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AEMを使ったグローバルサイト構築事例 S社様

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AEMを使ったグローバルサイト構築事例 S社様

プロジェクト概要

世界に100を超える拠点からグローバルに展開している日本の製造業S社さまのグローバルサイト構築をお手伝いしました。

お客さまは世界各国にグループ会社のサイトを持っていますが、サイトによって使用されているCMSがまちまちであったり、更新が滞っているなど、ガバナンスが統一されている状態ではありませんでした。
我々はこの課題を解決するために、まずは各国のサイトが安心安全に運営できるプラットフォームを提案し、サイトを管理・運用するためのルール見直しに着手しました。

またブランド維持の観点においても、グループ全体で発信する内容、それに伴うトーン&マナー、ロゴなどが毀損することなく管理するために、グローバルサイトをリニューアルし、新しいサイト運営の形を作って行くことが必要であると考えました。

プロジェクトの背景・課題

  • セキュリティ
    • 各サイトで使われているCMS(主にWordPress)のバージョンやプラグイン、ミドルウェア(PHP)などが管理されておらず、セキュリティリスクが存在している可能性が高い
  • ブランドガバナンス
    • グループ会社や担当者により更新の頻度が揃っておらず、お客さまとして発信すべきことができていない可能性がある
    • 画像やトーン&マナーが揃っておらず、ユーザーが誤認をする可能性がある

ご提案・実施内容

最初に課題とされるセキュリティとブランドガバナンスの観点から、大規模サイトや複数サイト・グローバルサイトなどの運営を想定した、多くの便利な機能が標準で備わったエンタープライズCMS「Adobe Experience Manager(以下、AEM)」を全てのグループ会社で使用することをお客さまと決めました。

さらにプロジェクト全体の進行は、設計・構築・改善・リリースという4つのプロセスをウォーターホール開発に則りフェーズに分け、改善のプロセスに限っては、AEMの特長を活かしたアジャイル開発を組み合わせ、ハイブリッドな開発を提案しました。

フェーズ① 移行についての整理(2ヶ月)

移行すべきページ(群)をAEM上に再現するために必要な意思決定をプロジェクトで行います。

意思決定事項

  • グローバルサイト群マップ/ハイレベルサイトマップ
  • 主要ページのワイヤーフレーム/デザイン方針
  • 製品情報についての実装方針

フェーズ② AEM上への再現(3ヶ月)

  1. MVP(Minimum Viable Product)実装
    • 意思決定事項に基づき、AEM上へ実用最小限の製品(MVP)として実装します。
  2. 外部サービスとの連携
    • アクセス解析やクッキー同意バナーなど、既存サイトから引き継ぐサービスとの連携を行います。

フェーズ③ 要求に合わせた改善(3ヶ月)

お客さまとビジネス・アーキテクツでアジャイル開発を行い、新たな要望を満たすために必要な開発を行います。

フェーズ④ お客さま脆弱性診断と修正、リリース(2ヶ月)

リリースに向け、サイトを構成するOSやミドルウェア、Webアプリケーションなどの問題点を診断し修正します。

プロジェクト期間

10ヶ月

設計・構築・改善・リリースの4つのプロセス

成果

この事例では、ハイブリッド開発で進めてきましたが、プロジェクトにおける最大のリスクは、「納期遅延によるお客さまのビジネスへの影響」であると考えています。

また、与件・要件を定めるには、調査など膨大な時間を要するため、ウォーターフォール開発における要件定義期間が長くかかることが想定できます。さらに要件定義でお客さまが行う意思決定は、サイトが複雑になったことで難易度も上がってきています。

上記フェーズにおける遅延を設計開発フェーズで覆すことは、納期やコストにも大きな影響を及ぼします。

ウォーターフォール開発で構築を行うということは

  • 「思っていたものと違うが、要件定義通りだとそうなるらしい」
  • 「要件定義から変わったため、仕様変更した結果リリースが遅れた」

という結果になることが多くあります。

代わりに、全てをアジャイル開発で進めれば解決するというわけではなく、お客さまの時間を抑えることの難しさや全体が見通しにくいことからも、やはり開発は遅れがちとなってしまいます。

AEMがアジャイル開発に向いているという利点を生かし、まずは確実にリリースすることにプライオリティを置き、動くものを先にAEMで実装します。

さらにリリースまでは、お客さまと何度も運用と改善を繰り返し行うことで、最終的にリリースまで辿り着けます。

このようにハイブリッドで開発することで、公正なプロセスと関係を築くことができると考えます。

最後にプロジェクト開始時にお客さまと交わしたアジャイルマニュフェストを紹介します。

  • プロセスやツールよりも人と人との交流を
  • 包括的なドキュメントよりも動作するソフトウェアを
  • 契約上の交渉よりも、顧客との協調を
  • 計画に従うよりも、変化に適応することを

プロジェクトメンバー

  • アカウントマネージャー
  • プロジェクトマネージャー
  • インフォメーションアーキテクト
  • UXディレクター
  • テクニカルディレクター
  • UIデザイナー
  • AEMエンジニア
  • フロントエンドエンジニア
  • アクセシビリティスペシャリスト
  • TMSベンダー

プロジェクトの体制図

サービス提供会社

株式会社ビジネス・アーキテクツ
会社名
株式会社 ビジネス・アーキテクツ
事業内容

Webサービスの企画・設計・デザイン・開発・運営にかかる総合サービスの提供

企業URL
https://www.b-architects.com/