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UI/UX改善は体制で変わる。BAが実践する常駐型支援の進め方

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プロフィールアイコン(イラスト):シニアディレクター、Web解析士 齊藤
齊藤アカウント&ディレクショングループ/リーダー/シニアディレクター、Web解析士(ビジネス・アーキテクツ)

Web業界20年。デザイン、コーディング等を経験し、現在は金融系のUI/UX開発のディレクターを担当。NISAやiDeCoの利用で初めて投資をおこなうエンドユーザーにもわかりやすく目的の行動がどれるような情報設計をめざして日々取り組んでおります。

UI/UX改善を外部に依頼したいと考えていても、「依頼内容をどこまで固めればよいのか」「外部パートナーにどこまで任せられるのか」「後続工程や関係者との調整まで対応できるのか」と悩む企業担当者は少なくありません。

Webサイトやアプリ、業務システムのUI/UX改善では、検討や開発の途中で要件や仕様が変わることがあります。たとえば、画面設計を進める中で必要な情報が見直されたり、関係部門との確認によって導線や表示内容の調整が必要になったりすることもあります。

そのため、最初に依頼範囲や成果物を細かく決めきってから進める方法では、変化に対応しづらい場面があります。都度の説明や確認に時間がかかり、スピードや品質の面で課題が生じることもあるでしょう。

こうした場面で有効なのが、現場に近い距離で継続的に支援する「常駐型UI/UX支援」です。この記事では、Business Architects(以下、BA)が実践する常駐型UI/UX支援の進め方や、現場に近い距離で関わることで生まれるメリットを、具体的な支援例を交えて紹介します。

UI/UX改善は体制で変わる。BAが実践する常駐型支援の進め方

常駐型UI/UX支援とは?

一般的に、常駐型のUI/UX支援とは、外部の専門メンバーがクライアント企業のプロジェクトに継続的に参画し、UI/UX設計や情報設計、画面設計、プロトタイプ制作、後続工程との連携などを支援する形態を指します。

ここでいう「常駐」は、クライアント企業のオフィスに常時出社することだけを意味するものではありません。プロジェクトに継続的に関わり、日常的なコミュニケーションを通じて現場理解を深めながら支援することも、常駐型支援の重要な要素です。

UI/UX改善をともなうプロジェクトでは、最初の段階で成果物を明確に定義しきれないことがあります。ユーザーの使い方や関係部門からの意見、業務上の制約、開発側の条件などを踏まえながら、最適な形を探っていく必要があるためです。

要件整理や情報設計を進める中で、表示すべき情報が見直されたり、導線の優先順位が変わったり、後続工程との調整によって画面構成を見直したりするケースも少なくありません。

そのため、変化の多いプロジェクトでは、単に成果物を納品するだけではなく、現場の状況を理解しながら柔軟に関わる支援体制が求められます。常駐型UI/UX支援は、こうしたプロジェクトにおいて、現場に近い距離で継続的に伴走できる点が特徴です。

一方で、外部委託型やスポット対応型の支援が適している場合もあります。たとえば、特定の画面設計、LP制作、デザイン改善など、目的や納品物が明確な場合には、あらかじめ依頼範囲や成果物を定義して進める方法が有効です。

常駐型UI/UX支援の流れを示した図

外部委託型と比べた常駐型UI/UX支援のメリット

外部委託型やスポット対応型の支援では、依頼する時点で成果物や納期、対応範囲を定義して進めることが一般的です。制作範囲が明確な案件では進めやすい一方で、UI/UX改善のように、進めながら最適な形を探ったり、方向性を見直したりするプロジェクトでは、都度の説明や確認に時間がかかる場合があります。

UI/UXデザインは、プロジェクトの序盤に関わる領域でありながら、後続工程の影響を受けやすい点も特徴です。要件定義、情報設計、画面設計、プロトタイプ検証、実装、運用準備と進む中で、必要な情報や画面構成が変わることがあります。

常駐型支援では、クライアント企業のプロジェクトに継続的に関わることで、サービスや業務、各社固有の開発プロセスへの理解が蓄積されます。そのため、案件ごとにゼロから背景を説明する必要が少なくなり、目的や優先順位を踏まえた対応がしやすくなります。

また、企業担当者と近い距離でプロジェクトに関わることで、確認・相談・判断のスピードも上がります。常駐型UI/UX支援は、単なる外部リソースの補完ではなく、変化の多いプロジェクトで、スピードと品質を両立しやすくするための支援体制といえます。

常駐型支援と外部委託型の違いを比較した表

BAが実践する常駐型UI/UX支援の進め方

ここからは、長年にわたり支援しているA社でのプロジェクトを例に、BAがどのように常駐型UI/UX支援を進めているのかを紹介します。

BAはA社のプロジェクトで、UI/UX設計や情報設計、画面設計、プロトタイプ制作、後続工程との連携までを継続的に支援しています。単発の制作依頼として関わるのではなく、クライアント企業のプロジェクト体制の一員として参画し、日々のコミュニケーションを通じて、サービスや業務への理解を深めながら支援を行っています。

常駐型支援では、依頼された作業をそのまま進めるだけではありません。起案部署の要望、関係部門の判断基準、過去の対応履歴、後続工程の制約などを踏まえながら、実現性の高いUI/UX改善につなげていきます。

進め方①:要件定義・情報設計で、要望の背景まで整理する

要件定義・情報設計フェーズでは、起案部署からの要望をヒアリングし、画面に必要な情報や導線を整理します。

このとき重要なのは、要望をそのまま画面化することではありません。起案部署が追加したい内容、ユーザーにとって必要な情報、業務上確認しなければならない項目、後続工程で必要になる条件などを照らし合わせながら、関係者間で認識を合わせていくことです。

