
プロジェクト概要
本プロジェクトは、日本語と英語の2言語に対応したC社様のコーポレートサイトのうち、英語サイトを「グローバルサイト」へと刷新することを目的にスタートしました。
Business Architects(以下、ビジネス・アーキテクツ)は、プロジェクトの企画段階からお客さまと会話を重ね、上流工程の基盤づくりを共におこないました。要件定義からサイトの課題解決に向けた設計の作成、そして、ブランド価値を最大限に引き出すビジュアルの選定までを一貫して支援しました。
プロジェクト背景
C社様はすでにグローバルに事業を展開しています。しかし、コーポレートサイトの英語サイトは国内向けのコンテンツの翻訳が中心で、海外ユーザーを意識した設計にはなっていませんでした。グローバルサイトとして海外に向けた情報発信の強化と、企業ブランドの訴求ができる構成にリニューアルしたいというご要望を受け、プロジェクトが始まりました。
サイトの課題
まずは、お客さまと現状のサイトの課題点を洗い出しました。ターゲットユーザーに届けたい情報が発信できているか、サイトの更新頻度や更新方法に不満はないかなどをヒアリングしていくにつれて、以下の課題が浮き彫りになってきました。
- 海外拠点サイトへの誘導の弱さ
英語サイトが海外からのお問い合わせ窓口として十分に機能していない。コーポレートサイトから各海外拠点サイトへのリンクが探しにくく、ユーザーを拠点サイトへ誘導できていない。 - 伝えたい情報がアピールできていない
C社がどのような企業なのか、どのような理念や想いをもっているのかなど、企業としてのメッセージをアピールしたいが、うまく伝えきれていない。 - ユーザーがサイトを回遊できていない
ナビゲーションメニューに表示されていないコンテンツがあるなど、情報設計上の問題からサイト内の回遊性が低い。 - サイトの運用体制の課題
サイトの運用を担当する部署がなく、サイト更新業務が特定の担当者に依存している。そのため、タイムリーに情報発信や改善活動をおこなうことが難しい状況にある。
ご提案・実施内容
グローバルサイトとして不足していた情報を補強
まず、海外ユーザーが海外拠点サイトにスムーズにアクセスできるよう「リージョンページ」を新設しました。リージョンページには地域ごとに海外拠点サイトのリンクを列挙したことで、どの地域に拠点が存在しているのかユーザーにひと目で分かるようになっています。
加えて、これまで海外向けには発信していなかったプロダクトの紹介ページを新規で追加しました。翻訳にあたっては、日本語特有のニュアンスを海外ユーザーにも伝えられるよう配慮しました。単なる直訳ではなく、ブランドのイメージを反映させたうえで文脈に応じた表現を選定しています。
情報設計の見直しとメインビジュアルの選定
トップページでは、ユーザーに伝えたい情報の優先順位を整理し、ページ設計を組み立て直しました。お客さまは会社のビジョンや想いをユーザーに知ってほしいと望んでいたため、企業理念や社長のメッセージへつながる導線をページの上部に設置し、ユーザーにより強く発信する構成としました。
サイトの顔となるメインビジュアルも、このリニューアルをきっかけにより企業の色を表現できる画像へと刷新しました。メインビジュアルの選定時には、お客さまとビジネス・アーキテクツ両者のプロジェクトメンバーを集め、ワークショップを実施しました。ワークショップでは、まず、メインビジュアルで表現したいコンセプトの認識を共有し、そのコンセプトに最適な画像をディスカッションを交えながら決定しました。より詳細なワークショップの内容や、ビジネス・アーキテクツがメインビジュアルを制作するうえでのプロセスについては下記の記事をご覧ください。
サイトの回遊性の向上
ユーザーに様々なページを見て回ってもらったり、探しているコンテンツが見つけられず離脱されることを防いだりするため、ナビゲーションの強化とサイト内検索機能の実装をおこないました。
ナビゲーションの強化では、ナビゲーションに表示されるコンテンツを増やし、ユーザーが目当てのコンテンツへなるべく少ないアクションで辿り着けるように変更しました。
そして、サイト内検索機能の実装により、検索からもページを探すことができるようになりました。「今後、英語以外の言語にも対応したサイトにしていきたい」という意向をお客さまがおもちだったため、多言語対応も可能なサイト内検索ツールをビジネス・アーキテクツが選定し、ご提案させていただきました。
サイトの責任者を定義
サイトのリニューアル企画と並走して、運用体制についても見直しをおこないました。リニューアル前は、更新作業が一部の担当者に属人化しており、情報発信のスピードや内容の一貫性に課題がありました。また、誰がどの範囲のコンテンツに責任をもつのかが不明瞭で、更新の判断や承認フローが曖昧な状態となっていました。
そこで、サイト全体を統括する運用責任部と、各コンテンツ責任部を定義していくことをご提案しました。それぞれの責任部の担当範囲や役割、権限を整理し、更新依頼〜公開までのフローが明確になっていることが理想的なサイト運用の体制といえます。とはいえ、実際の業務体制や人員のリソースを考慮する必要があるため、お客さまと共に現実的かつ継続可能な体制について検討を重ねました。
プロジェクト期間
- プロジェクトの始動から公開まで7か月
- 要件定義に4か月、メインビジュアルなど画像素材の作成に2か月(ビジネス・アーキテクツがご支援したのは本スコープ)
- 構築からリリースまで3か月
成果
サイトリニューアルの目的やコンセプトを、上流設計の段階からお客さまと共有できたことで一本軸の通ったリニューアルを実現することができました。
方向性を要所要所で確認したことにより大きな修正の手戻りが発生することもなく、ワークショップではお客さまとビジネス・アーキテクツの双方が納得できるビジュアル選定ができました。
プロジェクトメンバー
- プロジェクトマネージャー
- ディレクター
- デザイナー
サービス提供会社

- 会社名
- 株式会社 ビジネス・アーキテクツ
- 事業内容
Webサービスの企画・設計・デザイン・開発・運営にかかる総合サービスの提供
- 企業URL
- https://www.b-architects.com/