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【レポート】withコロナ時代を生き抜くWebフリーランスの仕事獲得術

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人材開発ソリューションUNIT

Web業界に、より専門的なスキルと経験を持つ人材を輩出し、「ヒト」の側面で、企業のWebコミュニケーション業務を二人三脚で支援し、企業とWeb人材の両方の成長を支援する為の人材開発事業に取り組むUNIT。

2020年7月9日、BAsixs参画企業である、ビジネス・アーキテクツ主催のウェビナー「with コロナ時代を生き抜く Webフリーランスの仕事獲得術」が開催されました。

今回のスピーカーは以下のメンバー。ここでは、実際に行われた講演の中でも、特に“withコロナ”に関わる部分についてレポートしたいと思います。

Webフリーランス体験談・仕事獲得術―kabuto 湯浅さんの場合

まずは、湯浅さんから「コロナ時代を生き抜くWebフリーランスの仕事獲得術」というテーマで講演が行われました。

印刷会社、デザイン事務所、Webコンサルティング会社などで、デザイナーやディレクターとして活躍してきた湯浅さん。2012年に独立し、現在は専門学校や新卒研修で講師も手掛けるなど、マルチに活動しています。

withコロナ時代の社会情勢と、それに対するアクションを、湯浅さんは以下のように分析しているそうです。

  • 不安に思っている→何をするべきかを考える
  • 停滞している→今しかできないことを行う
  • 模索している→応えられるようにする

湯浅さん:「時間を大切にするという意味で、趣味やゲーム、ゆっくり休むことももちろん大切です。ただ、この先がどうなるか分からない状況の中で、役立つ勉強をしたり、今までとは違う働き方を模索したり、withコロナと付き合っていくための準備をする。この3つに取り組んでみてはいかがでしょうか」

新型コロナウイルスの影響で、4つの案件を失ったという湯浅さん。ただ、それをマイナスに捉えるのではなく、この先で取り返していくために、既に行動をはじめているそうです。

Webフリーランス体験談・仕事獲得術―strox 山﨑賢悟さんの場合

続いて、strox代表の山﨑賢悟さんが、「コロナ時代を生き抜くWebフリーランスの仕事獲得術」の「デザイナー編」をテーマとした講演を行いました。

【withコロナによる業界の現状】

山﨑さんはWeb制作会社で活躍した後、2011年に独立。フリーランスユニットstroxを設立し、引き続きアートディレクター兼デザイナーとして活動しながら、コロナ渦中での生き方、働き方を模索しています。

「一言でいうと、コロナショックは本当にヤバいです」と話している山﨑さん。そんな、山﨑さんの周辺で、withコロナ以降に起きたことをまとめたのが、以下の内容です。

withコロナになった状況:3.11を超えるクリティカルな打撃、プロジェクトの鈍化・ペンディングの発生、インハウスへの移行に伴う失注、7月に入って好転の兆候、楽観できない状況が続く

独立後まもなく経験した3.11では、輪番停電の中で仕事をしたこともあるという山﨑さん。その時でも市場が縮小している実感はなかったそうですが、今回はクリティカルな打撃があったそうです。

山﨑さん:「想像するに、どの会社も広告に使うお金をかなり慎重に扱っているようです。間に入っている代理店なども、リモートワークを導入するにあたって業務が停滞したり、プロジェクトが鈍化したりしています。制作会社がプロジェクトを中で回すようになり、結果として案件を失注することもありました」

7月に入って、山﨑さんの周りでは事態が好転しそうな兆候が見られているそうです。ただ、現時点で数人~数十人規模のプロダクションは、かなり深刻な打撃を受けているとのこと。このような会社では事業の転換などを、今まさに迫られているそうです。

【withコロナ時代の仕事獲得術】

では、withコロナ時代とどう付き合っていくべきか。山﨑さんが現在取り組んでいるのが、以下の4点です。

1.作る人を作る2.商流を見直す3.個であることを活かす4.チームを作る

インハウス化が進む中で、制作会社では人材不足が深刻となり、デザイナーの教育についての相談も増えているとのこと。また、コロナショックで失注が続いたことから、“売り上げの30%以上を一社に依存するリスク”についても、改めて注目すべきポイントになると山﨑さんは話しています。

