テレワークの普及で在宅勤務の機会が増え、自宅の仕事環境を改善すべく、試行錯誤している方もいるようです。そこで注目したいのが仕事机のレイアウト。もしかしたら、配置を変えるだけで、ぐっと仕事に集中しやすくなるかもしれませんよ。
オーソドックスな"壁付け型"は、長時間の集中には不向き?
自宅における仕事机のレイアウトとして、最もポピュラーなのが“壁付け型”。椅子を机下に収納すれば、部屋を広く使うことができ、省スペース性に優れた配置と言えます。
このレイアウトは目の前が壁なので、余計な情報が入ってきません。「自宅で仕事をしていると、どうしてもテレビや本棚に気を取られがち」という人は、集中力を高められるでしょう。
一方で"目の前が壁"という状態が、圧迫感につながる人もいるようです。また、このレイアウトでは部屋の入り口が背面になりがちのため、家族などの人の出入りに気を取られ、作業が中断されてしまうというケースも。この時、モニターが丸見えになるので、仕事の様子を家族に見せたくない場合には不向きです。
また、省スペース性を重視するなら、デッドスペースになりがちな部屋のコーナーを利用するというレイアウトもあります。ちょっとしたパソコン机を置くだけなら、部屋のレイアウトを変える必要もないでしょう。
なお、写真の配置では部屋の角に向かって座る形になりますが、部屋の角側に椅子を置くのもオススメです。部屋全体を見渡すことになるため、狭い部屋でも解放感を得ることができます。
ここは、社長室? "アイランド型"でゆとりの仕事空間を
"アイランド型"では部屋の中央に向かって座るように、仕事机を配置します。社長室などで良く見るレイアウトですね。部屋全体を見渡せるため、解放感は抜群です。
この時、部屋の入り口が視界に入るように机を配置すると、それが安心感につながって集中力が高まる人が多いようです。入り口からはモニターの背しか見えないのも、メリットといえるでしょう。
ただ、このレイアウトでは入り口からの動線を確保するために、机の横にある程度のスペースを用意することになります。もちろん、椅子を引くための空間も必要。コンセントから電源ケーブルを引くためには、モールの設置も検討することになるでしょう。
このため、少し広い仕事部屋を持っている人向きのレイアウトと言えるかもしれません。社長室でしか見かけないのも納得です。
そこで、完全なアイランド状態にするのではなく、机の横を片側だけ壁に寄せるというレイアウトも考えられます。これなら、入り口からの通路は、机の片側だけに用意すればOK。コンセントのある壁に机を寄せれば、電源ケーブルも引きやすくなります。
机のレイアウトでポイントになるのが"窓"
仕事机のレイアウトでは、"窓の傍"を意識する人も多いようです。
仕事机が窓辺にあると、太陽光が差し込んで手元を自然と照らしてくれます。窓から景色が見えることで、解放感につながる人もいるようです。さらに、その窓が出窓であれば、仕事道具を置くスペースとしても利用できます。
一方で、窓からの景色や、外の雑音が気になって、「仕事に集中できない」という声もありました。春秋は窓を開ければ気持ち良い風を感じられますが、冬は冷気が、夏は暑さが窓越しに伝わってくるため、エアコンの風向的に快適なスポットであることも大切です。遮熱性の高いカーテンを用意するのもアリでしょう。
なお、太陽光を取り入れることは、ビデオ会議の時に顔がキレイに映るというメリットがあります。ただ、アイランド型の場合には、窓を背にすることになるので、むしろ顔が暗く映ってしまいます。さらに、あまり窓が近いと、直射日光にモニターを照らされ、見えづらくなるケースもあるようです。
実際に在宅勤務中にいくつかのレイアウトを試してみましたが、壁や窓の方を向いているのと、部屋の中央を向いているのでは、仕事への集中度に違いが出ました。
ドアを背にしている場合、家族の足音などが聞こえると、どうしても意識が背後に向いてしまいます。一方、アイランド型などでは、生活音が聞こえてくるドア、仕事中のモニターが同時に視界に入っているせいか、意識を向ける方向が分散しづらい印象です。ドアを開ける気配がした時は、振り返らずに様子を確認できるので、仕事を中断しなくて済みます。
そして、目の前が開けているというのは、窓の外が見えている状況以上に解放感があります。実際に比べると、普段は意識していない“壁に向かっているときの圧迫感”を、改めて認識できました。この変化は心理的にかなり大きそうですね。ただ、視界に入る情報量が増えるので、何かに気を取られる機会は増えそうです。
まとめ
このように、仕事机のレイアウトには、それぞれメリットとデメリットがあります。仕事の邪魔になるのは何か、自分の部屋に合っているかを考えながら、最適な配置を考えてみてはいかがでしょうか。