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Webマーケティング戦略の合意が取れる!効果的な企画書の作り方

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BAsixsは、社会課題の解決と新たな価値創出をBAグループ全体で目指すためのサービスブランドです。

皆さんの会社では、売上に直結するWebマーケティング戦略をどのように策定し、社内に展開していますか?営業・マーケティング部門や総務・広報部門だけで考えていることはないでしょうか。

企画書を書き、全社で課題や目的、目標を共有することで、ブレのないWebマーケティング施策を打つことができます。

さらに、自社のリソースや予算に合わせて外部パートナーの力を借りる必要があるか判断することもできます。

この記事では、Webマーケティング戦略の企画書の作り方について説明します。

これから社内向けの企画書を書く方、外部パートナーの力を借りるために決裁者への説明をする方に向けて、分かりやすい企画書の共通点や、おすすめのフレームワークを紹介します。

Webマーケティング戦略の合意が取れる!効果的な企画書の作り方

企画書と提案依頼書(RFP)、提案書の違い

まず、企画書と提案依頼書(以下、RFPと称する)、提案書の関係について説明します。企画者が企画を考え、外部パートナーの協力が必要な場合、以下の流れで進めます。

  1. 企画者が企画を進めるために社内関係者に説明し、社内で決裁をもらうための「企画書」を作成する
  2. 企画を進めるにあたって外部パートナーに手伝ってほしいことを、企画者が「RFP」にまとめ、外部パートナーへ提案を依頼する
  3. 提案依頼書を受けて、外部パートナーが「提案書」を作成する
  4. 「RFP」の意図・要件と「提案書」が合っているか、実現可能か、予算やスケジュールに問題が無いか、企画者が「提案書」を確認し、提案を受けるか判断する
  5. 外部パートナーと契約し、進行する

次に、企画書と提案依頼書(RFP)、提案書の違いを説明します。

企画書は「企画者が社内決裁をもらうための、社内向け資料」

社内への周知・合意を目的とした、アイデア導入によるメリットを提示するための資料です。具体的な実行計画を考え、導入前後の費用比較(費用対効果)を算出します。

提案依頼書(RFP)は「企画者が社外パートナーに提案をもらうための資料」

RFPとは、マーケティング施策やWebサイトの構築、システムの導入などを外部パートナーに依頼し提案をもらうために必要な資料です。

施策案、概算費用、スケジュール感を外部パートナーに提案してもらうための条件を記載します。発注後に詳細な要件定義から始め、具体的な施策と実行スケジュールを決めるため、認識や方向性を揃えることが目的です。

RFPを作成することで企画を社内承認するために必要な、「企画者の意図に沿った提案書」を外部パートナーからもらえます。

RFPについてもう少し詳しく知りたい方は、次の記事をご覧ください。

提案依頼書(RFP)とは?要求仕様書・要件定義書との違いや重要性の考察 | BAsixs(ベーシックス)

提案書は「外部パートナーが解決策を提案する資料」

提案書とは、外部パートナーがRFPを受けて顧客の課題解決の方法を提案するための資料です。

提案のコンセプト、根拠となる客観的なデータ、データから読み取った問題点、提案理由・目的、施策案、提案を受け入れた場合のメリット、概算費用、スケジュール、提案段階で想定できる留意事項などをまとめます。

最終的には、企画者が社内決裁者の承認を得るために必要です。

企画書はなぜ必要?:社内関係者の要望を取りまとめる

Webサイトのリニューアルだけでなく、スマホ対応やUI/UX改善など、マーケティング戦略に関わることを外部パートナーに提案依頼する場合は、社内関係者の要望や課題を簡単な企画書にまとめて社内で認識をすり合わせ、合意をとることが大切です。

