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Webサイトの戦略から実装・運用までワンストップで提供できる秘訣とは?

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この記事を書いた人

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BAsixs編集部

BAsixsは、社会課題の解決と新たな価値創出をBAグループ全体で目指すためのサービスブランドです。

Web上におけるコミュニケーションの戦略策定からWeb設計、デザインのほか、CMS構築やコーディング、稼働後の運用までワンストップで提供する株式会社ビジネス・アーキテクツ(以下、BA)。

製造業や教育機関、金融業などを中心に、大規模サイトのプロジェクトを推進し、数多くの実績を持つBAは、10年以上にわたって運用支援・アウトソーシングを担当している案件もあります。

BAには、デザイナーやエンジニア、プロジェクトマネージャーなど各専門職のプロが多数在籍し、案件を進める際はそれぞれのロールが自発的に協力し合う企業文化が醸成されています。

今回は、大規模サイトのプロジェクト推進やBAの企業文化をつくり上げている秘訣を深掘りすべく、ゼネラルマネージャーの小山とマネージャー兼ディレクターの野島に話を聞きました。

Webサイトの戦略から実装・運用までワンストップで提供できる秘訣とは?

インタビューした人

プロフィールアイコン(イラスト):ディレクター/フロントエンドエンジニア 富本
富本ディレクター/フロントエンドエンジニア(ビジネス・アーキテクツ)

地元・愛知の印刷会社や広告会社にてWeb制作に携わる。2014年頃、フロントエンドエンジニアとしてBAに入社。現在、ディレクターとして開発・運用の進行管理やWebサイトのガイドライン作成やコンポーネントの設計・作成を担当しています。好きなキャラクターはリラックマ。イタリアとスイスに行きたい。

インタビューを受けた人

  • プロフィールアイコン(イラスト):第1事業部 事業部長 小山
    小山第1事業部 事業部長(ビジネス・アーキテクツ)

    BPOの会社でのなんでも屋を経て、2019年からBAへジョインしました。第1事業部で責任者をしております。

  • プロフィールアイコン(写真):第2事業部 マネージャー/ディレクター 野島
    野島第2事業部 マネージャー/ディレクター(ビジネス・アーキテクツ)

    2008年にビジネス・アーキテクツに入社。システムエンジニアとして中規模以上のシステム設計・システム開発を担当。現在はそのバックグラウンドを活用し、サイト構築案件から運用案件まで様々な案件のディレクターを担当。UXとエンジニアリングの観点から顧客の課題解決を行っている。

Webコミュニケーション戦略の設計から実装までを担う

BAの歴史とビジネスの概要、優位性のあるポイント

BAが手がけているビジネスの概要を教えてください。

小山:BAは2024年で設立25年目を迎えた会社です。Webの黎明期からさまざまなプロジェクトに携わっており、カンヌライオンズ(注1)での受賞実績もあるなど、Webクリエイティブの分野で名を馳せてきた会社でもあります。

BAは一般的な分類では「Web制作会社」に入るかもしれませんが、正確には「Web上におけるコミュニケーション戦略をWebサイトというハブを活用して、どのように設計するかを考えられる会社」だと考えています。

単に「Webサイトの構築ができます・デザインができます」というわけではなく、Webコミュニケーション戦略というもっと広い視点で、企画・設計・構築・実装・保守まで包括的にサービスを提供しています。

(注1)世界最大の広告・コミュニケーション関連のフェスティバルである「カンヌライオンズ国際クリエイティビティ・フェスティバル」

BAが強みとするポイントを教えてください。

小山:BAには、Web黎明期から制作に携わってきたなかで培った方法論と経験則があります。そしてそれが現在に至るまで脈々と受け継がれている点が強みです。

戦略設計から開発、運用保守にいたるまでそれぞれの工程では、専門スキルを持った人材が数多く在籍しています。すべての工程をワンストップでお任せいただけるので、全体の進行を踏まえた俯瞰的な視線で制作できます。

例えば、デザインやコーディングといった制作部分とリリース後の運用部分をそれぞれ別会社に発注すると、ページごとのデザインや各機能の意味、そこに至った背景などを完全に関係者で共有することは困難です。BAは一般的な制作会社でもコンサル会社でもないので、「デザインが美しい」「コーディングが速い」など表面的な部分ではなく、お客様にとってもユーザーにとっても本質的に良いものをつくるという視点で制作に臨んでいます。

