「なんか使いにくいか も?」という違和感は、ユーザーが感じている“困りごと”のサインかもしれません。
本記事では、その違和感にユーザー視点で向き合い、1画面・1導線・1フォームといった身近な改善から取り組む、UI/UX改善の実践ステップを紹介します。
コンテンツや導線の見直し、社内ツールのUI改善など、すぐに始められる事例を通じて、無理なく、成果につながるUXの第一歩をお届けします。
また、9月18日(木)開催のウェビナー「「なんか使いにくい」をユーザー視点で見直すだけで、ここまで変わる。~すぐに取り組めるUI/UXの実践ステップ~」とあわせて、現場で活かせる気づきとヒントをご提供します。

身の回りに潜む「使いにくさ」
- どこから申し込めばいいのか分からない
- 入力したのに、エラーで戻されてやり直しに…
- 資料請求したはずなのに、どこまで進んだか分からない
- 結局、他社と比べてどこがすぐれているのか、分からない…
こうした「なんか使いにくい」体験、みなさんにも覚えがあるのではないでしょうか。
しかもそれが自分たちのサイトやプロダクト、業務ツールで起きていたとしたら──
それは、知らず知らずのうちにユーザーや社内の人たちにストレスを与えてしまっているかもしれません。
ただ、使いにくいと一口に言っても、その原因は様々です。情報の配置?表現の分かりづらさ?それとも動線の設計でしょうか?しかも、慣れている側(作り手や運用者)には気づきにくいという厄介さがあります。
だからこそ、必要なのはユーザーの視点で見直すことです。
今回の記事では、「なんか使いにくいかも?」という小さな違和感を見逃さず、それを改善につなげるUI/UX実践の第一歩をご紹介していきます。
まず見るべきは、“困っているユーザー”の視点
改善のきっかけは、何も専門的な知識や大がかりな調査から始める必要はありません。まずやってみてほしいのは、このページや機能を、初めて見る人にとってどう感じるだろう?という視点で、自分のサービスを眺めてみることです。
ユーザーの立場に立つとは、難しく言えばユーザー中心設計ですが、やるべきことはとてもシンプルです。
“誰のために”その画面や機能や導線があるのかを、もう一度見直してみること。
たとえば、「ここはあの担当者が頑張って作ったページだから…」「前のリニューアルで決めた構成だから…」と、作り手の都合が優先されていないか?
あるいは、この言葉なら伝わるはずと思い込んで、業界用語や社内用語がそのまま表に出ていないか?
知らず知らずのうちに、ユーザーよりも自分たちの事情を優先してしまうことは、現場ではよくあることです。
ユーザーの立場に立つとは、
- 初めてこのページを訪れた人が、迷わず目的を達成できるか
- この操作や説明に、ストレスや不安が生まれていないか
- このサービスに初めて触れる人でも、きちんと価値を受け取れるか
という問いを、一つひとつ丁寧に検証していくことでもあります。
それは時に、作る側の常識を疑うことでもあるのです。
【実践例】どこから変えられる?よくある改善の“入口”
UX改善と聞くと、サイト全体の設計を見直したり、ユーザーリサーチをしたりと、大がかりな取り組みを想像されるかもしれません。
けれど実際には、もっと小さなことから始めて良いのです。むしろその方が、動きやすく、成果にもつながりやすいケースがたくさんあります。
以下は、私たちが支援の中でよく直面する、はじめやすい改善の入口です。
コンテンツの情報が散らかっていて、何を伝えたいのか分からない
ファーストビューではキャッチコピーとビジュアルだけ。スクロールすると複数の情報が羅列され、結局、このサービスは誰向けなのかが伝わりにくい。
→情報の並べ替えや見出しの見直しで、構造的に伝わるページへ。
コーポレートサイトの価値向上にコンテンツが果たす役割とは | BAsixs(ベーシックス)
商品や資料などの情報が探しづらく、離脱されている
検索機能が分かりづらく、絞り込み条件が曖昧なまま。ユーザーが欲しい情報にたどり着けず、ページを離れてしまう。
→検索・フィルターのラベルや配置を整えるだけで、回遊率が改善されることも。
ボタンやリンクの文言が曖昧で、クリックされていない
「詳細はこちら」「送信」「確認」など、行動の先に“何が起きるのか”が分からない言葉ばかり。
