ご存知の通り、ウェブサイトはマーケティングツールの一つとして大きな武器になります。ウェブサイトの情報をより多くの人に届けるために、ウェブサイトをアクセシブルにすることは、企業の機会損失(顧客の離脱による利益の取りこぼし)を防ぐための手段として効果的です。
この記事では、より多くの人にサービス・製品の情報を正しく届けたいと考えている企業のご担当者さまに、ウェブアクセシビリティの向上という手法で課題を解決する方法をご提案します。
また社会課題を解決するという視点からも、サイトをアクセシブルにする必要があります。 たとえば、デジタル庁では「誰一人取り残されない、人に優しいデジタル社会の実現」という目標をかかげ、ウェブアクセシビリティを向上させる施策に取り組んでいます。
このように企業が抱える課題や使命は少なくありません。以下のような、困りごとや要望を抱えている担当者さまも多いのではないでしょうか。
- SDGsの達成項目の1つの取り組みとして、ウェブアクセシビリティ対応が社内で候補に上がっているので、関連情報を得たい
- サイトをグローバル化する予定があり、海外の法律に沿ったウェブアクセシビリティ対応をしたいけど、何から手を付ければいいのかわからない
- サイト改善の提案書など社内向け資料を作りたいので、ウェブアクセシビリティに関する情報や事例を調べたい
そういった課題を解決するために、ウェブアクセシビリティに関する情報をご提供いたします。具体的には、ウェブアクセシビリティの最新情報やチェック方法やこれまでに公開された記事を紹介しています。
何から手を付ければいいか分からない、取り急ぎ多くの関連情報を得たいという場合は、ページ後半にこれまでにBAsixsで公開した記事をまとめています。ウェブアクセシビリティに関する基礎解説から対応事例までの多くの記事を、後半にまとめていますのでご覧ください。

最近のウェブアクセシビリティ関連情報(2023年8月)
ここでは、最近のウェブアクセシビリティのトピックや企業になぜウェブアクセシビリティの向上が必要かという話をしたいと思います。
なぜウェブアクセシビリティの向上が必要なのか
企業において利益追求だけでなく社会課題の解決などが求められていく中で、ウェブアクセシビリティも注目されています。多くのサイトやサービスのウェブアクセシビリティ対応が進んでいます。 たとえば、InstagramやX(旧Twitter)の投稿画像にaltが設定できるようになったり、Microsoft製品のアクセシビリティ機能搭載など、大手サービスやプロダクトでも積極的に取り組んでいます。とくに海外では、訴訟リスクにつながる可能性が高いため、より真摯に取り組まれています。
また、2030年までに持続可能でより良い世界を目指す国際目標(日本ではSDGs)では、達成目標の中に「目標10:人や国の不平等をなくそう」「目標11:住み続けられるまちづくりを」という項目があります。 ウェブアクセシビリティを向上させることで、この項目の一部を担うこともできるでしょう。
必要性について、より詳しく知りたい場合はこちらの記事をご覧ください。
ウェブアクセシビリティ対応があらゆるサイトで求められている理由と内容・事例 | BAsixs(ベーシックス)
このようにウェブアクセシビリティが、企業の取り組みとしてとても注目されています。そんなウェブアクセシビリティ関連の最近の出来事をご紹介します。
2023年8月頃(予定)にWCAG2.2が正式な最新バージョンとして公開!
