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採用サイトで求職者の心をつかむカスタマージャーニーマップの作り方

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昆野アカウント/ディレクター(ビジネス・アーキテクツ)

Web業界歴20年以上、マーケティングをベースとしてWebディレクター、プロデューサーとして数々のプロジェクトを経験。Web業界の酸いも甘いも嚙み分けた結果、人材の案件への適正マッチングこそがプロジェクトの成否を決めるという持論にたどり着く。2020年BA入社。色々な人と会って相談を聞く仕事です。

カスタマージャーニーマップは、一般的に顧客が商品やサービスを認知してから購入に至るまでの一連のプロセスを可視化したものです。

採用サイトにおいても、このカスタマージャーニーマップを利用する企業も増えています。
本コラムでは、採用サイトの体験を向上させ、理想的な応募者を増やすためのカスタマージャーニーマップの作成方法をお教えします。

採用サイトで求職者の心をつかむカスタマージャーニーマップの作り方

大切なのは採用サイトでの体験向上に向けたペルソナ策定

カスタマージャーニーマップを作成する目的は、採用サイトの体験向上です。そのためにまず、詳細なペルソナ策定が必要となります。

  • 採用サイトのターゲットとなる人物像を明確にする
  • その人物がどのような情報を求めているのかを把握する

このペルソナを基に採用プロセス全体の改善をしていきます。

採用サイトにおけるカスタマージャーニーマップを考える

採用サイトの目的は単に情報を提供するだけでなく、ペルソナを策定した応募者をサイトに集約し、エントリーしてもらい、最終的には採用に繋げることです。

そのために、具体的なカスタマージャーニーマップを作成すると、応募者が採用サイトを訪れる際にどのような体験をするのかを詳細に把握することができます。それにより、サイト上のどのタッチポイントで応募者がどのような感情を抱くのかが理解でき、必要な改善点を見つけることが可能になります。

具体的なカスタマージャーニーマップの策定について必要な以下の2点を次の章から説明していきます。

  • フェーズの設定
  • 各フェーズでのタッチポイントの特定、感情の動き

フェーズの設定

採用プロセスのフェーズは、一般的には6つのフェーズに分けられます。

採用プロセスの6つフェーズ設定

情報検索フェーズ
転職サイトの中で目に止まるのか?競合企業との違いは何か?

会社理解フェーズ
会社規模やどんなサービスを行っているのか?どんな特長を持った会社なのか?

ポジション理解フェーズ
募集されている職種に求められていることは何か?代表はどんな話をしているのか?どんな人と働くのか?

応募(エントリー)フェーズ
どこから応募(エントリー)出来るのか?応募するかしないかのポイントはどこか?

面接フェーズ
どんな準備をすれば良いか?どこへ行けばよいのか?

最終決定フェーズ
この企業で決めて良いのか?他の内定企業とは何が違うのか?

上記のように、採用プロセスを段階的に区分し、フェーズごとに応募者がどのような情報を必要とし、どのような行動を取るのかを明確にすることで、各フェーズで必要となるコンテンツやサポート体制を整えることができます。これにより、応募者の納得感を高め、スムーズな転職活動をサポートできます。

各フェーズにおける候補者のタッチポイントと行動、感情の動きの設定

各フェーズでは、応募者がどのタッチポイントでどのような行動を取るか、どんな感情となるのかを具体的に設定します。

情報検索フェーズ

  • タッチポイントと行動:
    • 応募者は転職サイトから会社の公式サイト、口コミサイトなどを訪れる。
  • 感情のうごき:
    • 応募者は期待感と不安を抱くことが多く、エンゲージメントの初期段階では信頼性が非常に重要。

会社理解フェーズ

  • タッチポイントと行動:
    • 会社のビジョンやミッション、カルチャーに関するページを訪れる。
  • 感情のうごき:
    • 会社の考え方、価値観に共感や驚きをあたえることでより期待感を高め、深い理解へと導く。

ポジション理解フェーズ

  • タッチポイントと行動:
    • 職種インタビューや座談会、業務紹介に関するページを訪れる。
  • 感情のうごき:
    • 興味を持った状態、行う仕事で自分の力が発揮出来るのか、就業後のイメージが掴めるのか親近感や挑戦する気持ちへ。

応募(エントリー)フェーズ

  • タッチポイントと行動:
    • エントリーフォームを訪れる。
  • 感情のうごき:
    • 緊張や不安が高まり、このフェーズでは応募完了後の安心感を提供することが求められる。

面接フェーズ

  • タッチポイントと行動:
    • 所在地や採用フローを訪れる。
  • 感情のうごき:
    • 応募フェーズ同様に緊張と不安が高い状態、安心感を提供することが求められる。

最終決定フェーズ

  • タッチポイントと行動:
    • 会社の強みや将来性、インタビュー等気になるポイントのあるページを訪れる。
  • 感情のうごき:
    • 喜び安心し、余裕が生まれ自分の選択が正しいのか確認する段階、期待感を高め内定辞退を避けたい。

このように各フェーズでの具体的な行動パターン、感情の動きを設定することで、採用サイトがどのポイントで最もインパクトを与えるべきかが明確になります。タッチポイント、感情の理解は、サイト改善、コミュニケーション戦略に直結する重要な要素です。

カスタマージャーニーマップを用いた改善

カスタマージャーニーマップを用いることで、採用サイトの具体的な改善点を明確にすることができます。

  • 特定のタッチポイントで応募者が離脱しやすいと分かった場合、そのポイントでの情報提供方法やサイトのナビゲーションを改善することで、離脱率を低減させることができます。
  • 各ページの滞在時間が短い場合、目的のページに辿り着いていないと考えられるため導線を見直すことで滞在時間を改善できます。
  • エントリーページでの離脱が多い場合、フォーム入力の煩雑さ、入力項目仕様を見直すことでエントリー率の改善を行います。

また、各フェーズで応募者の感情を考慮したコミュニケーションを行うことで、応募者の満足度を高めることができます。常にカスタマージャーニーマップを参照しながらサイト改善を進めることが、成功する採用戦略の鍵となります。

まとめ:大切なのは体験向上に向けたペルソナ策定

カスタマージャーニーマップを活用することで、採用サイトの改善に向けた具体的な施策を展開し、求める人物像に合わせた体験を提供することが可能です。各フェーズでのタッチポイントと感情を正確に把握し、応募者が持つニーズや課題を事前に把握することで、より魅力的な採用サイトを構築できます。最終的には、これらの戦略的アプローチを通じて、理想的な応募者の採用を実現することが目指すべきゴールとなります。

カスタマージャーニー、ペルソナの策定後は、デザイン、コンテンツの検討へと移ります。
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