次に、企画書を作成する2つの理由を説明します。

企画書を作成する理由1:社内決裁者の意思決定を促す

Webマーケティング施策を社内の上司・経営層に納得し、承認して、行動してもらうために、Webマーケティング企画書を作成することはとても有用です。

さらに、社内メンバーの共感や納得感、賛同を得ることで、今後のマーケティング戦略をスムーズに実施できます。

そのためには、企画書で問題解決の具体的な方法を明示し、企画を実現するベネフィットをわかりやすく伝えることが最も大切です。

企画書を作成する理由2:与件を整理する

与件とは、現状の課題、実現したい目的・目標、社内の体制、予算、スケジュールなど、企画書を作成する上で必要な前提条件のことを指します。

社内の与件を正確に把握し、整理することでブレのない企画書を作成することができます。

分かりやすい企画書に共通する5つのポイント

では、分かりやすい企画書を作成する上でのポイントを5つに絞って紹介します。

ポイント1:決裁者が知りたいこと目線で整理している

決済者の立場に立った資料を作成することで、社内での承認・協力依頼もスムーズに行うことができます。

例えば、費用対効果などの具体的な数値の予測や企画実施前後の比較などを説明すると効果的です。

ポイント2:独り歩きしても理解できる

作成した企画書を、関係するすべての部署の人にプレゼンすることは難しいです。

誰が見ても同じ認識になるよう、回りくどい表現は使わず、わかりやすく簡潔にまとめるよう心がけましょう。

ポイント3:事実と主観・仮説が明確に分かれている

資料を作成する際はできるだけ事実を明記し、主観は「私個人の意見としては〜」などの前置きを置くなど、企画書を見る側が判断しやすいように心がけましょう。

例えば、「業績が20%アップした」という事実に対して、「その要因は取引数の増加ではないか?」が仮説、「取引数が多くなった気がする」というのが主観です。

ポイント4:課題を定義し、解決するストーリーに納得できる

解決すべき課題を定義し、それをどういう手段で解決できるかを順序立てて説明するとわかりやすいです。

ポイント5:コストや時間をかけても、やる価値があると伝わる

解決策を実行するためにかかるコストや時間を算出し、それに見合う効果が出ることをアピールしましょう。

解決策を講じることで得られる結果や他社の失敗事例・成功事例を挙げたりすることも効果的です。

社内向け企画書作成に必要な、現状を把握するためのおすすめの3つのフレームワーク

数多くあるフレームワークの中から、企画書の現状分析におすすめの、3つのフレームワークを紹介します。

おすすめフレームワーク1:「3C分析」による現状分析

3C分析では、企業を取り巻く現状を

  • 市場・顧客(Customer)
  • 業界・競合(Competitor)
  • 自社(Company)

の3つに注目して事業領域を分析します。

「市場・顧客(Customer)」・・・買い手である顧客視点のニーズやウォンツ、ウィッシュを分析します。1人の顧客・1社の顧客にフォーカスするのではなく、市場全体で考えます。

3Cの内、一番大切なCはCustomerです。

まずは、ターゲットユーザーの傾向を知るために2つの情報を分析します。

  • デモグラフィック情報:年齢・居住地・収入・職業など
  • サイコグラフィック情報:商品を探すときの状況や気分など

他にも、市場規模や成長性、トレンド・動向、購買行動プロセス、ニーズなども分析する必要があります。

顧客に満足してもらうためには、目の前のニーズを満たせばいいわけではありません。

なぜを繰り返して顧客の欲求を深堀したり、顧客に直接インタビューしたりすることで、ウォンツ(願望・本音)に辿りつきます。

例えば「レビットのドリルの穴理論」を参考に、ニーズ・ウォンツ・ウィッシュを整理すると、

  • ニーズ(所有の欲求):ドリルが欲しい
  • ウォンツ(行動の欲求):壁に穴を開けたい
  • ウィッシュ(願望、本音):殺風景な部屋を好きなもので埋めたい

となります。

顧客のウィッシュを具体的に想像できると、新しい切り口で商品開発や提案ができ、顧客満足や自社ブランドのファン化に繋がります。

「業界・競合(Competitor)」・・・マーケットのベンチマークの活動を分析します。

自社と同じ商品やサービスを提供する「直接競合」と、自社とは別の方法でユーザーのニーズを満たす「間接競合」の2軸で分析します。

「自社(Company)」・・・自社の「強み」「弱み」「独自性」「リソース」を分析します。

アンケートやリサーチサービスなどを利用して、ユーザーに直接聞くことは、ベンチマークとの比較ポイントや判断基準を知れるので、有効な手段です。

アンケートの対象は多いほど偏りが無くなりますが、自社のコアなファン5人にインタビューするだけでも価値があります。

おすすめフレームワーク2:「SWOT分析」による現状分析と、次の与件整理のための準備

SWOT分析とは、

  • 内的要因の強み(Strength)
  • 内的要因の弱み(Weakness)
  • 外的要因の機会(Opportunity)
  • 外的要因の脅威(Threat)

