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デザイナーにどう伝える?デザインを成功に導くためのコミュニケーションのコツ!

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プロフィールアイコン(写真):ディレクター 小山
小山ディレクター(ビジネス・アーキテクツ)

2012年にWEBコンテンツ制作会社に入社。以後ディレクターひとすじで新規制作案件をメインに運用・解析まで幅広く担当。2022年よりビジネス・アーキテクツに入社し、初めての金融系案件に奮闘中。

こんにちは。BAsixs参画企業である、ビジネス・アーキテクツ(以下、BA)の小山です。

私はこれまで約10年間制作会社のWebディレクターとして、主にお客さまとチームメンバーを繋ぐポジションを担ってきました。

実は数年間、事業会社のディレクターとして発注者側に立ち、WebサイトやLPの新規制作・更新などを外部のデザイナーに委託していたことがあります。
その時、一緒に働いていたメンバーはWebサイト制作に携わった経験がほとんどなかったのですが、上がってきた成果物に対して

「こちらが思い描いているような成果物が上がってこない・・・」
「なんとなくイメージと違うが、どうやって直して貰えばいいかわからない・・・」
「デザイナーとどうコミュニケーションを取ればよいのか・・・」

など、意図が伝わらないもどかしさやコミュニケーションの難しさなどを感じているようでした。

デザイナーとのコミュニケーションがうまくいかないと、質の高いアウトプットは難しくなりますし、プロジェクトの進行もスムーズにいかなくなってしまいます。
逆に、コミュニケーションを通じて目的や要求を明確にし、フィードバックや修正指示を適切に行うことで、デザインの品質や効果を向上させることができます。

そこで今回は発注者の目線も踏まえ、デザイナーとスムーズなコミュニケーションを行うコツをご紹介していきます。

デザイナーにどう伝える?デザインを成功に導くためのコミュニケーションのコツ!

デザイン制作の流れ

Webサイトのデザイン制作を委託する際の流れはさまざまですが、大きな流れを記すと以下のようになります。 デザインに関するコミュニケーションにおいて重要なのはどこでしょうか?

1. サイトの目的・要件の明確化

制作するWebサイトの目的(情報提供・商品販売・会社のブランディングなど)と目的に即した具体的な要件、達成したい指標を明確にします。

2. デザイナーの選定と見積・契約

1で策定したサイトの内容について、作業範囲・納期・費用を洗い出した上でデザイナーにブリーフィングを行い、見積りを取ります。

3. 案件についての説明・共有

プロジェクトの背景や目的・要件、ターゲットユーザー、競合分析、求めるデザインの方向性などの詳細な情報をデザイナーに共有します。

4. コンセプトデザイン提案

3ですり合わせた情報をもとに、デザイナーがコンセプトデザインを制作し初稿を提案します。この段階で発注者は一度確認しフィードバックを行います。

5. デザインの詳細化・フィードバック対応

初稿への戻しを踏まえつつ、デザインを詳細化していきます。複数回レビューと修正を繰り返し、最終デザインを固めます。

6. 納品

決定したデザインを指定した形で受け取り、デザインフェーズが完了します。

さて、あなたはどこが重要なポイントだと感じましたか?
私が考える重要なポイントは大きく分けると2点あり、上記フローでいうところの「1と2」、「3と4」です。

ではなぜこの2点が重要になるのか、掘り下げて見ていきましょう。

デザインフェーズにおける具体的なコミュニケーション

制作開始前のコミュニケーション

「デザイナーとコミュニケーションを取るタイミングはデザインフェーズに入ってから!」とつい思いがちですが、コミュニケーションはデザイナーに出会う前、プロジェクトが立ち上がった時から始まっています。

というのも、デザイナーは発注者の会社や業務には詳しくないかもしれませんし、今回の制作物がどういう目的で、誰に届けるために計画されているかも知りません。

そこで、デザイナーにもしっかりと理解してもらうため、よく練った『サイトの目的・要件の明確化』が必要となります。

以下のような項目について検討をしましょう。

  • 制作するWebサイトの目的・制作背景、実現したいこと
  • サイトを制作することで解決したい課題
  • 会社や業務におけるビジネス目標と、目標達成のためのデザインの連携
  • 完成イメージの共有(参考例やイメージ図を複数集められるとよい)

