BAsixs参画企業のビジネス・アーキテクツ 信谷です。
昨年から本サイトの運用に関わるようになり、Webサイト運用業務の大変さを日々実感しています。
Webサイト運用に忙殺されている方は誰しも一度は、
- Webサイト運用業務をお任せして、他の業務に集中したい
- 相談相手となるパートナーと一緒に考えながら運用したい
と思ったことがあるのではないでしょうか。
本記事では、弊社内でも経験トップクラスの案件リーダーにインタビューし、なぜ自分達のWebサイト運用がお客様に評価いただいているのかを探りました。
ビジネス・アーキテクツでは様々なサイト構築・運用で培った経験や知見を生かして、最適なWebサイト運用方法をご提案可能です。もしWebサイト運用の課題でお悩みでしたら、お気軽にお問い合わせください。
インタビューを受けた人
- 三好 研第2事業部 事業部長/シニアディレクター(ビジネス・アーキテクツ)
複数の制作会社でデザインから実装、ディレクションまで幅広く担当したのち、2011年からBAに参画。オンサイトでナショナルクライアントのWebマーケティングを長期間に渡り支援している。現在は、第二事業部で12名ほどのオンサイトチームを率いながら、主にアカウントの管理と事業部の運営に注力している。
- 野島第2事業部 マネージャー/ディレクター(ビジネス・アーキテクツ)
2008年にビジネス・アーキテクツに入社。システムエンジニアとして中規模以上のシステム設計・システム開発を担当。現在はそのバックグラウンドを活用し、サイト構築案件から運用案件まで様々な案件のディレクターを担当。UXとエンジニアリングの観点から顧客の課題解決を行っている。
- 立石ディレクター(ビジネス・アーキテクツ)
クリエイティブディレクターとして、ウェブ戦略に基づくビジュアルおよびインターフェースのデザインから、サービス立ち上げのサービス設計/インターフェース構築まで数多くのプロジェクトに関わる。2019年BAに入社し大手ICT企業のオンサイトチームに参加。サイト制作・運用・改善提案・オウンドメディア運用をディレクションを担当。
お客様専属チームの体制と案件規模の変遷について
お取引がスタートしてからこれまでのお客様専属チームの体制や案件規模の変遷をざっくり教えてください。
三好:まず、対象となるお客様はナショナルクライアントで大小さまざまなWebサイトを運用していました。部署ごとに管理しているサイトを複数の外部パートナーに運用を依頼していたため、品質のバラつきやコスト面で課題がありました。
そのため、複数サイトを一元管理できる会社を探されていて、弊社にお声がけ頂きました。
当時ご提案した際には、
- 複数部署のサイトを弊社がまとめてみることで、運用コストの削減・効率化ができること
- 同規模のサイト運用案件にて専属メンバーを常駐していた実績
を評価いただき、現在も引き続きお取引させていただいています。
お取引を始めた当初は3名のお客様専属チームとしてご支援していましたが、今では13名に増えています。案件規模で初年度と昨年度を比較すると、約9倍の数億円規模に成長しています。
このチームメンバー構成は下記となります。
- 弊社社員(9名)
- 案件リーダー(ディレクター):4名
- ディレクター兼アナリスト:1名
- ディレクター:1名
- リードデザイナー:1名
- フロントエンジニア:2名
- 業務委託メンバー(3名)
- デザイナー:1名
- フロントエンジニア:1名
- アナリスト:1名
- 派遣社員(1名)
- フロントエンジニア:1名
ただ専門領域にこだわらず、各自が領域を広げており、フロントエンジニアやリードデザイナーもディレクションに挑戦しています。メンバーの得意領域を活かしつつ役割を増やし、チーム全体のパフォーマンスを最大化したいと考えています。
いくつの案件が常に動いているのでしょうか。また、各メンバーで案件を分担して担当しているのでしょうか?
野島:入れ替わりはありますが、常時10案件、多くて40案件ほど平行して進めています。
リードデザイナーは、全ての案件に関わっています。複雑ではない案件はディレクターから直接、業務委託のデザイナーさんに依頼する場合もありますが、基本的にはデザイン全般をリードデザイナーが見てくれています。
フロントエンジニアは全員が全部の案件を担当するというわけではないのですが、稼働の割合を調整しながら、それぞれのメンバーが複数の案件を担当しています。
外部パートナーの管理はどうやっていますか?