山﨑さん:「今回、私は自分が個であることを改めて認識しました。誰も助けてくれないし、守ってくれない。ただ、組織であることの不自由さも感じています。プロジェクトに個人として関わっていくにあたり、BPOなど新しい手段が出てきています。そこを商機ととらえたいですね」

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このコロナ禍の中で山﨑さんがやったことの一つ、それは“良きパートナーを作る”ことでした。基本的にワンストップで案件を受託できる体制を作ること。これにより個人で活動しているときよりもインプットが増え、より多くの学びの機会が作れるようになったそうです。

山﨑さん:「この体制ではタスクを分解し、苦手な仕事を割り振ることができます。デザインに集中する時間を増やすことで、収益を向上させることも可能になるわけです。さらに、チーム全体が持っているクライアントをシェアしながら、営業活動ができるのも大きな強みですね」

Web市場動向と求められる人材―ビジネス・アーキテクツ 中村和正さん

最後にビジネス・アーキテクツの中村和正さんより、withコロナ時代にある商機、市場で求められる人材ついての講演が行われました。

【withコロナ時代にある商機】

緊急事態宣言が解除されてからも、効率の高さからテレワークを継続する企業が増えています。助成金が手厚くなっていることもあり、今後もこの動きが加速する可能性は高いと言えるでしょう。

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このようなデジタル化の動向について、参考資料となりそうなのがITRによる「コロナ禍の企業IT同行に関する影響調査」(2020年4月)です。その中でも、中村さんが注目したのが、以下の3つの項目でした。

  • コーポレートWebサイトの強化・見直し
  • オンラインサービス事業の開始
  • 販売チャンネルのオンライン化(ECサイト新設など)

中村さん:「これまでBtoBでは営業が足で稼いでいましたが、今後は商談をWebで済ませるケースも増えてくるでしょう。このような状況では、コーポレートサイトで集客し、リストを獲得して、それを受注に繋げていく必要があります」

インターフェイスをリニューアルする。CRMツールを導入する。HTMLメルマガの配信量を増やすなど……。非対面ビジネスに向けてのデジタル化が「案件発注のチャンスになる」と、中村さんは話しています。

Web市場の動き

その他、ECサイトの利用者増、リアルイベントのオンライン化、大学オープンキャンパスのWeb移行なども一つの商機となりそうです。今回はじめてECサイトを体験した人、遠方にいるのでイベントやキャンパスに行けなかった人を、新たな顧客として囲い込んでいく。それが、withコロナ時代における、Webサイトの一つの役目といえるでしょう。

【市場で求められる人材】

働き方がフレキシブルになる中で、現場では成果主義の風潮が高まっています。その中で求められる能力として、中村さんが挙げていたのが以下の3つです。

今後求められる能力::自己プレゼン能力(成果や能力をわかりやすく伝える)、コミュニケーション能力(明確な言葉や資料で合意形成を図れる)、自己管理能力(タイムマネジメント・モチベーション管理など)

例えば、最近増えているビデオ会議では、視覚情報が制限されるため、参加者全員に気を配ることが困難です。相手がきちんと理解しているか把握しづらくなるため、明確な言葉や資料が無ければ、意思の伝達に齟齬が生まれてしまうこともあるでしょう。

また、成果主義が求められているといっても、自分の能力をきちんと伝えることができなければ、そもそも案件を受注できません。さらに、案件を受注できたとしても、工数やモチベーションを自己管理できなければ、相手の満足する成果を出すことはできないでしょう。

中村さん:「ただ、フリーランスの方たちは言ってみればこれらのスキルを磨いてきた人なので、それが今求められているというのは、ある意味でチャンスだと思います」

まとめ

「with コロナ時代を生き抜く Webフリーランスの仕事獲得術」、いかがでしょうか。

下記の記事ではウェビナーの内容をグラレポにまとめていますので、併せてご覧ください。

【グラレポ】withコロナ時代を生き抜く Webフリーランスの仕事獲得術 | BAsixs(ベーシックス)

withコロナ時代に自分は必要とされる人材になれているか? 今一度見直してみませんか。