大規模サイトの要件に応えるプロジェクトマネジメントとエンジニアリング

BAは大規模サイトの構築を得意とされていますが、それを可能にしている要因は何でしょうか。

小山:一つは大規模サイトにおけるプロジェクトマネジメントの実績が豊富にあるからですね。BAのお客様は製造業や金融業などの企業様が多いのですが、これらの業界は大規模サイトが多い傾向があるのです。

大規模サイトの構築をスムーズに進められるかどうかは、プロジェクトマネジメントの腕に大きく左右されます。お客様の社内でも何人ものステークホルダーがかかわるため、意見の衝突やどこかでボールがストップするなどのトラブルも起こりがちです。

大規模サイトならではのノウハウは無数にあり、経験しなければ分からないことも多いです。お客様に恵まれて大規模サイトの構築を多数任せていただけたことは、BAのプロジェクトマネジメント力を強固にした大きな理由になっていると思います。

また近年、グローバルサイトにおいてAEM(Adobe Experience Manager)に関するご相談が増えました。AEMでWebサイトを構築・実装できる制作会社は国内では数少なく、BAではAEMエンジニアの育成にも力を入れています。基本的なスキルはもちろんのこと、新しいスキルや知識も積極的に吸収していけるよう体制を整えています。このようなエンジニアリング力の高さも、大規模サイトの要件に応えられる一つの理由ですね。

AEMについては下記で詳しく説明していますので、ご参考ください。 AEM (Adobe Experience Manager) 導入で解決するグローバルサイトの課題 | BAsixs(ベーシックス)

UI/UXおよびWebアクセシビリティ設計におけるポイント

BAが重要視されているWebアクセシビリティについてお聞かせください。

小山:Webアクセシビリティとは、障害をお持ちの方や高齢者の方など、あらゆる状況・環境におかれた方が問題なくWebサイトを使えるようにするための配慮のことです。

BAにはWebアクセシビリティの審査機関で審査経験があるメンバーもおり、専門的な知見があります。障害者差別解消法の改正によって、2024年4月からはWebアクセシビリティについて一般企業も合理的な配慮をするよう義務化されることもあるため、お客様にはWebアクセシビリティにも配慮したつくりにできるようご提案もしています。

障害者差別解消法の詳しい情報は以下の記事をご覧ください。 障害者差別解消法の改正で企業サイトがやるべきこと | BAsixs(ベーシックス)

UI/UXの観点では、Webアクセシビリティについてどのように配慮していますか?

野島:Webアクセシビリティという言葉には、障害者の方や高齢者の方も使いやすいようにするだけではなく、どんなデバイスからでも快適に使える配慮をする、という意味も含まれています。UI/UXの観点では、閲覧環境がPCなのかモバイルなのかで設計を変えますが、そこからより踏み込んで、あらゆるエンドユーザーに配慮した設計にすることが「Webアクセシビリティを重視する」ということです。

写真:野島が会話するシーン

幅広いシーンで活躍できるマルチスキルを持った人材の創出

BAではマルチスキルを持った人材創出に注力されています。どのような点を意識して取り組まれていますか?

野島:BAでは基本的に新卒採用をしておらず、ある程度スキルや経験を持っている人材を採用しています。そして採用後は、元々持っているスキルを活かすだけではなく、別領域のスキル向上も目標にしてもらっています。

さまざまな領域にチャレンジし、スキルを高められる環境を整えることで、マルチスキルを持った人材が育つようにしています。

小山:プロジェクト運営のなかでマルチスキルは非常に役に立ちます。ほかのメンバーの業務を理解していると、チーム内のコミュニケーションが円滑になります。また、ディレクターはお客様の窓口ですので、複数の分野にわたって専門知識がなければ、お客様から信頼を得ることはできません。

さまざまな領域で知識を持つメンバーが相互補完してプロジェクトを運営しているのですね。

小山:メンバーはそれぞれに得意な領域があるものの、過度な分業にならないように意識しています。

例えばBAのデザイナーは、デザインだけして後はディレクター任せにすることはなく、デザインの意図などをディレクター的な目線もふまえて説明することもあります。

また、出来たデザインのコーディングをエンジニアに依頼する際も、デザイナーがエンジニア領域のことを理解していれば、共通言語でコミュニケーションが取りやすくなります。結果、認識齟齬の回避や粒度の高い依頼につながります。

野島さんも元々違う業務をされていたと聞いております。

野島:はい。私自身も、実は元々エンジニアとしてシステム設計・開発を担当していました。しかしBAで大規模なプロジェクトに携わるうちに、ほかのロールの業務内容が理解でき、ディレクションに興味が湧きました。そこで、自らディレクター部門に異動願いを出したんです。

