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ジェイアール東日本企画様「キクコト」Webサイトの立ち上げ事例|インバウンドマーケティング施策の現在と未来

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BAsixs編集部

BAsixsは、社会課題の解決と新たな価値創出をBAグループ全体で目指すためのサービスブランドです。

BAsixs参画企業、ビジネス・アーキテクツ(以下、BAと称する)は、2021年、ジェイアール東日本企画様(以下、jekiと称する)のオンライン相談室事業である「キクコト」のWebサイトの立ち上げをお手伝いいたしました。

交通広告の印象が強いjekiでなぜ「キクコト」チームが編成されたのか、チームの強みは何か、どのような顧客の問題解決をすることがミッションなのか、どのような狙いでWebサイトを立ち上げたのか。

「キクコト」チームの現在地と見据えている未来を掘り下げてインタビューさせていただきました。

インバウンドマーケティングを試してみたいと思っている方、オウンドメディアの立ち上げに興味がある方はぜひご覧ください。

ジェイアール東日本企画様「キクコト」Webサイトの立ち上げ事例 インバウンドマーケティング施策の現在と未来

インタビューを受けた人

  • プロフィールアイコン(写真):株式会社ジェイアール東日本企画 脇谷 将史様
    脇谷 将史様相談パートナー(株式会社ジェイアール東日本企画/営業統括局 jekiオンライン営業局 編集部)

    2007年(株)ジェイアール東日本企画入社、営業局に配属。首都圏の商業施設を6年間担当し、年間販促企画の立案や、駅ビルの開業プロモーション業務などを経験する。その後、親会社であるJR東日本の担当局に異動、新幹線の開業告知や観光キャンペーン、新駅の開業など、複合的な広告プロモーションや大型イベントを数多くプロデュース。 2021年、ジェイアール東日本企画オンライン相談室「キクコト」の設立にプロジェクトリーダーとして参加。編集長として、オウンドサイトのコンテンツ制作を統括しながら、専属の相談パートナー業務にも勤しむ。

  • プロフィールアイコン(写真):株式会社ジェイアール東日本企画 鳥飼 悠人様
    鳥飼 悠人様相談パートナー(株式会社ジェイアール東日本企画/営業統括局 jekiオンライン営業局 編集部)

    2014年、(株)ジェイアール東日本企画入社、営業局に配属。人材情報サービス企業や観光施設の営業担当としてキャリアスタート。ブランディング広告キャンペーンやコンテンツを活用した販売促進キャンペーンなどの業務を経験する。その後、首都圏のショッピングセンター担当となり、主に集客施策に従事。 2021年、ジェイアール東日本企画オンライン相談室「キクコト」の立ち上げとともに異動。当サイトのコンセプト策定、コンテンツ制作などにも中心的に関与。ローンチ後は、専属の相談パートナーとして、クライアントの課題解決に絶賛伴走中。

  • プロフィールアイコン(写真):株式会社ジェイアール東日本企画 渡部 ひとみ様
    渡部 ひとみ様相談パートナー(株式会社ジェイアール東日本企画/営業統括局 jekiオンライン営業局 編集部)

    2017年、(株)ジェイアール東日本企画入社、営業局に配属。大手商業施設を担当するAE(アカウントエグゼクティブ)職としてキャリアをスタートさせる。旗艦施設の年間広告宣伝業務の他、キャッシュレス決済サービスのブランディング、OMO(Online Merges with Offline)・DX化の推進を目的としたライブコマースの導入事業などに携わる。広告宣伝物の制作、メディアの戦略設計、大型キャンペーン・イベントの企画運営を始め、DM等のダイレクトマーケティング、SNS・アプリ等のオウンドメディア活用、折り込みチラシや店頭販促ツール制作など、ほぼあらゆる広告施策のプロデュース業務を約3年半の短期間で経験。 2021年に異動し、ジェイアール東日本企画オンライン相談室「キクコト」の立ち上げに参加。専属の相談パートナーとして、クライアントの課題解決に奔走しながら、オウンドサイトの企画運営、コンテンツ制作、ブログ執筆、サイト解析までマルチにこなす若手プレイヤー。

