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軽視されがちな企業の“超重要システム” 新世代CMSの導入でデジタル時代に備えを|第3章「最新CMSの導入と活用に向けたポイント」【アルファサード社インタビュー】

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BAsixs編集部

日々の業務の中で「あたりまえ」をアップデートできた取り組みを発信しています。

ー CMSの活用が企業のコミュニケーションにおける中心に(変わる時代に向けて) ー

第3章「最新CMSの導入と活用に向けたポイント」

第3章では、ユーザーの利用目的、ユースケースごとにCMS製品を検討する際のポイントを解説する。現在Webサイトが多機能・多目的になり、それに伴ってCMSの役割が本来のコンテンツ管理だけではなくなっている中で、PowerCMS Xの例を参考に、ユーザーが最新CMSで何を実現しているのかを業種ごとに紹介していく。

【アルファサード社インタビュー】第3章「最新CMSの導入と活用に向けたポイント」|軽視されがちな企業の“超重要システム” 新世代CMSの導入でデジタル時代に備えを ー CMSの活用が企業のコミュニケーションにおける中心に(変わる時代に向けて) ー

インタビューを受けた人

  • プロフィールアイコン(写真):アルファサード株式会社 野田 純生様
    野田 純生様取締役CTO(アルファサード株式会社)

    2003年11月アルファサード社を設立。ウェブアクセシビリティを重視したサイト制作をモットーに、数多くの企業・公共機関のサイト制作に携わる。ソフトウェアの開発が趣味であり仕事でもある。 2007年11月商用 CMS「 PowerCMS 」を提供開始。PowerCMS は既に 3,000 サイト以上に導入されている。PowerCMS X を開発し 2018年秋にリリース。日本初のやさしい日本語化エンジン「伝えるウェブ」開発者。

  • プロフィールアイコン(写真):アルファサード株式会社 正木 愉美様
    正木 愉美様ソフトウェア2部 部長(アルファサード株式会社)

    2013年、ウェブディレクターとしてアルファサードに入社。数多くのPowerCMS 導入案件のディレクションを担当した後、現在は PowerCMS X および伝えるウェブを担当するソフトウェア2部の責任者。主に、PowerCMS X 導入前のサポートや両製品の広報などを担当。

官公庁自治体

同領域では、調達時に競争入札またはプロポーザル方式という工程を経て、導入事業者や採用する製品を選定する。その際には国民・住民に対する公平性や公共性、正確な情報提供という視点が強く求められるため、CMSの選定においてはWebアクセシビリティや日本語表現に厳しいという特徴がある。

政府系の情報ポータルサイト

デジタル庁のガイドラインに記された「モダンアプリケーション、サーバーレス、セキュリティ」という要件を踏まえ、AWS上で運用されているガバメントクラウドに、従来の広報サイトと政府のインターネットテレビを統合する形で新しいWebサイトを構築した。その際にPowerCMS Xで、2万点以上の動画コンテンツを含む数万ページの管理とストリーミング配信を実現している。アルファサード社は、ストリーミング対応の動画プレイヤーを独自に開発。管理画面から動画に字幕やふりがな、チャプターを付けられるようになっており、アクセシビリティを確保した動画配信を可能にしている。
参考:https://powercmsx.jp/cases/directorz.html

大規模自治体の外国人向けサイト

特筆すべき要件は、ふりがな付きのサイト構築というもの。アルファサード社では「ページ一式を自動でやさしい日本語に翻訳する機能」と、「“やさしい日本語化”を支援するエディター機能」を備えた「伝えるウェブ」というプラグインサービスを提供しており、同サービスを利用して対応している。Webページのテキストにふりがな(ルビ)をつけると、「画面読み上げソフトとの相性が悪い」「検索エンジンの検索結果にフリガナの平仮名が混じって入ってしまう」という問題が発生するが、ふりがなのデータを別に持って元テキストとデータを分け、JavaScriptで置き換えるという独自の特許技術を使い、問題を解消している。ふりがなは、汎用的なIPA辞書などに独自の辞書をマージして、「にほんばし」「にっぽんばし」などの読み方の違いを判別。それにより、正確な音声読み上げも可能となっている。伝えるウェブのサービスは、他の地方公共団体や民間企業でも多数採用されている。

大学

学生の入れ替わりが激しく、元々学生や教員が利用するポータルシステムや校務システムにログインするための認証システムが備わってユーザーのアクセスを管理しているが、セキュリティを強化する一環として、CMS連携時の安全な仕組みを構築したいというニーズが発生している。

私立大学

学内システムに1度ログインしたユーザーが、シングルサインオン(SSO)でCMSを利用できるようにしたいという要件に対応。その際に、新たに認証用のPowerCMS Xプラグインを開発した。その他にPowerCMS Xが実装している二要素認証や二段階認証機能を併用して、ログイン時のセキュリティ対策を実現している。

メディア

放送メディア、Webメディアでは動画や記事を大量に配信しており、更新頻度も高くコンテンツが増え続ける。会員制による情報提供形態も増えていて、アクセス制御に加えて所有するコンテンツや著作物の管理も重要な要素となる。特定のテレビ番組や大手ポータルサイトのトップニュースに紹介された時に、大きくアクセス数が伸びるという特徴もある。

大手放送局

ニュースサイトや番組ウェブサイトの運用をPowerCMS Xが支えている。ニュースやコンテンツを提供する際に、動画や画像コンテンツにコーポレートマークやコピーライトマークの透かしを挿入する必要があるため、プラグインを開発して対応。それらのアセットの管理は、プレビュー画面から行える。

