こんにちは。BAsixs編集部です。本記事は「10年つかえるSEOの基本」の書評です。
SEOと聞くと、「専門業者がテクニカルな裏技を駆使して検索順位を上げる」みたいなイメージをお持ちの方が今でも多いと思います。
しかし、そのような認識はまったくの誤解です。
この本は、そんなイメージを払拭してくれる良著だと思います。
簡単にではありますが、「10年つかえるSEOの基本」を紹介します。
SEOの本質をあらためて知りたい!それで読み始めました
BAsixsでは日々、お客様にコンテンツマーケティングやSEOの提案をしているのですが、仕事で携わるうちに「そもそもSEOの本質ってなんだったっけ?」とあらためて思うことが多くなりました。
この本の表紙にこのような言葉があります。
「すぐに変わってしまうトレンドを追うより、変わらない考え方をおさえよう」
このフレーズが刺さりまして、読み始めた経緯があります。
「10年つかえるSEOの基本」の内容
全7章に分かれているこの書籍。まずはざっと全体の内容を見ていきましょう。
第1章 検索エンジンは、なんのために、どんなことをしているのか
SEOを考える上で、「検索エンジンの本質」を知らないわけにはいきません。
サービスとしてはGoogle、Yahoo!、Bingなどがありますが、「そもそも検索エンジンとはなんのためにどんなことをしているのか」を知っていますか?
そこにズバッと答えを出してくれています。
第2章 検索する人の気持ちと行動を考えてみよう
冒頭、SEOはテクニカルな印象があると言いましたが、SEOで最も大切なのは検索ユーザーです。
ここでは、検索する人はどのようにサイトを訪れているのか、最初に訪れたページ、コンバージョンした人の動向など、とにかく検索ユーザーを起点に話が展開されています。
第3章 検索キーワードを見つけよう
SEOで最も重要だと言っても過言ではない「キーワード」の話です。
ただこの本は、SEOの全体像と本質を解説するのが目的なので、あまりここにはページが割かれていません。キーワード戦略などをがっつり知りたい方は注意が必要です。
第4章 検索キーワードをサイトに反映させよう
この章では「キーワードを検索結果に反映しやすくするための6つのポイント」という項目がとても参考になりました。
本質的なポイントをあげてくれているので、これを軸に施策に生かせます。
第5章 コンテンツを作ろう
この章は、コンテンツ=内容について書かれています。
いいコンテンツとは?ということで、チェック項目を23個挙げています。ぜひここを参考に、いいコンテンツを追求してみましょう。
第6章 リンクを集めよう
この章にはSEOで重要な被リンクについて書かれています。
ブラックハットSEOについてもだいぶページを割いて言及されています。というのも、やはりSEO=テクニカルのイメージが付いてしまったのはブラックハットSEOの歴史が関係するからです。
検索エンジンシステムの隙をついたずるい施策がブラックハットSEOなのですが、現在は本当にリスクが高いだけなので絶対にやめましょう。
第7章 SEOを「売り手目線の販促活動」と考えてはいけない
SEOと広告は違う、ということが書かれています。
売上獲得など目的は同じですが、アプローチがまったく異なるからです。
著者:土居 健太郎さんとは?
土居 健太郎(どい けんたろう)
1984年、神奈川県横浜市生まれの30歳。神奈川県立柏陽高校を卒業、一浪の末2004年に東京大学理科一類に入学し、2度の留年を経て休学、そのまま復帰することなく中退。その後は純粋なフリーターとして活躍。ある時、ほぼ成り行きでナイル株式会社に参画、未経験入社ながら猛勉強の末1年で同社の事業部長に抜擢され、SEO事業の本格的な立ち上げを行う。
現在は同社の取締役として、SEO技術の監修のほか、2012年8月にリリースされた自社メディア「Appliv」のSEOも手がけ、現在は月間500万人以上が利用するWebサービスに成長させている
出典 : 土居健太郎. 10年つかえるSEOの基本. 第1版.株式会社技術評論社, 2015, 134p
著者に関しては、Web業界の中でSEOやコンテンツマーケティングを中心に先進的な取り組みをされているナイル株式会社の取締役としてSNSなどで情報発信もされている方なので、以前から認識していました。
SEOやWebマーケティングについて常に本質的で芯を食った思考や発言をされる方で、勉強させていただいています。
「自分が言いたいこと」ではなく「みんなが知りたいこと」を書く
この本を一通り読んだ後に、たどりついたSEOの本質は「自分が言いたいことではなく、みんなが知りたいことを書くべき」ということです。
情報発信となると「いかに自分が言いたいことを伝えるか」に焦点があたってしまいがちです。SEO対策として記事を作っていても、自分の主張軸に内容の展開が片寄ってしまうことがありました。
しかし、SEOとは「情報を求める人が、検索を通じて求める情報にたどり着けるようにする」ための技術です。そもそもがユーザー起点です。
何らかの知りたいこと、お悩みの答えを知りたくてキーワードを入力して検索してページにたどり着きます。
それを解決するコンテンツがあり、そのメディアへの信頼感が蓄積されていく。という経路を考えると、そもそもユーザーが知りたいことを書かないと入り口の段階でアウトです。
そんなことを踏まえると、「自分が言いたいこと」じゃなくて「みんなが知りたいこと」を書く、というのは、あらためて本質的な学びだと感じました。
まとめ:SEOを「怪しいもの」「手法や各論が乱立していて本質がつかみにくい」と思っている方はぜひご一読を
どのようなことにも本質というものは存在します。
本質とは、「そもそもなんのために始まったんだっけ?」という問いへの答えにあたるものです。
時代を経るとともに手法のみがクローズアップされ、各論がたくさん生まれて「そもそもの本質」が見えなくなることは、SEOに限らずどのようなことでもよく出会う事象です。
SEOを「怪しいもの」「手法や各論が乱立していて本質がつかみにくい」と思っている方は、今一度SEOの本質を本書でご確認いただければと思います。
BAsixsでは、どんな技術や手法でも「小手先ではない本質的な理解」を良しとするカルチャーがあり、社員の本質的な学びを支援してくれる風土・制度があります。良いインプットをしながら良い仕事をしていきたい方、BAsixsに是非お問い合わせください。
参考
- 土居健太郎. 10年つかえるSEOの基本. 第1版.株式会社技術評論社, 2015, 134p