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真の顧客ニーズに応えるために(後編) 何をどのように実践しているのか

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BAsixs編集部

BAsixsは、社会課題の解決と新たな価値創出をBAグループ全体で目指すためのサービスブランドです。

BAsixs参画企業のビジネス・アーキテクツ(以下、BA)は、4月に新たにMAツール導入支援サービスをリリースしました。

今回は、サービス化プロジェクトを立ち上げた長澤と、新規顧客獲得を担う第一事業部長の小山にサービスに込めた想いをインタビューしました。MAツール導入・運用支援サービスの開発を決意した狙いから、具体的な取り組み、そして今後の展望までを、前編・後編の2回にわたってお伝えします。

前編では世の中のニーズや顧客が抱えている課題の変化について説明しました。後編である本記事では、ニーズや課題に対して当社がどのような取り組みをしているか、今後の展開について今考えていることをお届けします。

インタビューした人

プロフィールアイコン(イラスト):マーケター 信谷
信谷マーケター(ビジネス・アーキテクツ)

前職では複数社にてコーポレートIT部門の支援サービスに従事。2018年よりBAに関わるようになり、2021年に入社。前職時代の知見を活かし、MAツール導入・運用支援サービス開発プロジェクトに参加し、ゼロからの新サービス立上げを経験。現在はBAsixsサイトのコンテンツ企画から編集業務を担当。

インタビューを受けた人

  • プロフィールアイコン(イラスト):第1事業部 事業部長 小山
    小山第1事業部 事業部長(ビジネス・アーキテクツ)

    BPOの会社でのなんでも屋を経て、2019年からBAへジョインしました。第1事業部で責任者をしております。

  • プロフィールアイコン(写真):情報システム部 部長/ゼネラルマネージャー 長澤
    長澤情報システム部 部長/ゼネラルマネージャー(ビジネス・アーキテクツ)

    業務アプリケーションの開発会社にてプログラマーとしてキャリアをスタート。SE・PMの経験を経て、2007年に大手Web制作会社へ転職。グループ会社横断で利用する基幹システムの設計・開発及び周辺システム連携のプロジェクトを推進。2018年にビジネス・アーキテクツへ転職しエンジニアリングUNITとソリューションUNITの責任者を務める。現在は情報システム部の部長兼ゼネラルマネージャーとして、組織運営に携わっています。

世の中のニーズの変化に応えるために、マーケティング強化と大規模サイトの効率的な設計・運用の2つに注力したい

前編では、Webサイトに求められる役割の変化や、当社がいただく問合せ内容の変化、私たちに求められる役割についてお伝えしました。

そこで市場のニーズに合わせて、マーケティング施策の提案と、スピード感のある課題解決に注力するためのサービス開発が必要だと考えました。詳しくは以下の記事をご覧ください。

世の中のニーズの変化を受けて当社、特に新規顧客獲得を担っている第一事業部ではどんな状態を目指しているのでしょうか?

小山:市場・顧客ニーズの変化に合わせて、また、お客様のビジネス要求やステークホルダー要求を満たす最適な提案ができるように、私たちが提案できる幅を広げて、もっと長く継続してお客様のお役に立てるパートナーになりたいと思っています。

その為にWebサイト制作の引き合いに加えて、マーケティングに関する問合せにも対応できるようになりたいと考え、2つの戦略を描いています。1つ目はマーケティング強化、2つ目は大規模サイトの効率的な設計・運用です。

1つ目のマーケティング強化については、マーケティング手法は数多くありますが、特にインバウンドマーケティングに注力することにしました。なぜなら、サイト構築後の運用フェーズでは、「ターゲット層の顧客をもっと集客したい」「よりサービス・ブランドのファンを増やしたい」というビジネス目的に直結する課題解決に最適だと考えたからです。

2つ目の大規模サイトの効率的な設計・運用は、お客様の状況やニーズを伺い、お客様の目的を達成するために最適なソリューションの選定や、当社おススメの当社おススメのCMS等の製品を用いて設計・構築し、運用までを効率的にご支援するサービスに注力したいと考えています。

対談の様子:左から、新規顧客獲得を担う第一事業部長の小山、サービス化プロジェクトを立ち上げた長澤

取り組み1:マーケティング強化のために、当サイトを通して知見をためる

市場のニーズに応えるために、社内ではどんな取り組みをしていますか?

