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スペシャルオリンピックス日本 大会ボランティア活動報告2022

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BAsixs編集部

BAsixsは、社会課題の解決と新たな価値創出をBAグループ全体で目指すためのサービスブランドです。

BAsixs参画企業のビジネス・アーキテクツ(以下、BA)は、2018年よりスペシャルオリンピックス日本(以下、SON)の活動に賛同し、パートナーとして主にSON公式Webサイト運用をサポートしております。

昨年、BAsixs編集部の信谷が広島大会ボランティアに参加したことのご紹介と併せて、これまでのBAとSONの取り組みをお伝えします。

スペシャルオリンピックス日本 大会ボランティア活動報告2022

スペシャルオリンピックス(Special Olympics)とは

みなさんはパラリンピックという言葉を聞いたことがありますか?

障がいがある方の国際的なスポーツ大会というと、パラリンピックを思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし実は、障がいのあるアスリートを対象としたオリンピックは3つあります。

  • パラリンピック:肢体不自由、脳性まひ、視覚障がい、知的障がいのある人など
  • デフリンピック:聴覚障がいのある人など
  • スペシャルオリンピックス:知的障がいのある人など

SONのWebサイトには、以下のように説明されています。

スペシャルオリンピックス(英語: Special Olympics、略称:SO)とは、知的障がいのある人たちに様々なスポーツトレーニングとその成果の発表の場である競技会を、年間を通じて提供している国際的なスポーツ組織です。

出典 : スペシャルオリンピックス日本について | 公益財団法人 スペシャルオリンピックス日本.スペシャルオリンピックス日本.(参照 2023-3-10)

では、知的障がいのある人にとって、パラリンピックとスペシャルオリンピックスは何が違うの?と思われた方も多いかもしれません。簡単に説明すると、パラリンピックはオリンピックと同じ競技ルールを基本としており、トップアスリートが高い技術と競技能力を競い合います。

対してスペシャルオリンピックスは競技会で勝つことだけではなく、アスリートが大会に向けて日常的にトレーニングすることや、競技会へ参加することにも意味があるという考え(競技精神)のもと運営されています。

トップアスリートに限らず、あらゆるレベルのアスリートが自分らしく競技できるように、国際ルールを基にスペシャルオリンピックス独自の競技ルールもあります。

例えば、同程度の競技能力を有したアスリート同士(3~8人)が競技を行えるようにグループ分けをする「ディビジョニング」や、知的障がいのある人とない人が一緒にチームとなって競技を行う「ユニファイドスポーツ®」などがあります。

また競技に参加したことを称えるために、表彰台は8位まであります。1位から3位の人にはメダルを、4位から8位の人と失格になった人は参加賞のリボンをというように、参加したアスリート全員が表彰台に上がるのです。

参考

BAとSONの関わり

スペシャルオリンピックスにおける国内の活動を推進する組織がスペシャルオリンピックス日本(SON)です。当社はSONのパートナーとして、2018年から主にWebサイトの運用保守をサポートしています。

もともとWebサイトの構造上、コンテンツを更新する際にはHTMLを編集する必要があったため、当社がコンテンツを更新していました。また、イベント開催時には取材記事の制作を行ったこともありました

ここ数年は更新頻度が増え、コンテンツ更新の自由度をあげるために、2022年の夏にWebサイトをリニューアルしました。リニューアル後はWebサイトのほぼ全てのページにおいて、SON側で更新可能になりました。

他にも、SON側でバナー制作できるようにしたいとご依頼を受け、フォーマット制作や運用フローを作成しました。

また「2020年第7回スペシャルオリンピックス日本冬季ナショナルゲーム・北海道」(ナショナルゲームは全国大会のこと)の準備期間には、応援キーホルダーを作って選手団に贈るなど、SONのWebサイト運営チームだけでなく、他の当社社員もSONとの繋がりを広げています。

ちなみにサイトリニューアル時には、SON側でのWebサイト編集の自由度をあげたいというご要望に合わせて、次の記事で紹介している当社サービスを活用しました。

BAが設計するWordPressテンプレート ーコーポレートサイト編ー | BAsixs(ベーシックス)

ボランティアにいってきました

SONパートナーの一員として、2022年11月に広島で開催された「2022年第8回スペシャルオリンピックス日本夏季ナショナルゲーム・広島」のボランティアに参加しました。