三好:定常的にお願いしている外部パートナーは、業務委託メンバー3名と派遣社員1名の計4名で3ヶ月毎に契約を更新しています。
特にお客様企業の年度末である3月は普段の約1.5倍の作業量が発生します。逆に、第一四半期である4~6月は毎年、作業量が落ち着く場合が多いです。作業量の増減に合わせて、メンバーが稼働可能な時間を調整するために、外部パートナーに協力をしてもらっています。
週次のチーム定例で案件の状況を確認し、増員が必要な場合はチーム内の案件リーダー4名で相談の上、どういう人が必要なのかを話し合って決めています。外部パートナーの管理は、マネージャーの野島さんが担当していて、案件全体の状況や各自の稼働量を把握してくれています。
すぐに外部パートナーが見つからない場合は、私たち社内のデザイナー・エンジニアからも一時的にジョインしてもらうこともあります。
お客様の部署毎に担当の案件リーダーを割り当てているのでしょうか?担当者様からの相談や依頼は誰が受けているのでしょうか?
野島さん:お客様のこの部署は、この案件リーダーが担当する、と部署単位で厳密に決めているわけではありません。
まずは相談や依頼があると、直近で関わっていた案件リーダーへ相談いただく場合が多いです。それらの相談を案件リーダーで持ち寄り、案件の特性や、それぞれの案件リーダーの得意分野、担当案件のバランス、タスクの量を考慮して、適切な案件リーダーに割り振っています。
立石:そうですね。ご相談をいただいてから特色や規模などによって、誰が担当になるか決めています。
例えば、開発が必要なら基本的には野島さんに相談をします。大規模になりそうなものは、一度、三好さんに顔を出してもらったうえで、担当を振りなおします。
三好:案件が走り始めたら、担当領域や作業内容に応じてすべてのメンバーがお客様と直接やりとりするようにしています。
コミュニケーションの効率化が複数部門・案件を担当するために必要
お客様とのコミュニケーションで気をつけること
各部門・案件ごとに担当者様がいるので、コミュニケーション上で気を付けていることは?
三好:要件を確認した上で、担当者様の優先順位を聞くようにしています。例えば、クオリティ重視なのか、とにかくスケジュール必達なのかなど、担当者様によって期待していることが違います。まずは優先事項の擦り合わせから始めています。
また、お客様オフィスに出社していた時は、担当者様とランチに行き、趣味や人柄を知るのも結構大事だと思います。リモートに移行した現在でも、オンライン会議の前後の雑談は大事にしています。
立石さん:デザインルールやレギュレーション等、お客様内でも行き渡っていない情報がある場合、ルールになる情報を事前に共有し、提案できるようにしています。
担当者様によって、ガイドラインやWebサイトの理解がバラバラな理由は、組織変更や異動が頻繁なためですか?
野島:お客様の中ですべての方がWebに詳しいとは限りません。異動で初めてWeb担当になる方もいらっしゃるので、コミュニケーションの中で相手がどのくらい理解されているかを探り、用語の使い方や進め方などを調整しています。
Webにあまり詳しくない担当者様の場合は、ガイドラインの場所などを共有しながら進めています。例えば、Webには詳しくないが、マーケティングや事業部の製品に詳しいなど、担当者様によってさまざまです。
担当者様にはWeb以外のやるべき業務に注力してもらうために、担当者様の役割や抱えている業務などの状況に合わせて臨機応変に対応しています。
お客様企業の組織変更はどのくらいの頻度ですか?
立石:大規模な組織変更は1年に1回程度、部署ごとの細かい変更も数年に1回あります。案件により、ご担当者様が変わる頻度は様々ですが、毎年いくつかの案件で担当者様が変わるので、インパクトは大きいです。
お客様企業の組織変更・担当者様変更があってもスムーズに対応できるための工夫を教えてください。
野島:私たちが担当しているWebサイトは、Wikiやスプレッドシートなどに情報を集約しています。お客様の組織変更があってもWebサイトの構造などを見える化して共有することができています。
私たちとは仕事がしやすいと評価いただいているおかげか、担当者様が部署異動した先でも、相談や発注を頂く場合もあります。ありがたいですね。
三好:案件によっては、お客様よりもこれまでの経緯をよく知っている場合もあります。そのため、新任の方からは、案件のことを私たちに直接聞いてくることも多く、担当者様が変わっても特に問題なく対応できていますね。
私たちは、長年メンバー固定で携わっていますので、それが強みでもありますし、お客様にとってもメリットとして感じてもらえているのではないかと思います。
立石:基本的にレギュレーションやドキュメントはお客様企業が管理しているため、お客様側の共有物としてドキュメント類の場所や経緯を共有しています。
コミュニケーション方法で改善が必要だと思ったことはありましたか。その後気を付けていることや改善したことをおしえてください
野島:メールでコミュニケーションする場合は、関係者のメーリングリストを入れて複数名で確認できるようにしています。
三好:以前は依頼をメールでもらい、都度課題管理ツールに登録していたので、手間がかかっていましたが、現在は、課題管理ツールに直接依頼を登録してもらうようにプロセスを見直しました。その結果、タスクの集約化と一覧性が上がり、お客様にとっても案件進行の効率化が図れ、メリットは大きかったと感じています。
社内メンバー同士のコミュニケーションで工夫していること
スケジュール調整など、工夫していることがあれば教えてください
野島:案件メンバーとの会話でタスクを確認し、他の案件のタスクが重なっている場合は、難易度やボリュームを考慮して各自で優先度をつけたり調整してもらいながら対応してもらっています。
立石:私たち社内メンバー全員での週次定例会議で案件ごとの進捗や課題、メンバー個々のタスクを確認しています。事前に大きなイベントのスケジュールを共有することで、できるだけ無理のないスケジュールを作成するよう心がけています。
社内の案件メンバー間の情報共有で意識していることは何でしょうか?
