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今後求められるWebデザイナー人材とは?必要なスキル・経験を解説

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(ビジネス・アーキテクツ)
クリエイティブUNIT(ビジネス・アーキテクツ)

大手を中心とした企業のWebサイトのデザインのためのリサーチ、コンセプト立案、デザインシステム開発、各種ページやコンポーネント、グラフィック制作などを主に担い、自社のブランディング施策にも取り組んでいるUNIT。

デザイナーの市場価値や需要などの視点から、これからのデザイナーがどうあるべきなのかをBAsixs参画企業、ビジネスアーキテクツ(以下、BAと称する)のクリエイティブUNITマネージャーの森さん、シニアデザイナーの秋山さんが解説。必要なスキルや経験など、一線で活躍するデザイナーとはどのような姿なのかをお伝えします。

インタビューを受けた人

  • プロフィールアイコン(写真):ゼネラルマネージャー/CDO(Chief Design Officer)/人間中心設計スペシャリスト 森 太輔
    森 太輔ゼネラルマネージャー/CDO(Chief Design Officer)/人間中心設計スペシャリスト(ビジネス・アーキテクツ)

    2008年、企業の情報コミュニケーション戦略を実現するプロジェクトを中心に、アートディレクター及びリードデザイナーとしてビジネス・アーキテクツに入社。特に日本の製造業のグローバル展開プロジェクトに長年関わっている。現在はデザイン部門の責任者も務める。

  • プロフィールアイコン(写真):シニアデザイナー 秋山
    秋山 朋三シニアデザイナー(ビジネス・アーキテクツ)

    2002年よりビジネス・アーキテクツに参加。シニアデザイナー。大規模なグローバルサイトやコーポレートサイトの構築および、ガバナンス強化・運用効率化のためのガイドライン作成とその後の運用まで、UIデザイナー/アートディレクターとして幅広く参画。品質を保ちながら効率的な開発および運用を可能にするコンポーネントベースのデザインメソッドを早期より実用化。利便性重視のポータルサイト、閲覧性重視のニュースサイト、コンバージョン重視のECサイト・マーケティングサイト等、目的や特性に応じた柔軟なデザイン設計に長ける。最適なユーザー体験の定義、実現のための施策の立案・実施、プロトタイピングによるテスト〜改善まで、UX観点を持って包括的に携わる。自社CIの開発・浸透施策など、ブランディング施策も手がけている。

デザイナーの仕事領域は、もはやビジュアルデザインだけではない

:デザイナー歴16年ですが、デザイナーに期待される貢献領域の広がりに合わせて、市場に求められるデザイナー像も変わってきていると思います。かつては、情報構造に洗練されたビジュアルを充てることが重視されていましたが、昨今ではUI/UXを踏まえたデザインが求められています。最適な体験のための情報設計から実装まで、デザイナーは幅広い範囲の理解と実践まで担う役割に変化しています。一方で、プロジェクトの体制としては、予算規模の大きな案件では分業制が進んできている印象があります。

秋山: Web制作のあり方そのものも、時代とともに変わってきています。2000年代は企業がブランディングのためのサイト構築を主に行っていた時代で、エモーショナルな表現や構造的な正しさに重きが置かれました。近年はサイトのビジネス機能に注目が集まり、マーケティングの観点を踏まえたデザインが求められています。この変化に伴って、クライアントのビジネスとユーザーの心理や行動を理解した上で、両者をフィットさせるにはどうすればいいかという視点がデザイナーに必要になってきていると感じます。

:アウトプットのスピード感もだいぶ変わりましたよね。完成度を求めるのではなく、スピーディにアウトプットを出して、そこからお客さまやプロジェクトメンバー間で議論を重ね、質を上げていくやり方がBAでも定着しつつあります。

求められるのは、課題解決のためのベーススキルと変化への柔軟な対応力

future designers in demand mori san

:デザイナーになるために最低限必要なスキルはあります。たとえば、Adobe XDやFigma、Googleドキュメント・スプレッドシート・スライドなどの共同編集ツールを使いこなせること。さらに、Gitを使ったデータ管理や実装したもののソースを編集しながら検証するスキルも必要です。

秋山:業務管理に関するツールも、一通り使えるようになっておいてほしいですね。

:そうですね。リモートワークも普及し、今後はクラウド型の共同編集ツールの重要性も高まると思います。ただ、必要なツールを使いこなすスキルは場数を踏めば自然と身についていくのではないでしょうか。それよりも大事なのは、ベーススキル。与件を正確に把握し、解決方法を自ら考え、クライアントに論理的に説明し、最終決断を下す力。そのために適切な表現を検証し、これまでにない物事をつくりだすこと。自己完結せず、プロジェクトメンバーへ自分の考えを伝える力や、外注先のコーディネート力など、こうしたものをベースとして持っていることがデザイナーの大事な資質だと考えます。

秋山:同感です。社会に対して関心をもつ必要がありますよね。ビジネスの理解、ユーザーの理解、工程全体の理解……。作って終わりという仕事ではないので、制作の前後まで中長期的に見据えられる視点をもつこと。一人でいろいろできるフルスタックな人材も貴重ですが、他のメンバーと一緒に良いものを作り上げていける人材のニーズがかなり高いです。加えて、トレンドも技術も移り変わりが激しい業界なので、変化への適応力がある人はより強いです。「ツールが変わったらできない」「使ったことがないから無理」というのでは生き残っていけません。新しいものが出てきたらすぐに取り込める人は強いと思いますね。