小山:インバウンドマーケティング分野では、まず自分たちで知見を貯めるために、昨年1月に当社オウンドメディアであるBAsixs(ベーシックス)を立ち上げました。

ただ、オウンドメディアを立ち上げて結果が出るかわからない間、ぐっと堪えてコンテンツ企画・制作・公開を継続するという判断は、中々むずかしいですよね。

当サイトを立ち上げた当初は、「本当に記事を公開するだけで問合せが来るの?」「頼まれたから記事を書くけど、この前の記事が問合せに繋がったのはマグレでは?」という少し懐疑的な意見も社内にはありました。

当サイトを立ち上げてから1年半ほど経ちましたが、どんな成果が出ていますか?また、社内からのメディアへの印象も変わっていったのでしょうか?

小山:当サイトの運用を継続することで、Web広告無しでも見込み顧客の集客は右肩上がりで伸び、サイトのUUも着実に増加しています。当社サービスに関係するキーワード群を検索結果で上位に表示できるようになり、サイト訪問者が知りたい情報に先回りして応え続けたことで、結果としてお問合せ、さらには採用応募も後押ししています。

社内メンバー執筆記事を問合せに繋げるという、当初から目指した状態になっていく経過を毎月、月次報告会で社内へ共有しています。「きちんと目的をもって取り組めば、効果は必ずついてくる」と伝え続けることで、社内メンバーの考え方が徐々に変わりました。

今では「自分の経験や知見が、未来のお客様や求職者の役に立つなら協力したい」と快く引き受けてくれるメンバーが増えました。

当社は「ガイドライン作成」や「セキュリティ対策」など、運用フェーズを考慮したWebサイト設計・構築が強みです。しかしマーケティング施策に踏み込んだWebサイト改善の提案は積極的にはできていませんでした。当サイトで成果が出たことで、既存のお客様へマーケティングに踏み込んだ改善提案をしたいと意識が変わったと思います。

対談の様子:左から、新規顧客獲得を担う第一事業部長の小山、サービス化プロジェクトを立ち上げた長澤

長澤:当サイトを通じて当社をより知ってもらうという取り組みは、新規顧客の獲得だけでなく、採用面でも効果が出てきたと実感しています。

採用面談では毎回当社を知ったきっかけを伺うようにしていますが、先日採用面接をした2名の方は、公開したばかりのBAsixsサイトの記事を見て応募を決めたそうです。応募してくださった方が「自分もWebサイト運用が大切だと思っているので、記事に共感して応募しました」と仰った時は、狙い通りの効果が出ていたと実感して嬉しかったですね。

また採用面接は通常、お互いに手探りな状態からスタートします。しかし採用面接の前に、記事に目を通していただくことで、ある程度、当社をご理解いただいた状態で面接を始められます。記事を読んだ中で出てきた疑問に回答したり、業務に取り組む上で大切にしていることを理解・共感いただいた上で、どんなポジションをお任せしたいかを説明できます。

メディアの戦略によっては、入社直後に記事の作成に協力いただく場合もあります。たとえば、先日公開したインタビュー記事は、入社して1ヶ月も経たないメンバーも参画しています。

当社のディレクターの考え方やプロジェクトへの関わり方について、ただお客様からの要望の通りにWebサイトを運用しているだけではないことが分かりやすくまとまってると思います。是非ご覧ください。

BAsixsのディレクターにインタビュー「大手クライアントのサイト運用」 | BAsixs(ベーシックス)

取り組み2:大規模サイトの効率的な設計・運用のために、自分たちで使って便利なものサービス化する

2つ目の、大規模サイトの効率的な設計・運用についても、社内で取り組んでいることを教えてください。

長澤:お客様へ提案の幅を広げるために、毎年複数のR&Dプロジェクトを立ち上げています。大規模サイトの効率的な設計・運用に関して、昨年は以下の3つのプロジェクトに取り組んでいました。

  1. おススメのサーバー環境を定義し、サーバーの選定・設計に関わる工数を削減する
  2. よりスピーディーにサイトを公開できるように、当社おススメのWordPressパッケージを企画する
  3. デザイン設計や提案などの業務効率化のため、社内のノウハウを体系化し横展開可能にする

私たちはお客様との直取引が殆どのため、普段からお客様の要望の奥に潜む本来のニーズを直接確認できます。それらの潜在ニーズを収集し、多くの案件へ横展開できることをプロジェクト化しています。これらのプロジェクトは全て、当社のサービスの幅を広げたり、提供するサービス品質の向上に役立っています。

小山:さらに当社のターゲット層のニーズに合わせて提案の幅を広げるために、例えばAdobe Experience Manager(以下、AEM)やHubSpotなどの優れた製品から修得しています。保守工数の増加やセキュリティの危険などのリスクを抑えつつ、お客様のビジネスの成長に貢献するWebサイト運用を可能にするCMSの1つが、AEMです。