三好:週次定例会議のタイミングで共有するだけではなく、急ぎの場合は個別にオンライン会議で会話して、認識合わせするようにしています。
野島:重要そうなことはチャットツールですぐにメンバーへ共有する文化がありますよね。
お客様と話して得た情報の中で、チームで共有したほうが良さそうなことは、すぐにチャットツールで共有しています。
ちょうど1年ほど前に新メンバーがチームにジョインしましたが、引き継ぎはスムーズでしたか?
三好:新メンバーがジョインしたタイミングは、すでにリモートでの業務がメインとなっていて対面でのやりとりは殆どありませんでした。ツールや環境が既にリモートワークに合わせて整っていたため、情報共有やコニュニケーションに支障はなく、スムーズに入ることができたと思います。
野島:案件ごとに、事業・案件の特性やルールなどを一か所に集約し、過去の依頼の経緯は課題管理ツールにもある程度の情報があります。ドキュメントは準備したうえで、メンバー間でのコミュニケーションも密に行っています。必要なメンバーを集めて気軽に会議を設定できるので、スムーズにジョインできたと思います。
リモートだからこそ密なコミュニケーションを
今は、基本リモートワークですか?どのくらいの頻度でお客様のオフィスへ出社していますか?
野島:お客様もほぼリモートワークのため、私たちもそれに合わせて基本リモートワークです。貸与いただいているPCの設定や更新などで必要になった場合のみ、お客様のオフィスへ出社します。
対応のスピード感を損なわないための工夫
普段、どのくらいのスピード感で対応していますか?
野島:依頼内容や状況によって、対応を変えています。あらかじめわかっているタスクはスケジュール通りに対応、都度対応するタスクは内容のボリューム次第ですが、早ければ当日対応していますね。
突発的な緊急対応は多いですか?
三好:常駐していた時は、すぐ近くにいることもあり、急ぎの相談が多かったように思います。
野島:お客様のCMS不具合で表示が崩れたなど、時々突発的に発生します。発生した場合は、迅速にチーム内で情報共有し、検証・対応策検討など速やかに対応しています。
残業、休日対応はどのくらいありますか?
野島:休日にイベント情報の更新などが年数回発生しており、お客様の要望で休日対応しています。
繁忙期は案件も多いため、どうしても月40時間以上の残業が発生してしまいます。しかし普段はお客様の営業時間内に終われるようにスケジュールを調整して業務をコントロールしているので、月1〜2時間の残業で済んでいます。
リモート対応でも、お客様との会話量を減らさないように工夫していることはありますか?
立石:必要な際は気軽に電話やオンラインで会話できる関係性があるので、細かなことでもご相談のご連絡をいただいています。
担当者様が相談しやすいように工夫していることはありますか?
三好:相談いただいた際には、最後まで話を聞くようにしています。ある程度話し終わったタイミングで自分の意見やアイデアを言うように心がけています。
野島:相談メールやチャットツールでの連絡が来たらなるべくすぐに反応しています。自分宛てでなくてもそのメンバーが会議中などで反応できなさそうであれば、代わりに一次回答するなどの対応をしています。
立石:雑談やちょっとした対応でも気軽に相談をしてもらいやすい土壌を作るよう気を遣っています。
柔軟な対応と積極的な提案をする工夫や、上手くいったこと
BAに継続してお願いしたいと思ってもらうために工夫していることはありますか?
三好:担当者様やその上長の方が求めていることに対して、何を価値として提供できるか考えるよう心掛けています。
野島:お客様が困っていることを一緒になって考え、すべて指示をもらうのではなく、私たちからも提案して議論しながら進めています。
立石:ご要望への柔軟な対応、お客様への理解度、受け身だけにならないよう積極的に意見を伝えることが信用につながっているのではないかと思います。
積極的な提案をするためにどんなことを意識していますか?
