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AEMエンジニアも採用できる:バングラデシュ人のエンジニア採用

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原口ブリッジエンジニア(ビジネス・アーキテクツ)

米国IT企業のソフトウェア開発部門でプログラム・マネージャーとして長年従事、2023年よりブリッジエンジニアとして入社、BA宮崎オフィス勤務。Adobe Certified Expert - Adobe Experience Manager Sites Business Practitioner 保有

ビジネス・アーキテクツ(以下、BA)はバングラデシュ人のエンジニア採用を行ってきました。現在、BAの宮崎オフィスでは8名のバングラデシュ人が、AEMなど高度なCMS環境を開発し構築するシステムエンジニアとして働いています。このコラムでは、バングラデシュ人のエンジニアを例とする海外IT人材のポテンシャルと日本での活躍について紹介します。

AEMエンジニアも採用できる:バングラデシュ人のエンジニア採用

バングラデシュの紹介

南アジアに位置するバングラデシュは、日本の国土面積の約4割の面積に約1億7千万人が暮らす世界一人口密度が高い国です。しかも年齢中央値が27歳と若く、人と若者が多い活気のある国と言えます。

豊富なIT(情報技術)人材

この豊富な若い人材が国の資産とされており、隣接するインドでのIT技術の人気と発展に伴いバングラデシュの若者にとっても、IT関連の職業が、もっとも人気の高い職業となっています。学生の約3分の1が情報工学を学び、IT関連の大学卒業生数は世界で第9位の4万人を超えます。現在の日本は約3万人ですのでその差に驚きます。バングラデシュの公用語は、この国名の由来ともなっているベンガル語ですが、英語教育は小学1年生から行われ、大学の授業は全教科英語で行われます。そのため学生や大学卒業生は英語も堪能です。このITの知識や技術と英語力からバングラデシュのIT企業やITエンジニアは現在、世界中で活躍しています。

この豊富な人材と層の厚さは、現地での採用活動でも実感することができます。卒業大学名や専攻科目だけでなく、習得している技術やコンピュータ言語など、プロジェクトで必要な即戦力として必要とされるスキルを指定しても、莫大な候補者から絞ることができます。

フレンドリーで親切な国民性

国民性は、日本やアジア諸国と共通するところが多く、その印象はとてもフレンドリーで親切です。とくに協調性に優れ、組織やチームで成果をあげるようなプロジェクトで活躍しています。

穏健派ムスリム国

国民の90%以上がイスラム教徒といわれており、ムスリムの教えにしたがってお酒も飲まず豚肉もたべません。日本での外食時に工夫が必要なことはありますが、生活に支障をきたすほどではありません。バングラデシュ人は穏健なムスリムであり、また優しく親切な国民性から、職場や住居においても隣人に迷惑をかけることはほとんどありません。

親日国

バングラデシュの親日性は高く、国民性も近いせいか、日本に好印象をもっている国民が多いようです。また宮崎県宮崎市のようにバングラデシュと友好関係をもつ地方都市も増えています。日本のアニメは、バングラデシュの若者にも大人気で、日本語や日本の文化は日本のアニメで覚えたというメンバーも多くいます。

海外IT人材のプロジェクトへの参加

それでは、バングラデシュ人エンジニアのような海外IT人材が、日本のプロジェクトでどのように活躍しているのかをご紹介します。

写真:BA宮崎オフィスでの作業の様子

グローバルCMSを使った開発業務

母国語に加え、英語が堪能なため、海外製のCMSの技術にも明るく優秀です。国際化機能や多言語環境への理解もあり、Adobe Experience Manager(AEM) や、WordPress、また新たにPHPベースとなったPowerCMS Xといったグローバルに使われている技術をベースにしたCMSの開発業務で活躍しています。

開発スタイルとコーディングルール

様々なオープンソースコードを読んでコーディングを学べる若い世代なので、開発のための基本的な知識とスキルはもっています。海外IT人材の場合、そのほとんどが言葉やメッセージでしっかりと意思疎通をはかる文化で育っています。ルールやガイドラインを指示する時にも、私はできるだけ明確に、また具体的なメッセージにするように心がけています。

日本語、ビジネス理解の習熟とともに

BAは、現地在住のまま内定を出し、日本において約3ヶ月にわたる大学での日本語研修と職場でのインターンシップを行いました。研修を終えると、バングラデシュのエンジニア達は、日本語で基礎的なコミュニケーションをとれるようになります。日本語検定の認定レベルですと4級のレベルですが、ゆっくり話せば日常会話は問題ないほど上達が早いです。約1年ほどで業務上の日本語での会話や報告などが、問題なくできるようになります。

とくに日本語の上達の早いエンジニアは、日本語検定でも上位の3級や2級に合格し、日本語で顧客との会話ができたり、社内での会話でも空気や行間を読むといった日本の慣習や文化にも対応できてきます。このレベルに達すると、日本でシステムエンジニアとしてやっていく上で支障もなく、さらにリーダーとして責任ある役割も期待されるようになります。

日本語も含めた言語習得の上達が早い理由は、バングラデシュ独特の多言語環境と言語理解のポテンシャルにあると思います。ほとんどのエンジニアが、母国語と英語、さらにヨーロッパやアジアのその他言語も習得しており、日本語は第3、第4の言語として習得します。とくに読む力、聞く力に優れている点は、日常的な多言語環境での経験や翻訳スキルにあると思います。

日本でさらに活躍していくために

バングラデシュのエンジニアを例とした海外IT人材の強みは、まず専門知識をベースにした理解力や順応力だと思います。グローバルな専門的知識に優れ、新しい技術の習得も早いです。また英語力を生かした情報検索も得意としています。全員が高い志をもって日本で就業していますので、勉強熱心なエンジニアが多く、英語で受験できる難易度の高い認定資格の取得者も多数出ています。

Adobe Experience Manager 認定試験の受験体験記 | BAsixs(ベーシックス)

次は協調性です。チーム作業においての役割分担を理解し、チームメンバーと協力的に作業を進めることにおいて優れています。バングラデシュ人は、優しい国民性と従順で低姿勢な性格から消極的な印象をもたれがちです。しかし、内にひめた向上心は高く、常に前向きな姿勢で業務に取り組むので、組織力を重視する日本でのプロジェクトにおいては非常に適した人材と言えます。

短期間で日本語を習得し、適応能力に非常に優れた若い人材は、日本でさらに活躍の場を増やしていくと思います。

海外IT人材を採用できる強み

BAには、このような優秀な高度IT人材を採用できる強みがあります。

バングラデシュ宮崎モデル

宮崎県宮崎市には、産・官・学が連携してバングラデシュのITエンジニアを積極的に採用してきた基盤があります。バングラデシュ宮崎モデルと呼ばれ、BAの宮崎オフィスも含め数多くの優秀なITエンジニアが宮崎で働いています。

B-JET修了生の日本国内就職エリアまとめ

出典 : B-JET修了生の日本国内就職エリアまとめ(2021年3月時点). バングラデシュ進出支援・現地情報サイト. Bangland. (参照 2024-08-27)

優秀な人材が集まれば、同じ文化を共有する生活コミュニティが生まれ、高度な技術コミュニティも育ちます。そして、さらに若く優秀な人材が集まります。

この若いエンジニア達は、日本のIT技術の向上や発展に貢献するだけでなく、将来、日本とバングラデシュの架け橋となるような重要な人材に育っていくと信じています。