の4つのプラス・マイナスの視点から分析をするフレームワークです。

内部外部の両方の現状を理解して分析することで、客観的に企画の目的や全体像を捉えることができます。

おすすめフレームワーク3:「6W2H」を使用した与件整理

与件の整理と企画書の作成には6W2Hが有効です。

6W2Hとは

  • 納期・スケジュール(When)
  • 目標(Where)
  • 自社(Who)
  • 顧客・ターゲット(Whom)
  • 課題・提供する価値(What)
  • 背景・目的(Why)
  • 手法(How)
  • 予算(How much)

という8つの質問を投げかけることで、企画に必要な与件を正確に把握できます。

これら3つのフレームワークを使って現状を分析し、誰が見てもわかりやすい与件整理を心がけましょう。

次に、企画書を作成する手順を説明します。

社内向け企画書を完成させるための4ステップ

社内向け企画資料の与件整理ができたところで、いよいよ企画書を作成します。

ステップ1:現状分析を元に、関連各部署に追加の課題や要望をヒアリング

3C分析やSWOT分析で導き出した現状分析結果を元に、関連する各部署へ追加の課題や要望をヒアリングしていきます。

ステップ2:現状の課題を整理し、解決策を導き出す

ステップ1で行った、関連各部署へのヒアリング結果をまとめ、現状の課題を整理し直します。整理した課題に対して、解決策を導き出します。必要に応じてステップ1でヒアリングした要望も課題に盛り込みます。

さらに、その課題を解決するのにどれだけの期間が必要か、予算はどのくらいかかるか、その場合の費用対効果はいくらになるのか、などを企画書にまとめます。

ステップ3:優先順位をつけ、外部パートナーへの依頼内容を整理する

ステップ2で導き出した解決策に、優先順位(マスト、ベター、あればよい)をつけます。優先順位の付け方は、納期や予算、費用対効果、緊急度など俯瞰的に見て判断します。

社内のリソースだけで対応できないものは、外部のパートナーに依頼する必要があります。外部パートナーに依頼するには、作成した企画書を元に、RFPを作成することで、自社に合った提案を受けることができます。

ステップ4:関連各部署に確認し、合意を得る

完成した社内向け企画書を関連各部署に確認し、認識に相違が無いか確認を行います。

施策が始まったら、経営や他部署に対して方向性を簡単に変えることはできません。企画書を関連部署へ確認する段階で再度確認を怠らないように心がけましょう。

関連各部署の合意を得たら、いよいよWebマーケティング施策を実行します。

外部のパートナーに依頼する場合は、大まかな依頼範囲を企画書にも盛り込みます。既に依頼先が決まっている場合も、コンペで複数社から1社を選ぶ場合も、RFP作成をおすすめします。

社内向け企画書ができたら、それを応用してRFPを作ろう:自社にあった外部パートナーを見つける

RFPを作成することで、要件や課題を複数の外部パートナー候補に等しく伝えることができ、同じ条件で比較検討をできるようになります。

企画書が完成したら、外部パートナーへ依頼する為にRFPの作成に移りましょう。
すでに現状の分析から、課題ややるべきことが見えているため、RFPに落とし込むこともそう難しくはないはずです。

また、外部パートナーに企画内容の理解を深めてもらうためにも、RFPに企画書を添付することも有効です。RFPの作成は、目的に合わせて次のテンプレートを元に作ってみると分かりやすいです。

ただし社内情報を外部パートナーに提供するときは、NDA(秘密保持契約)の締結が必須です。NDAとはいかなくても誓約書で代用する場合もあります。

まとめ:外部パートナーを検討する前にはまず自社ビジネスの目的や目標、課題の整理が大切

ブレのない、Webマーケティング施策を行うためには、自社のビジネスの目的や目標、課題を緻密に整理することが大切です。

社内で合意を得て、Webマーケティングをブレなく進めるためにも、完璧なロジックの企画書を作成しましょう。

また、外部パートナーへ依頼する場合には、作成した企画書をベースにRFPを作成し、社内と外部パートナーが同じ方向を向いて効果的なWebマーケティング施策を実行していきましょう。RFPサンプルを使った書き方については、次の記事をご覧ください。

RFPテンプレートを使ってRFP作成する時の注意点は? | BAsixs(ベーシックス)

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