コロナ禍でオンライン営業手法の開発が急務になった

本日はよろしくお願いします。まずはじめに「キクコト」のような、広告課題のオンライン相談サービスを始められた理由を教えてください。

脇谷様:近年のビジネス環境の急激なデジタル化、新型コロナウイルスの感染拡大により、今まで通りのフィジカルなアプローチだけで新規顧客を獲得することは難しくなり、オンラインでの顧客接点を生み出すことの重要性を強く感じたからです。

そこでデジタルを活用したインバウンド型営業スタイルに挑戦するべく、新しいビジネスアプローチに意欲がある新規営業経験者や、交通広告に限らずクロスメディアでの施策立案経験のある者、多くの広告経験を重ねたベテラン、気鋭の若手が集まり、「キクコト」チームが発足しました。

また、デジタル化によりノウハウがインターネット上にあふれる中で、どの情報を信じればいいのか悩んでいる方々が気軽に相談できる仕組みを作ったら、jekiのことを知らない中小・地方企業に興味を持ってもらえるのでは?と仮説を立て、Webサイトを活用してのオンライン営業手法を企画しました。

オンラインであることで距離的なハードルを解消でき、逆にチャンスが生まれる

オンラインの営業手法とは具体的にどのようなコンセプトで、どのような手法をデザインしていったのでしょうか?

脇谷様:「気軽にすぐ相談できるパートナー」をコンセプトに、総合広告会社の知見やグループ会社であるJR東日本の強みを生かし、課題の分析や戦略アドバイス、ソリューションのご紹介までを無料で行っています。

また、オンライン前提の相談サービスとすることで、距離のハードルを飛び越えて、地方に拠点がある全国の企業のサポートがスムーズにできることも我々のサービスの大きなポイントだと感じています。

当社はもともと、地方企業の首都圏でのPR・プロモーションのサポートが得意分野でしたが、これまで、限られたエリアでの取引に留まり、新たなソリューションの提供や提案を受けることが難しかった広告主企業と密にコミュニケーションが取れるようになっていて、この手法のメリットを感じています。

この手法にマッチしたお客様を集客するために、オウンドメディアを活用し、リスティング広告や自然検索を経由する集客方法を取り入れようと思い、Webサイトの企画を進めました。

さまざまな手法をご検討される中で、Webサイトはどのような位置付けにされたのでしょうか?

鳥飼様:アフターコロナの時代になっても、全てがコロナ以前の対面中心の営業に戻るとは思っておらず、「コロナ禍の時代だからオンラインで」というよりも、コロナ収束後も「オンライン営業だから提供できる強み」を生かして、企業のお悩みに、早く正確に、対応していくプラットフォームになる必要があります。

オンラインになり移動時間が減った分、コミュニケーションの密度を高め、提案内容をブラッシュアップしていけますし、距離の壁を解消することで、首都圏の企業だけでなく、地方拠点がある企業との接点を作り課題を解決していきたいと、メンバー全員気合を入れております!

そういったオンラインでの営業手法を確立する上で、Webサイトはユーザーとコミュニケーションする大切な接点であり、自社を見つけてもらうための重要な基地だと思っています。

キクコトの強みは「総合的な施策提案・無料で気軽に相談できること・相談員が現役プレイヤーであること」

ここであらためて、キクコトのサービスの特徴を詳しく教えていただけますか?

渡部様:はい、簡潔にまとめますと、企業の広告やマーケティングの課題をオンライン相談で解決するサービスです。相談から提案までを無料で行っています。

御相談いただいたお客様からは「無料でここまで提案してくれることに驚いた」「早いね」「親身になって提案してくれるね」とよくお声をいただきますね。

これまでに蓄積した総合広告会社としてのノウハウ・知見に加え、JR東日本グループだからこそご提供できるグループシナジーを活かしたソリューションなど、幅広い視点で提案ができるところが強みです。

広告会社のオンライン相談サービスは、同業他社の中では先進的なのでしょうか?