金融

他の職種に比べて、特にセキュリティ要件が厳しい。

金融機関

同機関では元々PowerCMSユーザーだったが、静的HTMLを生成できる点、CMSサーバーと公開サーバーを分離できる点などを評価してクラウド製品のPowerCMS Xを導入。制作パートナーが公開サーバー分離と、サーバー配信機能と静的ファイル同期機能のプラグインやオプションをセットにして提案して採用されている。

その他法人

デジタル化の加速に伴いWebサイトが担う役割が増えたことによって、CMSの機能にも多面性が求められている。その中で、特にIRでの正確な情報公開や発売予定前の未公開商品情報などの管理といったガバナンス面、カタログサイトにおける大量のファイル検索、会員管理のCRM的用途などのニーズが目立つ。

文具メーカー

Webサイトで膨大な用品数を揃える中で、顧客が商品検索をする際のユーザビリティーと自社での商品管理面で課題を抱えていたが、管理のしやすさと画面の見やすさでPowerCMS Xを選択した。登録や価格改定の際に、CSVインポート機能によってまとめて登録・変更を行うことができる部分が特に評価されている。
参考:https://powercmsx.jp/cases/craypas.html

公益経済団体

検定試験向けのWebサイトを新たに構築するにあたり、試験の申込期間や試験期間の日程、受付中や終了の表示、試験終了後次の日程など、情報の管理を徹底しつつ決まった日に確実に正確な情報を開示する必要があった。それに対し、アセット公開管理機能により正確な情報公開を実現。一時的に動的生成に切り替わるライブプレビュー機能により、DB内に保存されているデータを基にPCとスマートフォン向けサイトの未来のサイト公開時状態を確認でき、修正時の対応を含めてサイト更新管理における担当者の負荷が削減されている。
参考:https://powercmsx.jp/cases/tokyocci_kentei.html

大規模イベント主催者

開催期間までの特設Webサイトを開設するにあたり、アクセスするユーザーごとに最適化された情報を提供する動的生成サイトを構築。サイト訪問者が主催者のサイトに会員登録し、ログインしてお気に入りの選手名を登録すると、その選手に関連するニュースが紹介される仕組みを構築した。

アルファサード社とパートナーによるユーザーサポートの強み

アルファサード社 ソフトウェア2部 部長 正木愉美氏

PowerCMS Xの特長としては、これまで紹介してきたような多種多様な案件とユーザーニーズを踏まえて、どんどん機能が開発されて製品としてブラッシュアップされていることが挙げられる。それらの幾つかは、特許を取得して標準機能として実装されている。これは、国内メーカーで開発者を中心とした開発体制がしっかり回っていることを証明するものである。

そしてもうひとつ、パートナーとして製品を理解しているWeb制作会社が全国に数多く存在していることが、大きな強みとなっている。前段でユーザーが最新CMSにさまざまな要件を求めている様子を紹介したが、同様にパートナーも開発がしやすく、ユーザーの要件に応えやすく、さらに運用段階も含めてメーカーがしっかりとサポートをしてくれるという安定したCMS製品を待ち望んでいたのである。

PowerCMS Xサポートチームの一員であり、既存のユーザーやパートナーと接点を持つアルファサード ウェブディレクター 正木愉美氏は、双方からサポートが手厚いという評価を受けていると話す。

「皆様から、国内にしっかりサポートをしてくれる会社があることが大きいという声をいただきます。理由は、PowerCMS Xが開発時のみならず、サポートまでを意識して設計しているからです。制作パートナーは、開発案件を手掛けた際の設計の設定を流用でき、それをアウトプットしておけば、後任の担当者も理解がしやすくなります。同じ業種のWebサイトを手掛けているパートナーさんでは、3回目くらいになるとかなり構築が楽になるそうです」(正木氏)

昨今では、CRMやMA(マーケティングオートメーション)ツールにもCMS機能が付き始め、UI操作で簡単にホームページが作れるWebサービスも登場し、CMS機能が点在している企業も多い。ただそれらは、CMSの機能としては全く足りず、何よりその状況が続くとガバナンスがどんどん効かなくなる。将来のシステムの拡張性も踏まえ、このタイミングでCMSを見直してしっかりと基盤を整備し、将来的な更なるデジタルビジネスの拡張やデジタルマーケティングの高度化に繋げていくための備えをしてみてはいかがだろうか。

アルファサード社 野田純生氏と正木愉美氏

編集後記

3回にわたってお送りしました「軽視されがちな企業の“超重要システム” 新世代CMSの導入でデジタル時代に備えを ー CMSの活用が企業のコミュニケーションにおける中心に(変わる時代に向けて) ー」はいかがでしたでしょうか。

PowerCMS Xは、高度で多彩な機能と高セキュリティやパフォーマンスを兼ね備えたCMSです。貴社のWebサイトの課題を解決し、高品質なWebサイトへと変えるための最適なCMSです。PowerCMS Xにご興味をお持ちいただけましたら、お気軽にお問い合わせください。

本記事は、株式会社ビジネス・アーキテクツによって作成し、ZDNET Japanに掲載された記事を元に本メディアへ掲載しています。
URL:https://japan.zdnet.com/pickup/ba_202412/35226295/
(掲載期間:2025年6月30日)