社内メンバーの中で興味がある人を募り、実際に製品を自分たちで活用してみて、良いところ・運用上は工夫が必要なところなどを洗い出し、サービス化を推進しています。

長澤:サービス化するにあたり、今年は新たにAEMの提案ができる体制づくりに注力しています。ベンダーであるAdobe社が提供している研修を受講するだけでなく、実際の案件と同じようにプロトタイプとなるWebサイト構築をするなど、実践的な内容の取り組みをしてます。現在はデモンストレーション用のWebサイトを構築しています。

WordPressなどの「ブログ系CMS」とAEMのような「エンタープライズCMS」は何が違うかは、以下の記事で説明しているので是非ご覧ください。

エンタープライズCMSとはどんなCMS?ブログ系CMSとの違いを紹介 | BAsixs(ベーシックス)

HubSpotやAdobeなどのパートナーだからといって、CMSを強要して売り込むといったことはないので、ご安心してくださいね(笑)

対談の様子:左から、新規顧客獲得を担う第一事業部長の小山、サービス化プロジェクトを立ち上げた長澤

MAツール導入・運用支援サービスで「MAツール導入の失敗を防ぎたい」を叶える

大規模サイトの効率的な設計・運用は、サービス化が進んでから詳しく伺いたいと思います。ではインバウンドマーケティングのサービスについてもう少し教えてください。

小山:実は当社は、インバウンドマーケティングを提唱しているHubSpot社のパートナーになりました。

詳細は以下、当社コーポレートサイトのお知らせページをご覧ください。
HubSpot Solutions Partner」認定のお知らせ >

今年の4月にMAツール導入・運用支援サービスをリリースし、今は営業資料やマニュアルを作ったり、社内でHubSpotの運用が出来る人を増やしたり、引き合いが増えても対応できるように準備をしています。

長澤:MAツール導入・運用支援のサービス化に付随して、マーケティングの知識を持った社内メンバーを増やすことにも注力しています。先述しましたが、Webサイトを構築して終わりではなく、Webサイト運用こそが大切だと思います。

Webサイト運用は、Google Analyticsを見ればいいというわけではありません。お客様のビジネスの目的を理解し、ステークホルダーの課題や状況に合わせて、Webサイトをどう活かすべきか、事実に基づく改善提案ができる人を増やしていきたいと思っています。

小山:そうですね。例えばあるクライアント案件では、毎週の定例で1つ以上提案するという取り組みを始めています。お客様に納得していただくためには、データを解析し、分析結果を元に仮説を立てた、マーケティングを軸にした提案が必要です。

また、デザイナーやエンジニアもお客様のビジネス要求を理解し実現するためには、マーケティングの視点が重要です。

そのため、マーケターやディレクターといった職種に関係なく、ウェブ解析士などのマーケティングを体系的に学べる資格取得を推奨しています。さらに事業部を超えてお客様への提案事例を定期的に共有し、社内でもっとお互いの業務を知り、会社全体で高めあう取り組みに発展したいと考えています。

「事実に基づく改善提案ができる人を増やしていきたい」という話がありましたが、こんな人と一緒に仕事をしたいと思う、もっとこんなチームを作りたいといった展望を教えてください。

長澤:どの職種でも共通して言えることとしては、顧客の課題を解決し、さらに期待を超えるためにはどうすればいいかを、一緒に考えて実行に移せる人たちが協働するチームだといいなと思います。

個人的な資質としては、変化に柔軟に対応できる人はいいなと思いますよ。

小山:仕事の範囲を限定しない人が良いですね。仕事内容やスキルにこだわるのではなく、顧客へ提供できるものにこだわる人と言い換えても良いかもしれません。

そうですね。お客様のWeb担当者様の中にはサイト運用には明るくない方もいらっしゃるはずなので、広い範囲で相談できる人が当社内に増えるとより柔軟な提案ができそうですね。先ほど話に出てきた、MAツール導入・運用支援サービスの一押しポイントは何ですか?