鳥飼様:総合広告会社でのオンライン相談サービスは、企画当時は見たことがなかったですね。なので、今のうちに始めると先進性があるのではないかと思い、オンライン相談サービス「キクコト」を企画しました。

現在、テレビCM・Web広告といった特定の広告手法に限定された無料相談サービスは他社でも見かけるようになりましたが、総合的な施策を提案できるオンライン相談は当社だけなのではないか、と自負しております。

渡部様:総合的に御相談にお答えできることに加えて、「キクコト」サイト専属の相談員をおいていることや、実案件で成果を出している社員自身が相談員を担当していること、また、相談相手を指名できることが当社サービスの特徴といえます。

御相談に対して、高品質の施策提案をするために専属のメンバー体制を組んでいることは、「キクコト」の強みといえますね。

広告・プロモーション・マーケティング施策にまつわるどんなことでもお気軽に御相談いただければ、と思います。

ジェイアール東日本企画 オンライン相談室 キクコト

キクコトの強みは「総合的な施策提案・無料で気軽に相談できること・相談員が現役プレイヤーであること」

さまざまな手法の中で選択したのはコンテンツマーケティング

Webマーケティングの1手法としての「記事によるコンテンツマーケティング」をひとつの打ち手として選択された理由を教えてください。

渡部様:すでに当社のことをご存知の人以外にも、当社が提供できるサービスや広告に関する知識をお届けしたい、と考えたからです。

そこで、「ジェイアール東日本企画」や「jeki」という会社名ではなく、広告主企業が抱えている実際の課題に基づく検索ワードからの流入経路を作りたいと思い、記事によるコンテンツマーケティングを始めました。

例えば、jekiがコンテンツビジネスを行っていることを知らない人でも、「コンテンツタイアップ 事例」と検索すれば、「キクコト」サイトがヒットし課題解決方法を知ることができます。

このように、当社のことをまだ知らない潜在層の方のニーズを掘り起こし、集客のパイを広げることを目的に、コンテンツマーケティングを行っています。

現在jeki様がコンテンツマーケティングに取り組んでいる中で「良いな」と思っている部分、「ここは課題だな」と思っている部分があったら、教えてください。

脇谷様:コンテンツは「財産になる」点が良いなと思っています。

現在、有難いことに非常に多くのお客様からオンライン相談のご要望をいただいているため、記事コンテンツの更新を3ヶ月ほど止めてしまっているのですが、その場合でも新しいユーザーを集客し続けられる点は、広告との大きな違いだと実感しました。

渡部様:その他の良かった点を挙げると、交通広告以外のニーズを拾えるようになってきたことがありますね。

サイトの立ち上げ以前は、JRのグループ会社であることや、社名にJRと入っていることから、「交通広告を出稿したい」「この悩みって交通広告で解決できる?」などの御相談やお問い合わせが大部分を占めていました。

しかし、「キクコト」の各記事を通して、交通広告だけに留まらないさまざまな広告課題の解決手法を継続的に発信してきたおかげで、交通広告以外の領域でお困りの企業さまとも接点を持てるようになったということが、良かった点だと思っています。

先ほども例に挙げたとおり、タイアッププロモーションやプロダクトプレイスメント(映画・ドラマなどの作品の中で企業の商品やロゴを使うこと)などの活用事例コンテンツを公開することで、ユーザーの細かい検索ニーズに応え、自社を知ってもらう流れを作り、お問い合わせにつなげることができたと思っています。

一方で、コンテンツマーケティングで現在抱えている課題としては「ユーザーが抱えている全ての検索ニーズを記事で網羅することは一苦労である」ということです。

こちらの課題に対しては、これまでに公開したコンテンツの効果測定や分析結果を基に仮説を立て、次のコンテンツ企画を検討する、というPDCAサイクルを回すことでで、顧客の顕在・潜在ニーズに対して穴を作らないように戦略的にコンテンツ運用を推進していきたいと思っています。

サイト制作パートナー選びの基準は「自社でオウンドメディアを運営している」「伴走できるパートナーである」こと

キクコトのWebサイトを立ち上げていく上で、Webサイトの制作会社はどのような基準で選定を始められたのでしょうか?