フィードバックを受けつつアウトプットし続けるのが一番の近道

:僕はクリエイター養成スクールでデザイナーの基礎スキルを身につけました。そういう環境でアカデミックに学ぶのはもちろん重要ですが、やはり大事なのは実践だと思います。「アウトプットが第一で、できない部分を埋めるのがインプットだ」と、メンバーにはよく言っています。

秋山:これを逆に考えている人が多いですよね。

:本を読んだりセミナーに行ったりするのは良いことだと思いますが、そのインプットしたことを発揮する機会をもつことが大事です。何のフィードバックも得られないままでは、自分の実力がいつまでもわかりません。まずは、どんな形でもいいからアウトプットすることを促しています。実務でしか学べないことがたくさんあるので、アウトプットし続けることがデザイナーとして一人前になる最大の近道。悩むことに時間をかけるくらいなら、先輩に見てもらってフィードバックをもらうほうが得策です。人から評価を受けることを怖がる人もいますが、「デザイナーたるもの、心臓に毛が生えているくらいでないと」と当時は先輩に言われたものです(笑)。

秋山:良いアウトプットを増やすためにも、世の中で良いと評価されているものにたくさん触れてほしいですね。何が良いものなのか知らないと独りよがりのデザインになってしまいますから。あとは、周りの人や仕事をよく見て、良いと思うことをどんどん真似してみること。受け身ではなく、自分から積極的に動ける人は成長できると思います。

:プラスして勉強するなら、人間中心設計(HCD)の専門家認定やユニバーサルデザイン(UD)検定、マーケティングに関する資格など、デザインに付随する知識や資格を持っているといいかもしれません。

秋山:知識や資格を取得した上でどういうコミュニケーションを取るか、ですよね。ビジネスに関係する資格を取ればお客さまに対する理解が深まるし、解析系の資格を取ればより良いご提案につなげられると思います。

BAでは人や物事を自律的にリードできることが一人前のデザイナーの証

future designers in demand akiyama san

:クリエイティブUNITは、BAのソリューションにおけるデザインと設計を司るユニットです。今後の展望の1つとして、マルチロールなデザイナーを育てたいと考えています。小規模な案件ではデザイナーが実装までできたほうが効率もスピードも上がりますし、大規模な案件でもプランニングや設計にコミットすることで、お客さまとユーザーのニーズを叶えやすくなると考えているからです。

秋山:キャリアステップとしては、BAにはプレイヤーの等級が6段階あります。ステップ1は、上位者の指示をもとに仕事をこなせて、自ら動いて力を発揮できるレベル。ステップ2は、上位者のサポートのもとにプロジェクトメンバーとしてコミットし、小規模な案件ではリードデザイナーとして機能できるレベル。ステップ3は、プロジェクトのデザイン責任者としてアシスタントデザイナーの品質や進行などを管理しながら、フロントに立って主体的にお客さまとコミュニケーションがとれるプレイヤーです。さらに、後輩の育成を行えるレベルでもあります。いっぱしのデザイナーといえるのはステップ3レベルですね。

:経験年数とステップが必ずしも比例しないのが、難しくもあり、やりがいでもあるところです。

秋山:BAにはクライアントワーク以外にも自分の成長のために使える時間が比較的多くあり、ワークライフバランスも取りやすい環境なので、ぜひステップ3を目指してがんばってほしいですね。

人々の体験やコミュニケーションをデザインできるのがBAデザイナーの魅力

future designers in demand design process

future designers in demand members

:僕がデザイナーとして大事にしていることは「おもてなし精神」です。目の前の困っている人をどう解決に導いていくか、どうしたら笑ってくれるだろう、喜んでくれるだろうか。どんな仕事もこれが基本で、その方法がデザイナーにとってはデザインというだけだと思います。お客さまの期待を超える提案をしたいと、いつも考えています。

秋山:私が大事にしていることは2つあります。 1つ目は「何のために作るのか」という目的意識です。見る人・使う人にどうなってもらうためのものなのか、その意図を忘れないように心がけています。2つ目は、人の心を動かすこと。先日もプレゼンでお客さまに「感動した」と言われて、大きな手応えを感じました。ロジックが通っていても、心が揺り動かされなければ高い満足度は得られません。関わるすべての人の心を動かす貢献をしたいといつも思っています。

:デザイナーは、単純に表層的な“見た目”の美しさを追求する人ではなく「問題を解決する人」。Webやグラフィックはあくまで問題解決の手段にすぎません。特にBAのデザイナーは、さまざな業種のお客さまとお付き合いさせていただいているため、幅広いビジネスに関わることができます。そのため、多岐にわたるソリューションを提供する経験をたくさん積めると思います。

秋山: Webは「見る」ものではなくて「使う」もの。使う人の体験やコミュニケーションを設計するのがデザイナーの仕事です。BAなら、その面白さを実感できるはずです。