Webサイト担当者の皆さん、こんにちは!
あなたが担当しているWebサイトで、こんな経験はありませんか?
- 「新機能を追加したのに、利用率が全く伸びない」
- 「アクセス数は増えているのに、問い合わせや資料請求につながらない」
- 「社内では高評価なのに、ユーザーからは『使いにくい』と声が上がる」
こうした問題の背景には、作り手が考える「分かりやすさ」と、実際のユーザーが感じる「分かりやすさ」のずれがあるのかもしれません。
Webサイトの改善には、アクセス解析やヒートマップ、A/Bテストなど、さまざまなデータを活用できます。一方で、数値などの定量データだけでは「なぜユーザーが迷ったのか」「なぜ途中で離脱したのか」までは分かりにくいこともあります。
そこで有効なのが、ユーザーテストです。ユーザーテストは、実際のユーザーに近い人にWebサイトを操作してもらい、その行動や発言を観察することで、改善すべき課題を見つける手法です。本記事では、Web担当者が知っておくべき「ユーザーテスト」の役割と、成果につなげるために押さえておきたいポイント、さらに専門的な視点を取り入れることで得られる価値 について解説します。

ユーザーテストで見えてくる、数字だけでは分からない課題
ユーザーテストでは、単に「このサイトは使いやすいですか?」と感想を聞くわけではありません。
たとえば、次のようなタスクを設定し、ユーザーがどのように操作するかを観察します。
- 目的の商品やサービス情報を探してもらう
- 資料請求ページにたどり着き、フォームに入力してもらう
- 会員登録や予約などの手続きを進めてもらう
- 特定の条件に合う情報を探してもらう
その過程で、ユーザーがどこで迷ったのか、どの情報を見落としたのか、どのボタンを押そうとしたのかを確認します。
たとえば、運営側では分かりやすいと思っていたメニュー名が、ユーザーには伝わっていないかもしれません。目立つ場所にボタンを置いているつもりでも、ユーザーの視線には入っていないかもしれません。フォームの項目数は少なくても、入力例がないことで不安を感じ、途中で手が止まっているかもしれません。
アクセス解析では「どのページで離脱したか」は分かります。しかし、「なぜそこで迷ったのか」「何が不安だったのか」「どの情報が足りなかったのか」までは、数字だけでは読み取りにくいものです。
ユーザーテストを行うことで、数値データだけでは見えにくいユーザーの迷いや不安を把握し、改善すべきポイントを具体化しやすくなります。
ユーザーテストがWebサイト改善の判断材料になる理由
ユーザーテストは、単に「使いやすさの感想を聞く会」ではありません。Web開発で起こりやすい主観に偏りがちな議論を、ユーザーの行動に基づいた判断へ近づけるための有効な手段です。
Webサイト改善では、「このデザインの方が見やすい」「この導線の方が分かりやすい」といった意見が関係者の間で分かれることがあります。こうした議論そのものは必要ですが、判断材料が主観だけに偏ると、改善方針が担当者の経験や好みに左右されやすくなります。その結果、「なぜその改善を優先するのか」という根拠が曖昧になり、判断が属人化してしまい再現性を保ちにくくなります。
ユーザーテストで得られた行動や発言をもとにすれば、「どこで迷ったのか」「どの情報が見つからなかったのか」「どの表現で誤解が生まれたのか」を具体的に確認できます。ユーザーの行動を共通の判断材料にすることで、担当者の主観だけに頼らず、改善の優先順位を整理しやすくなるのです。
では、ユーザーテストは具体的にどのような場面でWebサイト改善に役立つのでしょうか。ここでは、Web担当者が特に押さえておきたい3つのポイントに分けて見ていきます。
ポイント1:主観に偏りがちな意思決定を整理できる
Webサイト改善の現場では、関係者それぞれの立場によって、重視するポイントが変わります。営業担当は問い合わせにつながる導線を重視したいですし、広報担当はブランドイメージを重視したい。制作担当は画面の分かりやすさや運用しやすさを意識するかもしれません。
