。選択した種類のWebサイトが、制作会社の得意とする分野かどうか、しっかり見極めてから依頼をしましょう。
4. プロジェクト計画書が作成されていない
プロジェクト計画書とは、プロジェクトを推進していく上で発注者と制作会社がお互いに合意しておくべきことをまとめたものです。計画書には、社内で設定したゴール、現状の課題のほか、プロジェクトを進める中で予想されるリスクとそれらに関する対策などが盛り込まれます。どのような項目を共有すべきかをしっかり考え、制作会社に伝わるわかりやすいプロジェクト計画書を作成しましょう。
5. 正しい予算を把握していない
やりたいことへの思いばかりが強すぎすると、途中で資金が足りず、狙った効果が得られない中途半端なWebサイトになってしまう場合があります。全体の予算や相場を考慮した依頼内容を優先順位付けて考えましょう。
6. 運用を見越した設計になっていない
Webサイトの構築は、それ自体が目的ではありません。公開後の運用を通してユーザーに継続的に価値を提供し、課題を解決していくことが真の目的です。運用することを見越したWebサイト設計を心掛けてください。
7. 効果検証のための評価基準がない
Webサイトは、公開後の評価基準を決めていないと効果検証ができず、課題解決が遠のきます。運用中に効果的な施策が打てるよう、事前に評価基準を明確にしておきましょう。
8. リニューアル前のサイトのデータ分析ができていない
Webサイトをリニューアルする際は、リニューアル前後での数値の比較が重要です。リニューアル前の段階でしっかりとデータを分析し、リニューアル後に検証できるように準備しておきましょう。
9. 公開後、効果検証を行わない
効果検証を行わないと、課題が解決できているのかどうかわかりません。Webサイトの目的に応じた効果検証を、継続的に行っていきましょう。
Webサイトは課題解決のツールであることを忘れない
数多くの種類の中から適切なWebサイトを選ぶことに不安を感じる方も多いことでしょう。ポイントは、どのようなサイトを作るかではなく、「自社にどのような課題があるのか」を最初に考えることです。課題がわかれば、自ずとサイトの種類は見えてくるものです。
そして、今回ご紹介した内容を踏まえ、Webサイト担当者としての経験値を上げていきましょう。
BAsixsでは、Webサイトの制作やリニューアルを初めて担当する方のほか、経験が少なく不安な方でもしっかりとプロジェクトマネジメントができるよう、サポートしております。
担当プロジェクトを成功に導くために、ぜひBAsixsにご相談ください。