→文言を「何がどうなるか」に書き換えるだけで、ユーザーの迷いが軽減される。
フォームのエラーメッセージが不親切で、途中であきらめられている
「入力してください」「エラーがあります」とだけ表示され、何を直せばいいのかが分からない。また、自由記入欄に全ての該当項目を記載しなければいけないなど、ユーザーに負荷がかかり離脱につながる。
→文言や補助ガイドを足すだけで、完了率に変化が出るケースも。
UXを高める入力フォームのデザイン | BAsixs(ベーシックス)
上記の例は、1ページ、1画面、1アクションから始められる改善です。
小さすぎて意味がないのでは?と思うかもしれませんが、その使いやすくなった実感こそが、社内の説得材料にもなるのです。
もちろん、既存の制作会社や開発パートナーがいる中で、いきなり違う外部パートナーに依頼を切り替えるのは簡単ではないかもしれません。
ですが、部分的な診断やレビュー、セカンドオピニオンのような形で、外部の視点を取り入れることは十分に可能です。
次の章では、そうした“無理のない始め方”や、小さく伴走しながら改善を支援する方法についてご紹介します。
【支援の形】小さく始めて成果を出すには
「なんか使いにくいかも…」という気づきを、実際の改善につなげていくには、小さな範囲から無理なく着手し、関係者と成果を共有しながら進めていくことが大切です。
とはいえ、現場の担当者としては、
- 自分たちだけで改善の方向性を決めるのは不安がある
- 既存の制作パートナーに相談しても、これ以上の提案は出てこない
といった悩みを抱えることも少なくありません。
また、パートナーをまるごと切り替えるのは簡単なことではなく、社内の調整や上申のハードルも高くなりがちです。
そこで私たちは、“最初の一歩”に適した柔軟な支援の形を用意しています。
こうした支援は、全部任せるスタイルではなく、一部を一緒に見直す関係性です。
そのなかで、現場チーム自身も改善の視点や進め方を身につけていく。
いわば、実践を通じてUXを内側に育てていくためのパートナーという位置づけです。
このように、小さな改善からでも一緒に始められる支援の形があることを知っていただくだけでも、今すぐ動かなくてはいけないと構えずに、まず一歩を踏み出す選択肢が見えてくるかもしれません。
まとめ|「なんか使いにくい」を見逃さない。気づいた違和感が、最初の一歩になる。
「なんか使いにくいかも?」という違和感は、ユーザーが感じている“困りごと”を、最も早くキャッチできるサインかもしれません。
それを「まあいいか」と流さず、小さな改善からでも、具体的に動き出すこと。
そこから、ユーザーとの接点は確実に変わっていきます。
UXやUI改善は、大きなプロジェクトでなくても構いません。
1画面、1導線、1フォームの見直しからでも、成果につながる変化は十分に生まれます。
とはいえ、社内で「やってみよう」と声をあげた人ほど、
「じゃあ、成果は?」「どれくらい改善されるの?」とすぐに求められてしまい、
思わず立ち止まってしまうこともあるかもしれません。
でも、最初から完璧な成果や数字を出そうとしなくて大丈夫です。
まずは気づきをカタチにしたという実績こそが、次の改善につながる一歩になります。
そんな“最初の一歩”を考えるヒントを、ウェビナーでお話しします。
そんな最初の一歩を考えるヒントを、ウェビナーでお話しします。
9月18日(木)開催のウェビナー「 「なんか使いにくい」をユーザー視点で見直すだけで、ここまで変わる。~すぐに取り組めるUI/UXの実践ステップ~」では、ユーアイズデザインとBusiness Architects(ビジネス・アーキテクツ)の両社が、それぞれの支援事例や視点をもとに、
- 「なんか使いにくい」をどのように見直すか
- 改善の第一歩をどう設計するか
- 社内にどう広げ、根づかせていくか
といったテーマについて、実践的にお話しします。
ご興味ある方は、以下のページよりお申し込みください。
ウェビナー:「なんか使いにくい」をユーザー視点で見直すだけで、ここまで変わる。~すぐに取り組めるUI/UXの実践ステップ~」
- 開催日時:9月18日(木)16時〜17時
- 登壇者
- 株式会社 U'eyes Design 麦島 豊
- 株式会社 ビジネス・アーキテクツ 森 太輔