世界標準のウェブアクセシビリティ対応の達成指標「WCAG」というものがあります。こちらの指標を元に世界中でウェブアクセシビリティの向上に努めています。そして、このバージョンがまもなく更新されます。現在主流のWCAG2.1から、WCAG2.2へと最新バージョンが切り替わります。
国内で定められている達成指標としては、JIS規格(JIS X 8341-3)があります。こちらは、WCAG2.0を採用しています。官公庁などは、この基準でウェブサイトのアクセシビリティを担保していますが、以降のバージョンはその内容を内包するものとなります。
古いバージョンを内包した新しいバージョンが良いと思いがちですが、バージョンの検討は慎重に行う必要があります。というのもWCAGは、文書が英語で書かれています。そのため、以下のような懸念点があげられます。
- 早く対応したい場合、英語の翻訳を依頼する必要があり費用がかかる
- 日本語翻訳をWAICという有志のグループが行ってくれるが公開まで時間がかかる
- 英語の文書であるという点から、国内では理解度の高いパートナーが少ない
WCAG2.0以降の状況を図でまとめていますので、検討の参考にしてください。
また、WCAGの文書について詳しく知りたい方はこちらの記事がオススメです。
アクセシビリティ関連文書「WCAG」の最新状況(2022年1月時点)といろんな「アクセシビリティ方針」を見てみよう! | BAsixs(ベーシックス)
2023年9月28日「情報へのユニバーサルアクセスのための国際デー」カンファレンス開催
毎年9月28日は、情報へのユニバーサルアクセスのための国際デー(IDUAI)とされておりWorld Conferenceが開かれます。今年のカンファレンスでは「情報アクセスのためのオンライン空間の重要性」に焦点が当てられます。
さらに、以下のようなアクセシビリティについての講演も行われます。
- 情報へのアクセスに焦点を当てた、オンラインでの権利行使を可能にするものとしてのインターネット接続
- アクセシビリティとインターネット接続に関する司法および情報規制当局の視点
内容としては、透明性・説明責任・情報へのアクセスを促進するための法的枠組みやメカニズムに焦点が当てられます。他にも情報にアクセスしやすい環境の促進、課題への対処、ベストプラクティスを推進することの重要性が話されます。
世界中で重要視されているアクセシビリティについて学んでみてはいかがでしょうか。
2024年4月の障害者差別解消法の改正法施行を正しく理解
障害者差別解消法の改正法が2024年4月に施行されます。この改正法の施行において、ウェブアクセシビリティに関する箇所の変更があります。改正後の内容について説明します。
ウェブアクセシビリティの向上については、基本方針に記載されている「環境の整備」という項目に含まれています。結論としては以下の引用の通り、行政機関等と事業者の別を問わず情報アクセシビリティ(ウェブアクセシビリティを含む)の向上は努力義務となります。
法は、個別の場面において、個々の障害者に対して行われる合理的配慮を的確に行うための不特定多数の障害者を主な対象として行われる事前的改善措置(施設や設備のバリアフリー化、意思表示やコミュニケーションを支援するためのサービス・介助者等の人的支援、障害者による円滑な情報の取得・利用・発信のための情報アクセシビリティの向上等)を、環境の整備として行政機関等及び事業者の努力義務としている。
出典 : 障害を理由とする差別の解消の推進に関する基本方針(令和5年3月14日閣議決定)本文. 内閣府.(参照 2023-08-15)
※このPDFは、「障害者差別解消法に基づく基本方針の改定 - 内閣府」のページの関連リンクに掲載されており、引用した「るびなし」の他に「るびあり」「テキスト(TXT形式)」の資料も配布されています。
ただし、グローバルサイトの構築や運用を検討している場合は、海外の法律に沿う必要があります。訴訟リスクにもつながりますので、対象国の情報をしっかり調査し、適正に対応しリスク回避をしましょう。
本章では、3点のウェブアクセシビリティに関する情報を紹介しました。これからウェブアクセシビリティを含めたサイト改善やリニューアルを検討する場合は、最新状況も踏まえて施策・予算を検討しましょう。 次の章では、自社サイトの改善の施策検討に役立つウェブアクセシビリティのチェックについてご紹介します。
ウェブアクセシビリティチェックで自社サイトの現状確認をしよう!
さてここからは、実際にウェブサイトのアクセシビリティを向上するために、まず自社サイトの状態を確認してみましょう。 現状を把握し、その結果を元に対応目標を決め、どう対応するのかを決めていきます。
ウェブアクセシビリティチェックの詳しい記事はこちらをご覧ください。
ウェブアクセシビリティのチェック結果から、構築・運用でできる対応例を紹介 | BAsixs(ベーシックス)
上記記事でもいくつか紹介していますが、ウェブアクセシビリティのチェックにも種類があります。簡易的にツールで検証できるものから、専門知識の必要な検証項目、実際に目の見えない人などに検証してもらうユーザー検証などさまざまな方法があります。
予算や対応目標などによってチェックする内容は変わってきますが、当社にもウェブアクセシビリティの診断サービスがあります。サービスの概要や対応項目の参考にしてください。
アクセシビリティ簡易診断サービス