私は選手団(アスリートやコーチ、ユニファイドパートナー、競技役員ら)が宿泊する施設で、宿泊ボランティアを担当しました。試合のプレッシャーや慣れない環境で戸惑うアスリートもいるため、アスリートのサポートが主な業務です。私が担当していた宿泊施設には、サッカーとボウリングの合計100人近くの選手団と、宿泊ボランティア、看護師ボランティアが泊っていました。

SONより事前にスペシャルオリンピックスの説明資料とPCRキット、直近2週間分の体温記録表を送っていただき、3日間活動しました。

2022年第8回スペシャルオリンピックス日本夏季ナショナルゲーム・広島の会場

これまでスペシャルオリンピックスの活動内容に詳しくなかったため、驚いたことはたくさんありました。特に印象的だったことを4つ紹介します。

1. 競技会場に合わせて、大会毎にルールを微調整する

大会前には各競技の役員が競技会場の設備を視察して、ルールを微調整しているそうです。開会式の後に会場を視察し、競技役員と各地区組織のコーチが細かいルールの確認ミーティングを行っていました。

2. チームでプレーをする競技でも個人技能競技がある

スペシャルオリンピックスには、サッカーやバスケットボールのような通常はチームでプレーする団体競技でも、個人技能競技という種目があります。簡単にいうと、剣道には団体戦と個人戦の2つの種目があるように、スペシャルオリンピックスの団体にもチーム競技と個人技能競技があります。

例えば、サッカーであれば個人技能競技は「シュートをする」「パスをする」「ドリブルする」のような、競技を構成する技能要素に分解した3つの種目があり、その3つの合計スコアを計算します。

個人技能競技は、アスリートたちそれぞれの競技能力を知る上でも大切な種目です。

3. 知的障がいのある人とない人が一緒に競技を行う「ユニファイドスポーツ®」

「ユニファイドスポーツ®」という種目は、知的障がいのある人(アスリート)と知的障がいのない人(パートナー)がチームメイトとなり、一緒にスポーツをする、スペシャルオリンピックス独自の取り組みです。

例えばサッカーやバスケットボール、卓球ダブルスのような団体競技には、「ユニファイド」という種目があります。

私はバスケットボールのユニファイド種目を観戦しました。競技能力が同じくらいのアスリートとユニファイドパートナーがチームになっているので、知的障がいの有無は関係なく、チーム全員でゴールを目指し、ゴールを外しても前向きな姿勢が素敵だなと感じました。

また、試合後のアスリートの方々は勝敗に拘らず、今の自分たちのベストを尽くせたことに満足した笑顔で溢れていました。試合を観戦することで、下記の「スペシャルオリンピックスの競技会精神」の意味はこういうことだったのか、と理解できましたね。

スペシャルオリンピックスで大切なものは、最も強い体や目を見張らせるような記録ではない。
それは各個人のあらゆるハンディに負けない精神である。
この精神なくしては勝利のメダルは意味を失う。
しかしその気持ちがあれば決して敗北はない。
創設者 ユニス・ケネディ・シュライバー
(スペシャルオリンピックス日本 訳)

出典 : スペシャルオリンピックス参考資料.スペシャルオリンピックス日本.(参照 2023-3-10)

4. 臨機応変な対応を求められる

時には進行スケジュール通りに行事が進まないこともあります。ボランティアには、スケジュールを遵守することだけではなく、アスリートの状況、環境を理解した上でできる限り臨機応変な対応ができるかを求められるのではないかと思います。

参考

2022年第8回スペシャルオリンピックス日本夏季ナショナルゲーム・広島の会場の入口

まずは知る姿勢が大切

大会・ボランティアを通して、1番感じたことは「私の思っている当たり前は、隣の人にとっては当たり前ではないのかもしれない」ということです。

スペシャルオリンピックスの活動を通して、自分の目標に向かって練習することや、大会の会場などに行き、仲間と過ごすことにも意味があるんだと気付きました。

私は東京都に住んでいるのでSON・東京のプログラム紹介ページを見てみると、スポーツプログラムだけでなく、合唱や絵画、木彫りなどの文化プログラムもあるようです。地域の子供たちと遊ぶボランティアをしている友人を誘って、近くの会場に顔を出してみようと思います。

スペシャルオリンピックスの取り組みをもっと知りたい方、アスリートを応援したい方、ボランティアに興味がある方は、公式サイトに詳しく説明がありますのでご覧ください!

https://www.son.or.jp/