小山:お客様にとってMAツール導入は安くない投資です。「お金も時間もかけたのに、自社に合わなかった」を回避するために、MAツールのトライアルから専門家が先導してもらい、合うかどうか判断できる点です。

マーケティング施策のPDCAを効果的に回すためにはMAツールはとても便利ですが、お客様が抱えている課題によっては解決方法はMAツール以外の場合もあります。また、MAツールは機能が多くて比較でつまずいたり、導入しても何から手をつけたらいいのか分からず使いこなすまでに時間がかかってしまいます。

クラウドサーカス社の調査資料によると、「改めてマーケティングオートメーションツールを導入するとしたら、どれを選びますか」という質問に、81%の人が何かしら外部パートナーの支援を受けたいと回答しています。

「改めてマーケティングオートメーションツールを導入するとしたら、どれを選びますか」の回答結果のグラフ。1位「自社で導入・運用を行う」2位「導入支援のみ受けたい」3位「運用支援のみ受けたい」4位「導入支援・運用支援のどちらも受けたい」

出典 : 【マーケティングオートメーション意識調査】MA導入率は15%で昨年の13%から微増。4年連続MAを導入しない理由1位は『費用が高いから』MA導入とコロナの影響の有無は相関性があることが判明-エムタメ!.エムタメ!.(参照 2022-7-22)

アンケート結果を見ると、MAツール導入にあたり外部パートナーを検討する一番の理由は、ずばり「MAツール導入の失敗を防ぎたい」ではないでしょうか。

そこで当社ではHubSpotのトライアルを通して、お客様の課題を分析するサービスです。トライアル利用・課題分析〜戦略策定を行い、MAツールが本当に合っているのかや、当社の導入・運用支援サービスを契約するかどうか検討してもらいます。

MAツール導入・運用支援サービスについて詳細は以下の記事をご覧ください。

MAツール担当者を自社で採用するより低リスク!先導型MAツール導入支援サービスをリリースしました | BAsixs(ベーシックス)

よく使っているオススメ機能は、コンタクトアクティビティー(来訪者の行動履歴)

最後に、当社が導入しているHubSpotを普段使っている中で、おススメの機能を教えてください。

小山:営業目線でいうと、来訪者がお問合せに至るまでの一連の行動を見られるのは良いですね。BtoBは量も大切ですが質を重視します。行動履歴で細かにカスタマージャーニーを見れるので、お客様が抱えている課題を類推して商談を円滑に進めることに役立っています。

特に複数回見ているページがあるか、再訪した時にどのページから流入しているかなど、お客様の行動から分かることは多く、HubSpotは無くてはならない存在です。

また、HubSpotとメールを連携することで、営業のメーリングリストに入っていなくても、顧客とのやり取りをHubSpot上で追えます。新しく入ったメンバーでも、過去の経緯をたどれるのでとても便利だと感じています。

営業チームでは、ミーティングリンクで日程調整の手間を削減したり、商談の進捗を管理したりする機能をよく使っています。Excelやスプレッドシートでも管理できますが、商談の進捗と、顧客の行動履歴を1つのツールで完結できるので見る場所が減り、楽になりました。

長澤:私もコンタクト管理をよく見ています。お問い合わせに至るまでのページ遷移を知ることで、Webサイトやコンテンツの改善にも活かせます。

前編でも触れましたが、個人情報保護法の改正やGDPRなどの影響でCookieの規制が強化され、Google Analyticsでも、最初の訪問日から数日後にコンバージョン(問合せや資料ダウンロードなど)に至ったユーザーデータは取得できない場合があります。そこで当社ではGoogle AnalyticsとHubSpotの2つの情報源を分析に活用しています。

完全理解!GDPR(EU一般データ保護規則)とは? | BAsixs(ベーシックス)

また、基本的なレポートはすでにHubSpotに用意されているので、分析レポートを作成する手間が削減できる点は便利です。今後、Google Analytics 4への切り替えでアクセス分析に不安がある方や、HubSpot内のデータと掛け合わせたレポートを作成したい方には、おすすめな機能です。

対談の様子:左から、新規顧客獲得を担う第一事業部長の小山、サービス化プロジェクトを立ち上げた長澤

編集後記

後編では、市場・顧客のニーズの変化に対応するためのビジネス・アーキテクツが注力する2つの取り組みや、今後の展望についてお伝えしました。

私はMAツール導入・運用支援のサービス化プロジェクトにメンバーとして参加していましたが、MAツールを知らなかった2年前の自分が1人で導入や運用をできるとは考えられません。

ツールを使ってやりたい施策を決めないとツール比較はできない、でもツールを使って何ができるか明確にイメージもできない。機能が少ないと不安、でも機能が多いとトライアル期間が足りない。そもそもマーケティングに詳しくない自分の判断に自信がないから、ツールを公平に選んでくれるプロに全部誘導してもらいたい。そんなお悩みのある方って、多いのではないでしょうか。

もしWebを使ったマーケティングにご興味ある方は、ぜひお気軽にご相談ください。お客様のご要望や課題にあわせて柔軟なご提案から設計・実装・運用・改善まで一貫してお手伝いいたします。