上記項目に付随して、具体的な納期や関係者のアサイン、デザインに配分できる予算などを考えておくと、『デザイナーの選定と見積り・契約』にスムーズに移行できます。

制作開始後のコミュニケーション

依頼するデザイナーが確定したらいよいよ本格的なコミュニケーションの開始です。
『案件の共有・ブリーフィング』をプロジェクト開始時に行い、発注者とデザイナーの認識のズレをこの時点でできるだけなくしていきましょう。

ズレをなくすためには、以下のようなコミュニケーションが有効です。

  • 目的や要件は詳細に伝えるが、その中で重要なポイントは端的に伝える
  • アウトプットのイメージは言葉だけでなく参考例やイメージ図を用いて認識を合わせる
  • デザインの納期については希望をまず伝え、その後現実的なラインをデザイナーと擦り合わせる

認識合わせが終わったらいよいよデザインスタートです。
案件共有時にうまくコミュニケーションが取れていれば、想像しているものに近いデザインが上がってくると思いがちですが、形になったものを見て初めて気づくこともあります。

デザインの初稿が上がってきた際のコミュニケーションと確認ポイントはこちらです。

デザイン開始時に共有した目的や要件などに沿っているか
こちらは言うまでもないですが、このポイントがずれていると全体がずれてしまいます。

発注者目線のみでなく、設定したターゲットの視点で見る
最終的に届けたいターゲットがこのデザインを見た時にどのように感じるかという視点を持ちましょう。
発注者の目線では気づかなかったことに気付けるかもしれません。

デザインを感覚で判断しない
案件共有を経て、デザイナーも解釈を持ってデザインを作っています。
アウトプットされたデザインの目的や要件など、「なぜこうしたのか」「どういう意図で作ったデザインなのか」といった説明をうけ、デザイナー側の意図を正しく理解しましょう。

デザインを依頼することが初めての場合など、発注者側はついついデザインを感覚で判断してしまいがちです。ですがデザイナーの意図を正しく理解すれば、デザインの良い点や修正すべき点が見えてきます。

修正指示は明確に言語化する
「ちょっと違う」「もっとかっこよく」などの曖昧な表現を使うとデザイナーとの認識がさらに乖離してしまう恐れがあります。
「フォントサイズにメリハリをつけて目立たせたい」「要素が並列していて埋もれてしまうので一つだけ違いを見せたい」などのように「こう見せたいからこうしたい」を伝えましょう。
もし言語化するのが難しい場合は参考例やイメージ図を用いて、その図のどこが良いと思っているポイントかを伝えると、デザイナーも意図が汲み取りやすくなります。

4つの確認ポイントからも分かるように、発注者がデザインのプロではないことは、デザイナーも知っています。
デザインの修正指示となるとつい身構えてしまい、難しいのでは・・・と思ってしまうかもしれません。しかしお互いの要望や意見をすり合わせてデザインを作り上げていくとハードルが下がるかもしれません。

以下の事例記事では、クライアント企業さまのプロジェクトチーム内にてPM、デザイナー、QA(Quality Assurance)が多方向からレビューを行っている体制を紹介しています。 {UI/UX向上を目的とした業務プロセス改善事例 H社様 | BAsixs(ベーシックス)}

まとめ

ここまで、Webサイトのデザイン制作についての一連の流れとポイントをご紹介しました。
本記事がデザイナーとのコミュニケーションを考えるにあたってお役に立てば幸いです。

最後に、制作開始前・開始後のデザイナーとのコミュニケーションのコツを改めておさらいしましょう。

<制作開始前のコツ>

  • コミュニケーションはデザイナーと出会う前から始まっているので、入念な下準備が必須
  • 制作するデザインの目的や要件を明確にする
  • 具体的な完成イメージを共有しやすいように複数の事例を集めておく

<制作開始後のコツ>

  • 設定したターゲットの視点をもつ
  • デザインの意図を理解する
  • 修正指示は明確に言語化する

とはいえ、いざ実践に移すのは難しいですよね。

BAでは発注担当の方に寄り添い、目的や意図を汲んだデザイン制作を行っています。
さらに、デザイン後の実装・構築〜サイト公開、その後の運用まで一貫した体制でお受けできます。
Webデザイン制作について不安やお困りごとがある方は、お気軽にご相談ください。