脇谷様:端的に申しますと、オウンドメディアを自社で運用している会社がいいな、と思っていました。

サイト公開後もパートナーとして一緒にプロジェクトを進めていきたいと考えていたので、納品後も成果に向けて伴走してくれるかどうかが、選定の大きな基準でした。

また最終的には、当社のキクコトメンバーだけでWebサイトの運用ができるようになることが理想だと思っているので、将来的な自走を前提にしながら定期的な改善をいただくことができ、相談しながら運用できるパートナーであることもポイントでした。

渡部様:オウンドメディアの運営にとって検索流入は生命線なので、SEOに精通している会社なのかも見ていました。

また、BAさんのオウンドメディア(当メディア:BAsixs)はリリースから1年強の期間できちんと成果が出ているとうかがっていたので、安心できるパートナーになれると感じていました。

「前のめり」の支援・伴走感を感じるコミュニケーション

Webサイトが完成し、運用が始まる中で、BAの提供するサービス・支援はいかがでしょうか?

鳥飼様:記事の書き方マニュアルやレギュレーションだけでなく、月に2回リライト提案をもらっています。その点で、提案当初に期待していたBAsixsサイト運用の知見を還元してもらっていると感じています。

また、GoogleAnalyticsやダッシュボードの活用法など「自分たちでPDCAを回す」ための数値の見方や解析関係の細かい相談に乗っていただけるのも安心感があります。

渡部様:サイトの解析レポートを定例会議で出していただいているのですが、サイト運用者である自分たちだけでは「効果がある」と都合よく判断してしまいがちなところを、公平な第三者視点で問題提起・改善提案をしていただけることは大きなメリットだと思っています。

さらに、Webサイト制作会社の視点で、動線や行動設計を中心につまずきそうなことや見えない課題を見つけてもらい、先回りした前のめりの改善提案をセットでいただけるところがよいと感じています。

課題をシートにどんどん入れていき、その改善提案をいただく仕組みを作ったのですが、全ての改善提案を実施できないくらいの御提案をいただきました。

「キクコト」Webサイトの今後の展開:サイトの使い心地を改善し、幅広いニーズに応えるためのコンテンツを充実したい

現在の途中経過を踏まえて、「キクコト」Webサイトの今後の展開を教えてください。

脇谷様:サイトの使い心地改善とコンテンツ数拡大に力を入れたいと思います。

まずはお客様の生の声を拾い、お客様がストレスなく目的の行動ができるようにユーザーとサービスの接点(UI)を改善したいと考えています。

自分たちが伝えたい事でも、ユーザーにとって不要な情報は妨害になってしまう場合もあるからです。

ユーザーの手間を減らせないか、目的地までの導線や説明に違和感がないか、サイト全体の最適化を目指します。

さらに狙っていきたいターゲット層を再定義し、ターゲットのニーズや悩みを軸にサイト全体で網羅性を高め、コンテンツ資産を充実させたいという思いがあります。

渡部様:リスティング広告施策やLPもうまく活用しながら、広く細かいニーズに応えられるような仕組みを作りたいです。

さらに、現在提供しているオンライン相談サービスだけでなく、広告主企業さまにとってより価値のあるベネフィットを持つサービスを解析データを基に考案し、特定のニーズに特化したきめ細かなサービスを複数ローンチしていこうと考えています。

鳥飼様:サイト立ち上げ初年度の今年度、一番優先し大切にしていた目標は「インバウンドマーケティングのかたちを実現すること」でした。この目標は達成でき、満足しています。

ただ一方で、キクコトとして「オンライン相談」という強みだけではターゲットには刺さりにくい、ということを実感した1年でした。

われわれのターゲットの企業に御支持いただく存在になるべく、さらなる付加価値をつけられる新サービスを来年度はいくつも作りたいと考えています。

Webサイトにおいても、UXの改善やコンバージョン動線の強化など、訪問していただいた見込み顧客を漏らさない作りにどんどんブラッシュアップさせていきたいと思っています。

サービス内容が顧客に刺さり、御相談をよりたくさんいただけるWebサイトに磨き上げていく中で、BAさんには、今よりもっと踏み込んだ提案や、前のめりの提案を増やしていただき、われわれと伴走いただけると嬉しいです。

本日は、お忙しいところをありがとうございました。われわれもjeki様のビジネスに貢献するべく、一般的な「Webサイト運用」ではなく、ビジネス成果に一緒にコミットできる運用ができるよう、これからも研鑽し精進してまいります。