一般的にロールを変える手段は転職が多いと思いますが、社内の異動によってロールを変えられるのはBAの良さだと思います。もちろん、異動にあたり十分なスキルが備わっている必要がありますが、チャレンジを後押しする企業文化があります。自身のキャリアのビジョンを持っている人は成長しやすいですし、そうしたマインドの持ち主を会社も歓迎しています。

お客様の課題解決のために上流工程から伴走

継承される大規模サイトへの考え方とプロジェクトの経験則

BAの強みは上流工程から一貫してサポートできる点だと思いますが、それを可能にしている理由を教えてください。

小山:BAに脈々と受け継がれているDNAが理由の一つです。Web制作に対する考え方や向き合い方が継承されており、過去のプロジェクトの情報はドキュメントとしても社内に残っています。特に今の中堅以上のメンバーが継承されているBAの考え方を理解し、経験則とともに後輩に対して指導できていることが大きいと思います。

また、お客様の課題を自分から発見し、改善する行動ができるかどうかも大事です。お客様の「本当の課題を知りたい、解決したい」という想いを持ったメンバーがBAには集まっています。

上流工程からサポートできることは、どういった強みにつながるのでしょうか?

野島:例えば、通常の制作会社の場合、サイトのリニューアルを考えている企業様に対して、RFP(提案依頼書)の提出をお願いしています。ただし、Web制作のプロではない多くのお客様にとって、適切なRFPを作るのは簡単なことではありません。

その点、BAならRFPの作成フェーズも含めてご支援が可能です。具体的には、なぜリニューアルを検討しているのか、現状の課題整理といったところから参加させていただき、お客様と一緒にプロ目線で課題の洗い出しを行なっていきます。これはBAならではの強みだと思います。

社内決裁に向けてWeb担当者と伴走して支援

上流工程では、お客様のWeb担当者に対してどのように働きかけていますか?

野島:お客様が上申するタイミングでのサポートを積極的に行なっています。資料づくりのご支援や、社内の状況や上司のご意向を加味したアプローチを一緒に考え、提案しています。

例えば、複数案を提示することで承認を得られやすくしたり、早い段階でデザイン案を提示したりして、決裁者の方にイメージしてもらいやすいように働きかけています。

Webサイト関係者を巻き込んだ体制づくりや環境構築

Webガバナンスの重要性とポイント

Webガバナンスの重要性とは何でしょうか。

小山:近年では、大企業やグローバル企業のお客様を中心にWebガバナンスを重要視する動きが高まっています。Webガバナンスとは、Webサイトに一定のルールや一貫性を持たせて企業イメージを定着させることです。表層的には、デザインやトンマナの統一が挙げられます。

例えば、日本にあるグローバル企業の本社と海外のグループ会社では、まったく別物に見えるWebサイトがよくあります。トンマナやデザインの雰囲気が異なると、別会社のようなイメージになってしまうんですね。ヘッダーとフッターはそろえる、文章の言い回しや雰囲気はそろえるなど統一性を持たせることで、一貫したブランドイメージをユーザーに与えられます。

写真:小山が会話するシーン

稼働後の運用を見据えた体制作り、お客様関係者への勉強会

Webリニューアル後の運用体制を見据えて、意識している点はありますか?

小山:要件定義の前段階から、稼働後の運用体制をご提案しています。お客様が更新作業のどこまでを内製化し、どこまでを外注化するのか、要件によってサイト設計を変更する必要があるからです。

お客様の運用体制に基づいてBA側の体制を構築しますが、新規構築時と運用時ではデザイナーやエンジニアに求められる領域が少し異なりますので、その点は意識して我々もメンバーをアサインしています。

お客様向けの勉強会をしていると聞きました。これはどのような内容なのでしょうか?

野島:例えば、お客様の運用チーム向けにCMSの操作方法をレクチャーします。BAが作成したマニュアルに基づき、お客様に実際に操作していただきます。また、Googleアナリティクスの見方なども説明しています。

そのほか、最近ではアクセシビリティをテーマにした勉強会のご依頼をいただき、弊社の知見をご提供する機会も増えています。

大規模サイトにも対応できる運用フェーズでの支援体制

コンテンツの更新管理とシステム保守を受託

運用フェーズにおいては、具体的にどのような体制で支援をされていますか?