こうした視点の違いは、決して悪いものではありません。一方で、判断材料が主観に偏ると、「誰の意見を採用するか」という議論になりやすく、改善の根拠が残りにくくなります。
ユーザーテストを行うことで、実際のユーザーがどのように画面を見て、どこで迷い、どの情報を必要としていたのかを確認できます。関係者の意見をぶつけ合うのではなく、ユーザーの行動をもとに議論できるため、社内の合意形成にもつなげやすくなります。
また、改善の根拠を早い段階で確認できれば、公開後に「想定していた使われ方と違った」「必要な情報が伝わっていなかった」といった理由で大きく修正するリスクを減らしやすくなります。ユーザーテストは、手戻りを完全になくすものではありませんが、作り手の想定だけで進めるよりも、改善方針を確認しながら進めるための材料になります。
ポイント2:成果に直結する課題を見つけやすくなる
ユーザーテストでは、ユーザーの行動を観察することで、問い合わせや資料請求、会員登録などの成果につながる導線上の課題を見つけやすくなります。
たとえば、資料請求ボタンに気づかれていない、フォームの入力項目で手が止まっている、サービス内容を理解する前に離脱している、といった課題が見えてくることがあります。こうした課題は、アクセス解析の数値だけでは原因まで特定しにくいものです。
ユーザーがどこで迷い、どこに不安を感じたのかを把握できれば、改善すべき箇所の優先順位を決めやすくなります。結果として、CVRの改善や離脱率の低下につながる施策を検討しやすくなります。
ポイント3:A/Bテストなど次の施策の仮説づくりに役立つ
A/Bテストは、Webサイト改善に有効な手段の一つです。ただし、何を検証したいのかが曖昧なまま複数案を試しても、結果を次の改善に活かしにくくなることがあります。
ユーザーテストを行うことで、「ボタンの位置が目に入りにくいのではないか」「見出しの言葉がユーザーの期待とずれているのではないか」「フォームの説明が足りず、不安を感じているのではないか」といった仮説を立てやすくなります。
その仮説をもとにA/Bテストを設計すれば、単にA案とB案のどちらが良いかを比べるだけでなく、なぜその違いが成果に影響したのか、仮説をベースに考えやすくなります。ユーザーテストを行うことで、次に試すべき改善施策の具体化につながります。
自社で行うユーザーテストで注意したいこと
「わざわざ外部に頼まなくても、自分たちで被験者を見つけて話を聞けばいいのでは?」と思った方もいるのではないでしょうか。
もちろん、自社でユーザーテストを行うことにも意味はあります。まずは少人数でも、実際のユーザーに近い人にWebサイトを触ってもらうことで、制作チームだけでは気づきにくい課題を見つけられることがあります。
一方で、自社で実施する場合には、見落としやすいポイントもあります。ここでは、特に注意したい2つの点を見ていきます。
「知っている前提」から生まれる認識のずれ
自社のサービスやWebサイトに詳しい担当者は、無意識のうちに「知っている前提」で画面を見てしまうことがあります。そのため、初めて訪れたユーザーがどこで迷うのか、どの言葉を理解しにくいのかを見落としてしまうのです。これを「専門家のバイアス」といいます。作り手とユーザーのずれは、言葉の意味や導線の受け取り方に表れます。
たとえば、社内で当たり前に使っているサービス名や機能名も、初めて見るユーザーには意味が伝わらないことがあります。制作担当にとっては自然に思える導線でも、初見ユーザーにとっては「次にどこを見ればよいか分からない」と感じることもあるでしょう。
もう一つ注意したいのが、同じ言葉でも人によって想定する範囲が異なるケースです。たとえば「サポート」という言葉でも、作り手側は問い合わせ対応やマニュアル提供を想定していても、実際のユーザーは導入前の相談、導入後の運用支援、トラブル時の対応まで含めて期待しているかもしれません。同じ言葉でも、どこまでを含むのかが人によって異なれば、サービス内容の理解にずれが生まれます。
