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メンバーズ×BA 2社合同で開催。「情報設計パズルワークショップ」開催レポート

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2026年5月22日、株式会社メンバーズとBusiness Architects(ビジネス・アーキテクツ、以下BA)の合同ワークショップが開催されました。両社の若手社員を中心に、ウェブサイト構築の上流工程のひとつである「情報設計」を実際に体験する内容。普段接することのない他社のデザイナーやディレクターとのディスカッションは、参加者にとって大きな刺激となりました。

本記事ではワークショップ当日の様子をレポート。また、終了後に参加者に取ったアンケートから、どんな学びや気づきがあったのか、実際に業務に活かせるのかなどを検証します。

メンバーズ×BA 2社合同で開催。「情報設計パズルワークショップ」開催レポート

情報設計に唯一無二の正解はない

今回開催されたワークショップのタイトルは「情報設計パズルワークショップ」。メンバーズとBAにとって、初めての合同ワークショップとなります。

上流工程のひとつである「情報設計」は、ユーザーが目的の情報を得られるよう、情報を整理し、構造化するプロセスです。そこには唯一無二の正解は存在しません。サイトの概要やジャンル、想定されるターゲットによって、最適な情報の並べ方や見せ方は変化します。だからこそ、情報の優先順位をいかに決めるか、設計した理由をいかに説明できるかが重要となります。

今回のワークショップは、ディスカッションを通じてそれらのスキルを身につけることや、他社のデザイナーたちの思考プロセスを知ることを目的として開かれました。

写真:情報設計パズルワークショップ、開催時の会場の様子

ワークショップはメンバーズの社内で開催されました。参加者は各社12名ずつ計24名。職種はデザイナーやエンジニア、ディレクターなど幅広く、経験年数も1年未満から5年以上までさまざまです。ワークショップでは各社3名ずつ計6名がひとつのグループとなり、4グループに分かれて着席。初対面同士が多いなか、ワークショップが始まる前から自然と自己紹介や名刺交換をする姿が見られました。

紙を使ったアナログな方法で情報設計を考える

ワークショップでは趣旨の説明や両社の紹介のあと、グループワーク「情報設計パズル」が行われました。

「情報設計パズル」では、ある実在するサイトを「お題」として、そのトップページを紙に印刷したものが配られます。しかし、印刷されたサイトは一枚の大きな紙ではなく、セクション単位にバラバラにされたもの。これらをパズルのピースのように並べ替え、どのような順番でユーザーに情報を提示すべきかを考えるのです。もちろん、現状のサイトを見てはいけません。

さらに、1枚以上の「Xカード」を加えるというルールも。Xカードには「現状のサイトにプラスすると良さそうな情報」を書き記します。25分間のディスカッションで、お題に対して最適な情報設計を各グループで検討したあと、その内容を全体に向けて発表するという流れです。

写真:情報設計パズルワークショップでのディスカッションの様子1

最初のお題は「行政サービス」。多様な情報を扱うこともあり、利用者の目的は多岐にわたります。ITに慣れておらず、「ほしい情報がどこにあるかわからない」というユーザーも多いでしょう。わかりやすさだけでなく、行政サービスとして正確性や信頼性も重視しなくてはなりません。

参加者たちは、それぞれが考える情報設計を話し合いながら、パズルのピースを組み合わせていきます。
グループごとにワークの様子を見ていると、まずそのサイトの目的を明確にし書き出した上で、パーツの順番の議論に入るグループ、あるいは自分が思い浮かんだ考えを紙にどんどん書き出して、それを元にディスカッションに入るグループ、パーツごとにどんな情報が発信されているのかを丁寧に読み解くところからはじめるグループと、やり方はさまざまですが、参加者全員が積極的に発言していたことが印象的でした。

また、グループ内で意見の相違があっても、それを否定するのではなく、相手の意見も受け入れた上で自分の考えを乗せるといった前向きな方法での議論が行われていたようです。また終盤では、グループ内で1人か2人がまとめ役となり、議論を収束する方向に導いていく様子も見られました。

写真:情報設計パズルワークショップでのディスカッションの様子2

あっという間に25分間のディスカッションは終了。グループごとに発表者をサイコロで決め、1グループ5分間の発表タイム。サイト訪問者の目的や属性を考慮し、各セクションをどういう順番で配置するかがその理由とともに説明されました。また、Xカードで追加する要素として、訪問者の問い合わせに答える追従型のチャットボットやアンカーリンクなどが提案されました。