野島: Webサイトの更新管理からシステム保守の領域まで行なっています。BAにはサーバーサイドエンジニアもいますので、システム保守を含めたアウトソーシングにも対応可能です。

具体例を出すと、お客様側は責任者1名と作業担当者2名の計3名。BA側はアカウントマネージャー1名、プロジェクトマネージャー1名、ディレクター2名、デザイナー1名、エンジニア3名の計8名といった構成などです。

運用にあたってはプロジェクト管理ツールのBacklogを使用し、お客様とタスクを共有しています。また、週次で定例会を実施して状況確認や議論の必要なタスクのすり合わせなどを行なっています。

大規模サイト運用では定例会でのコミュニケーションが重要

コンテンツの更新やシステム保守で意識していることはありますか?

野島:基本的なことですが、ドキュメントと手順書は必ず作成するようにしています。大規模サイトは長く運営するものですから、引き継ぎが必要な局面が起こりうることを十分想定しなければいけません。そのため、担当者が変わってもいままでと変わらない品質をご提供できるよう、そこは徹底していますね。また、定期的に発生する作業は過去の内容を参照することで効率化できるので、マニュアルの整備も意識しています。

小山:インフラ、バックエンドは特に属人化しやすい領域で、トラブルが発生した際に特定の人間しか対応できないとなると、深刻な事態に発展する可能性もあります。システム保守をお任せいただく以上、そのような事態を発生させないように注意しています。

また、お客様との積極的なコミュニケーションを職種問わず重視しています。例えば、デザイナーのなかには、デザインとは直接関係のない領域に無関心になってしまう人もいます。BAではそうならないように、お客様との定例会にもデザイナーが参加してコミュニケーションの機会を増やしています。定例会が頻繁にあり、必要なメンバーが積極的に参加できているプロジェクトは円滑に回ります。

Webサイトリニューアルご担当者へのアドバイス

リニューアルの目的を明確化し、真の課題を共有する

リニューアルを外部に依頼する際に意識すると良いことはありますか?

野島:まずは、リニューアルの目的がぶれないように、最初に目的を明確にすることが大切ですね。必ずWebサイトを運営するうえでのミッションがあるはずなので、社内でご検討のうえで制作会社にご相談いただくとスムーズかと思います。

また、早い段階での要件整理も重要です。場当たり的に進めてしまうと、手戻りが発生してしまい、お客様に無駄な費用が発生してしまいます。BAでは手戻りが発生しないようなサポートを心がけています。 グローバルサイトの全面リニューアル事例 デンソー様 | BAsixs(ベーシックス)

優れたWebサイト制作は投資。顧客のビジネスを理解して主体的に運用する制作会社の選定を

最後に、リニューアルの制作会社を選ぶうえで、どのようなポイントに注意すれば成功につながるでしょうか。

野島:ご依頼元となるお客様のビジネスを理解したうえで、主体的に運用できる制作会社の選定が重要です。

お客様からは「以前お願いした制作会社は、指示したことしかやってくれなかった」という不満をよく聞きます。依頼されたことをしっかりやるのは当然ですが、作業を進めるなかで気づきがあればお客様にフィードバックし、サイト全体のブラッシュアップにつなげるのがプロの仕事だと考えています。もちろんリソース的にできること・できないことはありますが、自分の仕事以外も俯瞰して見るマインドがあるかどうかが大事です。

小山:少し現実的な話ですが、Webサイト制作費の大部分は人件費です。良いものをつくろうと思えば、優秀な人材のアサインが不可欠です。BAにも、大企業のWebサイトを担当したデザイナーやプロジェクトマネージャーが在籍しています。そういった人材のアサインには、相応のコストがかかる点はご理解いただきたいです。

Web制作は「安かろう悪かろう」なことが多く、安価で質の良い制作会社に出会える確率は正直高くありません。専門家の知見を結集させた優れたWebサイトをつくるには、ある程度の予算が必要であることは現実的にお伝えしたい部分です。

写真:二人が会話するシーン

まとめ:本質を見極めたビジネス展開の中で培われた経験と実績が強みの源泉

BAには、Web黎明期から築いてきた独自の方法論や姿勢が脈々と受け継がれ、それを実現する高いプロジェクトマネジメント力・開発力があります。

長年、本質的な部分を見極めてビジネスを展開してきた経験と実績が、大規模サイトの戦略策定から実装、運用保守に至るまで一貫して支援できる強みの源泉です。

Webサイトのリニューアルをご検討中の企業や、上流工程から一貫したサポートをお求めのWeb担当者は、ぜひ一度BAにご相談ください。