三好:既存案件のお客様との会議では、少し先のニーズや目標を聞き出すように心がけています。提案するためのネタを探し、少しでも提案確度が上がるように工夫しています。また、メンバーには、提案に備えて日頃から研修や資格などを利用した自己研鑽を勧めています。
野島:ユーザビリティやアクセシビリティ、SEOの観点も踏まえてページ作成をすることです。
立石:お客様が見えていない課題を見つけるために、普段から気軽に話しやすい関係を作っています。
また、レギュレーション・ルール内での表現の範疇や、お客様のイベントも含めた全体スケジュールをできる限り把握し、イベントから逆算してタイミング的な提案をすることもあります。
長く携わる中で、担当者様より詳しくなったエピソードがあれば教えてください。
三好:継続案件の引き継ぎの際にお客様の後任者に直接説明することが多いですね。特に私は長年携わっていることもあり過去の経緯をよく聞かれます。また、お客様社内の手続きやお作法などを担当者様にレクチャーすることもありますね。
弊社が複数部門とのやり取りを集約しているからこそ、上手くいったエピソードはありますか?
野島:担当者様が別の部署と連携してサイト更新する際に、連携先も私たちが担当している場合があるので、お客様側だけでなく私たちチーム内でも連携してスムーズに対応できる場合があります。
三好:さまざまな部署のサイトを複数担当していることで、他部署のサイトの状況を共有したり連携できたりすることは、お客様にとって大きなメリットだと思います。
例えばお客様企業では1年に一度、大きなイベントがあります。イベント前は、事業部サイトだけでなくイントラサイトや社外サイトも含め、様々なサイトでプロモーションを行います。
イベントサイトを含めた複数のサイトを弊社が担当しているので、全体を俯瞰して状況を把握できます。そのため、各サイトの公開予定や進捗を考慮して、担当しているサイトの最適なスケジュールをご提案しています。
これらのコミュニケーションの工夫・改善を続けたことで、お客様から受けた相談や依頼はありますか?
三好:サイト全体のコンセプトを決めたり、お客様全体のブランドを見直すための会議に呼んでいただき、意見を求められたことがあります。いままでの経緯を知っているので、コンセプトやブランド戦略を決めるにあたって、現状の課題や気づきなどの意見をまとめました。
野島:発注元・発注先という関係ではなく、お客様社内のチームメンバーと同じように扱ってもらっています。
例えば、社内向けの新しいガイドラインやシステムの説明会では、デモサイトの制作を私たちが担当し、デモサイトの画面キャプチャが説明会の資料で使われていました。
三好:ガイドラインなどのルール作成はお客様の専門部署が担当しています。普段、私たちはその決められたルールに沿ってWebサイトを更新しています。
運用している中で新たな要素が追加されたり、仕様変更が発生した場合は、ガイドラインをもとにアレンジしたり、お客様の要望に合わせて見せ方を変えています。
私たちが考えたルールを新しいガイドラインに取り入れられたこともあります。新たにガイドラインを策定する際は、レビューを依頼されることもあります。
今後は全体戦略から関わりたい
今後、特にどんな領域で担当範囲を広げたいなどのイメージはありますか?
三好:長年携わってきた知見を活かしお客様と同じ目線で、全体戦略やコンセプト作りなどに計画段階の議論から参画できるように、より一層深く関わっていきたいです。
立石:新規事業部も、私たちが担当していない事業部のサイトからも、相談や依頼を頂けるようになりたいです。
野島:サイトの運用・制作の作業だけでなく、
- お客様のミッションをどうやって実現できるか
- アクセス解析をもとに実際のデータを見ながらどのようにサイトを回すか改善する
といった流れを作れると、より長い取引になるかなと思います。
お客様が出来ないことを依頼いただき、実現できるようにしていきたいです。
全体戦略の計画段階から関わるために、今取り組んでいることはありますか?
三好:今年から中期的な視点で、チームのパフォーマンスを上げるためにメンバーの成長を目標に掲げ、各自取り組んでもらっています。
例えば、お客様のニーズが高いアクセス解析系などを最優先として、まずはチームメンバーの多くがWeb解析士取得を目指しています。
担当領域+アクセス解析、担当領域+ディレクションなど、メンバーそれぞれが強みを活かして企画や提案、ディレクションができるように考えています。
そして、様々な方向性で提案やアイデアを出すことでWebサイトの価値を高め、お客様のマーケティング活動を支援していきたいと考えています。
編集後記
お客様の指示されたことを右から左に作業するだけでなく、少し先を見越した提案やアイディアなど、常日頃からの努力の積み重ねがあったからこそ、継続してお取引いただいているのだと思います。またコミュニケーション効率化・改善を常に行っているため、特にステークホルダーが多い大手企業様から評価いただいていると改めて感じました。
ビジネス・アーキテクツはこれまで蓄積した経験・ノウハウを生かしてWebサイト構築から運用までを一貫してサポートが可能です。お客様の課題に合わせたご提案を得意としておりますので、お気軽にお問い合わせください。