スピード重視のウェブアクセシビリティ簡易診断、最短5日でウェブアクセシビリティの要点をわかりやすいレポートの形にして提供するサービスです。当社に複数在籍するウェブアクセシビリティ専門家の知見を結集した信頼性の高いレポート。お客さまのウェブアクセシビリティ課題を早急に可視化し、今後の対応をプランニングする第一歩としておススメです。
うちのWebサイトはどうなってる?診断から始めるウェブアクセシビリティ対応 | BAsixs(ベーシックス)
当社にてご相談も承っておりますので、お困りの場合はお問い合わせください。
ウェブアクセシビリティの対応についてもっと詳しく知りたい方に
本章では、アクセシビリティ対応とは具体的になにをするのか、対応の注意点、対応例などBAsixsで公開された記事をまとめました。ぜひご覧ください。
初心者やおさらいしたい人向け!なぜ対応するのか?という疑問から、基礎情報や法律まで
アクセシビリティの概要から関連する法律やWCAGという達成基準の記事を紹介します。なぜウェブアクセシビリティを向上させるほうがいいのか、対応することでどのような効果が期待できるのか、基礎的な情報を得たい方におすすめの記事を3つ紹介します。
「アクセシビリティとは」という疑問に関する説明や、ウェブアクセシビリティに関する具体的な達成基準や気をつけるべきポイントを解説します。
Webサイトのアクセシビリティとは?意味や達成基準を基礎から解説 | BAsixs(ベーシックス)
ウェブアクセシビリティ対応するときの指針となる文書「WCAG」についての解説記事。また2022年1月現在のバージョン情報やその文書をもとに、作成されたウェブサイトのアクセシビリティ方針を紹介します。
アクセシビリティ関連文書「WCAG」の最新状況(2022年1月時点)といろんな「アクセシビリティ方針」を見てみよう! | BAsixs(ベーシックス)
ウェブアクセシビリティ対応がなぜ必要なのか?という疑問に対する答えを、4つの視点で解説します。ウェブアクセシビリティ対応をしたい場合にまず知りたい、対応が必要な理由や全体像、事例を紹介します。
ウェブアクセシビリティ対応があらゆるサイトで求められている理由と内容・事例 | BAsixs(ベーシックス)
これからウェブアクセシビリティ改善に取り組む人向け!さまざまなチェック方法やその改善手法
ウェブアクセシビリティチェックの方法や、診断結果をもとにリニューアルや新規構築、運用などそれぞれの場面にあった改善方法などをいくつか紹介します。チェック結果から、どういう方法で対応したらよいかを模索している方にピッタリの記事です。
ウェブアクセシビリティのチェック方法やその診断結果から最適なウェブサイトの構築やリニューアル、運営・運用それぞれのシーンに最適な対応例を解説します。
ウェブアクセシビリティのチェック結果から、構築・運用でできる対応例を紹介 | BAsixs(ベーシックス)
表示速度をGA4やLighthouseを利用して計測する方法や表示速度の改善方法について解説します。今すぐ自社サイトの状況を確認したい人は、すぐに読んで損はない記事です。
表示速度の壁は3秒!?試したい6つの改善方法 | BAsixs(ベーシックス)
ウェブサイトのデザインアクセシビリティに関する記事です。ウェブアクセシビリティを高めるカラーデザインについての考え方やチェックツールの紹介をします。
Webサイトデザインにおけるカラーアクセシビリティの重要性を考察する | BAsixs(ベーシックス)
事例など生の声を聞きたい人向け!対応の状況確認や流れ、事例紹介
自社のウェブアクセシビリティ対応状況を確認する方法や、当社の過去の改善事例などのご紹介から対応の流れまでを前後編にまとめた対談記事をいくつか紹介します。 ウェブアクセシビリティ対応をする際の全体の流れや事例を知りたい方に読んでいただきたい記事です。
「ウェブアクセシビリティに対応した」といえる状態の定義の話や、ウェブアクセシビリティについてよくある勘違いに関する指摘を対談形式で説明した記事です。ウェブサイトから冊子などでの対応事例を元に説明します。
あなたの会社のウェブアクセシビリティ何点ですか。(前編)〜実際のところみんなやっているの?〜 | BAsixs(ベーシックス)
ウェブアクセシビリティに対応する流れについて、順序立てて説明した記事になります。大きく分けて6つの工程を説明します。これから対応を始めたい方に寄り添った記事です。
あなたの会社のウェブアクセシビリティ何点ですか。(後編)〜測定から点数以外の判断ポイントまで伝授します〜 | BAsixs(ベーシックス)
まとめ:アクセシビリティの向上をしつづけることは、企業の機会損失を防ぎつづけること
多くの記事を紹介しましたが、気になるウェブアクセシビリティの記事はありましたか? 企業によって達成したい目標や課題はそれぞれにある中で、それらの目標や課題の達成手法の一つとしてウェブアクセシビリティの向上に興味を持っていただけると嬉しいです。
最近では、私たちの多くのクライアント企業さまがウェブアクセシビリティに興味や必要性を感じられており、相談や施策を行っています。また新規のお問い合わせも、ウェブアクセシビリティの向上に取り組む前提でご相談いただくことが増えています。
まだ少し先の話ですが、そのうちウェブアクセシビリティの向上に取り組むことが当たり前の世の中になっていくと思います。その先には、ウェブアクセシビリティの向上に取り組みつづける運用を設計・構築していくことが求められていくでしょう。
BAには多くのウェブアクセシビリティに関する経験があります。小さな疑問から大きな疑問まで解決に寄り添い、導くノウハウがあります。お困りの際は、ぜひご相談ください。