写真:情報設計パズルの結果発表の様子

2つ目のテーマ「食品会社のECサイト」では、題材となったサイトのトップページの要素が多岐にわたり、さらに難易度が増しました。そのため、どのグループもECサイトを訪れるユーザーのインサイトをより深掘りするような議論が行われました。

写真:グループごとに作成したパズルを最後に貼り出した様子

違った意見に触れ、自由にディスカッションすることで得られるもの

今回のワークショップ終了後、会場の壁に張り出された4つのグループの情報設計を見比べてみると、使ったカードは同じでもその順番や追加された情報はグループごとにまったく異なっていました。しかし、どのグループにもそこにたどり着いた理由があり、どれかひとつが正解というわけではありません。どんなユーザーを想定したか、重視した体験、議論の過程がその違いとして現れていました。

では参加者はここから何を学べたのか。後日、参加者にアンケートを実施し、このワークショップを通して得た気づきや学び、印象に残っていることなどを聞きました。

アンケートの回答でとくに多かったのが、参加者同士が自由に意見を出し合いディスカッションできたことで、新たな視点や気づきを得られたという感想。

自由にアイデアを出し合いながらディスカッションできたこと自体が楽しかったです。普段の業務だと、どうしてもいつもとおりの考え方や進め方になってしまいがちなので、今回のようにいろいろな視点に触れることで、自分の考えの幅を広げる

(UXデザイナー・5年目)

各UIの優先度を整理する際、はじめはセクションタイトルや役割だけで簡易的に判断してしまっていました。しかし、同じグループの方々が細かい情報まで丁寧に読み解き、UI同士の繋がりや、情報を得たユーザーのその後の行動まで深く分析して意見を出してくれました。その意見が鍵となり、ワークを大きく前進させることができました

(エンジニア・1年未満)

グループ内の誰もが業務経験があるなかで議論することができたため、建設的な話し合いができ、とても参考になりました。とくに意見が割れた際に、『こういうユーザーだとしたらどう思いますか?』といったように、解像度を高めながらチューニングしていけて議論の参考にもなりました

(リードデザイナー・2年目)

経験が豊富な方ほど『クライアント目線ではこうしたほうがいいけれども、ユーザーとしてはこうしたほうが……』と揺れていたのが印象的でした。私はまだ経験が少ないので、完全にユーザー目線で設計することしかできませんが、クライアント要望とユーザー目線を両立する難しさや、場数を踏むことの重要性に気づけました

(アシスタントデザイナー・2年目)

写真:普段接点の無い他社のメンバーとも議論が盛り上がった様子1

また、この日得た気づきや学びを、すぐに業務に活かせそうという声も多く集まりました。

楽しみながら『なぜ?』をあらためて考える機会となったため、今後チーム内で同様のワークショップを実施したり、大きい案件時には実業務で情報設計を紙ベースで行うのも効果的ではないかと思いました

(アシスタントデザイナー・5年以上)

同じ課題でメンバーそれぞれの意見が異なる箇所があった場合に、チームとして一番いい答えは何かを、ユーザー理解・情報の優先度にもとづいて整理を行うという過程は、今携わっているコンポーネント設計においても取り入れられると感じました

(UXデザイナー・4年目)

お客さまとの議論や提案の場面で、ターゲットから見てどう受け取られるかという視点をこれまで以上に意識したいと思います。また、その視点をもとに課題や改善案を整理し、よりわかりやすく言語化して伝えられるようにしていきたいです

(アシスタントデザイナー・3年目)

このように、このワークショップから参加者が持ち帰ったのは、他者と議論しながら結論を導き出すスキル。その中でも参加者は以下の3つのポイントの重要性をあらためて実感したようです。

  1. 自分とは異なる意見に耳を傾けること。
  2. 判断の理由を明確にし言葉にして他者に説明すること。
  3. 意見が割れたときに、ユーザーの視点へ立ち返ること。

写真:普段接点の無い他社のメンバーとも議論が盛り上がった様子2

まとめ:2社合同だからこそ気づけたもの

今回のワークショップでは、普段は異なる会社、異なる職種で働く初対面のメンバーが、ひとつのテーブルを囲んだからこそ、自分自身の考え方や判断の癖が見えたようです。社内では当たり前と思ってきたことが、当たり前ではなく、ほかの選択肢もあること。自分の意見とは違う意見を取り入れて、どのようにしてよりよい結論に昇華させていくか。こうした経験を積み重ねることが、議論の精度を上げていくことにつながっていくでしょう。

後編では、今回のワークショップを企画したメンバーズとBAの4名が、実施を通じて感じた手応えや、合同ワークショップを継続する意味について語ります。