たとえば、起案部署から「この情報を追加したい」という要望があった場合でも、本当に必要なのは情報を増やすことではなく、導線の整理や表示優先度の見直しであるケースもあります。逆に、ユーザーには見えにくい部分であっても、業務フローや確認手続き上、画面に含めておくべき情報がある場合もあります。

常駐型支援では、日常的に現場の方針や判断基準に触れているため、要望として出てきた内容だけでなく、その背景や優先順位をくみ取りながら検討しやすくなります。なぜその情報が必要なのか、誰がどのタイミングで確認するのか、後続工程でどのような影響があるのかを整理しながら、実現性のある画面設計につなげていきます。

そのうえで、具体的なワイヤーフレームを作成し、関係者が画面の完成イメージを共有できるように整理します。画面構成を可視化することで、認識のズレを早い段階で確認でき、後続工程での手戻りを防ぎやすくなります。

進め方②:プロトタイプ制作と検証で、改善案を具体化する

画面遷移や操作感を確認する必要がある場合には、プロトタイプを作成し、実際の利用イメージに近い形で検証を行います。

UI/UX改善では、静止画のデザインだけでは判断しづらい要素があります。ボタンを押した後の動き、入力の流れ、エラー時の表示、画面遷移のわかりやすさなどは、プロトタイプを通じて確認することで、具体的に判断しやすくなります。

必要に応じてユーザーテストや簡易的な検証を行うことで、利用者視点での改善点も把握できます。たとえば、想定していた導線で迷いが生じていないか、入力時に負担がかかっていないか、エラー表示が理解しやすいかといった点を見ることで、画面上では見えにくい課題に気づきやすくなります。

常駐型支援では、こうした検証結果を踏まえて、開発側や関係部門と連携しながら改善案を調整できます。ユーザーの操作体験だけでなく、実装可能性、スケジュール、運用面も考慮しながら、現実的な改善につなげられる点が強みです。

理想的なUI/UXを提案するだけではなく、プロジェクトの状況に合わせて「実現性のある改善案」に落とし込むことが、BAの常駐型UI/UX支援で大切にしている進め方です。

進め方③:蓄積した理解をもとに、対応スピードと提案精度を高める

A社での支援では、継続的にプロジェクトへ参画することで、過去の対応履歴や関係部署の判断基準、サービス特有のルールが蓄積されています。そのため、新しい案件や改善要望が発生した際にも、毎回ゼロから背景を確認するのではなく、これまでの文脈を踏まえて、すばやく検討を始めることができます。

過去に類似の画面や機能を検討していた場合、そのときの判断理由や注意点を踏まえて、初期段階から精度の高い提案を行うこともできます。専門知識に加えて、過去の対応履歴や現場で共有されてきた判断基準が蓄積されていることで、短い立ち上がり期間でも案件にスムーズに関わることができます。

また、日常的なコミュニケーションを重ねることで、「この案件では何を優先すべきか」「どの部署と早めに確認すべきか」「過去の類似案件ではどう判断したか」といった意図もくみ取りやすくなります。背景説明に多くの時間をかけなくても、意図や優先順位を踏まえて、すばやく対応しやすくなります。

さらに、公開後にユーザーの反応が確認できる場合は、実際の声を参考にしながら、次の改善提案につなげることもあります。クライアント担当者の反応や利用者の声をもとに、改善を継続できる点も、常駐型支援の特徴です。

まとめ:常駐型UI/UX支援を活用するために必要なこと

常駐型UI/UX支援は、単に外部の人材を補うだけの仕組みではありません。現場の業務やプロジェクトの進め方を理解し、社内メンバーに近い距離で関わることで、UI/UX改善のスピードと品質を高めるための支援形態です。

特に、要件が変化しやすいプロジェクトや、継続的な改善が必要なWebサイト・アプリ・業務システムでは、常駐型UI/UX支援のメリットが発揮されます。最初に成果物を明確に定義しきれない場合でも、現場理解をもとに柔軟に対応できるため、説明コストや手戻りの削減にもつながります。

一方で、常駐型支援を効果的に活用するには、受け入れ側の体制づくりも欠かせません。お互いが意見を出しやすい雰囲気をつくり、所属の違いにとらわれず、同じ目的に向かって進められる関係性を築くことで、支援の成果につながりやすくなります。

また、どのようなコミュニケーションを期待するのか、どこまでのスピード感や品質を求めるのかを事前に整理し、共有しておくことも重要です。期待値をすり合わせておくことで、常駐型支援をより効果的に活用しやすくなります。

BAでは、これまで大手企業を中心に、業種やプロジェクト規模の異なる常駐型・継続型の支援を行ってきました。そうした経験を活かし、企業ごとの課題や体制、意思決定の進め方に合わせたUI/UX改善支援を行うことができます。常駐型と外部委託型のどちらが適しているかも含めて、貴社に合った進め方を一緒に整理します。

「UI/UX改善を進めたいが、どこまで依頼内容を固めればよいかわからない」
「関係者との調整や後続工程まで見据えて、継続的に相談できるパートナーがほしい」

このようにお考えなら、ぜひ一度ビジネス・アーキテクツへご相談ください。これまで培ってきた常駐型継続型支援の経験を活かし、お客さまの体制やプロジェクトの進め方に合わせたUI/UX改善を支援します。