こうした理由によって、行動は制約を受けてしまいます。ユーザーがなぜそこで1秒止まったのか。そのわずかな違和感を見逃すと、真の課題にはたどり着けません。作り手側が自然だと思っている言葉や導線ほど、ユーザーテストで実際の反応を確認することが大切です。
発言だけではなく、行動の背景を見る必要
ユーザーは、感じたことを必ずしもそのまま言葉にできるわけではありません。質問の仕方によっては、ユーザーの本音を引き出しにくくなることもあります。
たとえば、「このページは分かりやすいですか」と聞くと、ユーザーは「分かりやすいです」と答えるかもしれません。しかし実際には、目的の情報を探すまでに何度も画面を戻っていたり、ボタンの前で手が止まっていたりすることがあります。
ユーザーテストでは、ユーザーの発言だけでなく、操作の迷い、手が止まった箇所、戻る・探すといった行動を見ることが大切です。 「使いやすかったです」という言葉があっても、実際には途中で何度も迷っていた、ということもあります。
ユーザーの言葉をそのまま受け取るだけではなく、行動の背景にある課題を読み解くことが重要です。
プロに依頼することで高まるユーザーテストの精度
ユーザーテストの本質的な価値は、単に「声を聞くこと」ではなく、その背後にある「課題の正体」を見極めることにあります。
限られたプロジェクト期間の中で、目的に合ったテストを設計し、ユーザーの行動から改善につながる課題を見極めるためには、以下4つの領域における「プロの専門性」が大きなアドバンテージとなります。
目的に合ったシナリオを設計できる
自社で設計すると、どうしても「ここを見てほしい」という作り手の意図が入り込み、誘導尋問のようなテストになりがちです。
プロは第三者の視点から、ユーザーの等身大な心理を引き出すためのシナリオを構築します。
適切な被験者を選定できる
身近な知人や社員を被験者にすると、忖度や慣れが生じ、データの精度が落ちてしまいます。
専門会社は、貴社の真のターゲット層を厳選してリクルーティングするため、ノイズのない実際のユーザーに近い反応を拾い上げることが可能です。
行動の背景にある課題を読み解ける
ユーザーテストで陥りがちなのが「ユーザーがこう言っていた」という現象の羅列で終わってしまうケースです。
プロは、ユーザーのわずかな視線の動きや操作の「ためらい」を見逃さず、その裏にある心理を分析します。「なぜそうなったのか」という根本的な原因を特定し、実行可能な改善案へ落とし込みます。
社内説明に使える材料を整理できる
Web担当者にとって最も困難なのは、社内の合意形成かもしれません。
専門会社による客観的なデータと論理的なレポートは、上司やステークホルダーへの強力な説得材料となります。単なる報告に留まらず、次の施策へのGOサインを引き出すための「意思決定材料」を提供できるのがプロの強みです。
まとめ:ユーザーの行動を見ることで、改善の精度は高まる
Webサイトの改善では、アクセス数や離脱率、CVRなどの数値を見ることが欠かせません。一方で、数字だけでは、ユーザーがなぜ迷ったのか、なぜ行動しなかったのかまでは分かりにくいことがあります。
ユーザーテストは、ユーザーの行動や発言を通じて、数字の背景にある課題を見つけるための手法です。
「社内では分かりやすいと思っていた」
「この導線で問題ないはずだと思っていた」
「必要な情報は載せているつもりだった」
そうした作り手側の前提を見直すことで、よりユーザーに伝わりやすく、成果につながりやすいWebサイト改善を進められます。
少人数のテストであっても、あなたの視点にはなかった発見や自社だけでは気づきにくい課題が見つかることがあります。そうした気づきを改善に活かすことで、ユーザーにとって使いやすく、成果につながりやすいWebサイトへ近づけることができます。
- 「どこから手をつければいいか分からない」
- 「自社サイトの課題を客観的に評価してほしい」
- 「社内を説得するための材料がほしい」
BAsixsでは、ユーザーテストの設計から実施、分析、改善提案まで支援しています。
自社サイトの課題を客観的に把握したい、改善の優先順位を整理したい、社内説明に使える材料がほしいという場合は、ぜひ一度ご相談ください。
